- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087452853
作品紹介・あらすじ
ジャコバン派の精神的支柱だったマラが暗殺された。新たな政治指導者となることを求められたロベスピエールは公安委員会に加入。恐怖政治が敷かれ、王妃やジロンド派が次々に処刑されてゆく。(解説/西上心太)
感想・レビュー・書評
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はい死刑。とりま死刑ってお話し
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第68回毎日出版文化賞特別賞
著者:佐藤賢一(1968-、鶴岡市、小説家)
解説:西上心太(1957-、荒川区、文芸評論家) -
ロベスピエールは人民に寄り添う左翼政治家であるが、元は弁護士というインテリであって、下層民ではない。パリのサンキュロットとその親玉エベールが主導権を握りモンスター化する中、彼らの剣幕に押されて恐怖政治が始まる。パチパチと拍手が鳴り続いた、と佐藤賢一は国民公会の様子を描いているが、独裁と恐怖政治は独裁者の恣意により始まるのではなく、大衆の熱狂から生まれる。ロベスピエールは、この時点では、むしろ熱狂を懐疑する側に立っている。
熱狂の中、革命裁判も尖鋭化し革命の古株たちの血が流れる。もともと、第三身分の革命家たちはヴォルテールやルソーの言葉に心を熱くしたインテリだった。インテリの言葉遊びに始まった革命は大衆を巻き込んで違うものへと変質しようとしているが、その先には何があるのか。サン・ジュストはアルザスに赴き、ブルジョアたちから金と物資を供出させて対独戦線を立て直す。ナポレオンの登場も間近に迫っている。フランス革命は大きな犠牲を払いながら、何かを生み出そうとしているようだ。 -
「自由の女神」は脱キリスト教のシンボルで、「理性」を神とする信仰のための偶像だったとは。。。
それにしても断頭台の露ときえる人の数の多さが滅入る。
革命が暴走しはじめる。その行く先を歴史で知っているがゆえに、重く暗く感じてしまう。 -
2015/04/16完讀
原本還蠻喜歡的エベール,在馬拉被暗殺之後儼然成為激進派無套褲漢的首領,開始越來越激進和囂張。乘著馬拉被暗殺後的民氣,ジロンド派被逼逐出議會,後來也開始血腥的審判及屠殺,王后、羅蘭夫人、ジロンド派都一一成為斷頭台亡魂。看得出羅伯斯比爾還在猶豫掙扎,正這樣革命可以說是成功嗎?但是身邊激進的年輕人如サン・ジュスト一心一意就是要實施鐵血的政策,且並不諱言這是恐怖政策,在史特拉斯堡擔任軍監一樣大行極端手法(矛盾地勢,但卻很有效)。丹頓跑回家鄉隱遁,只剩提姆蘭一個人對革命暴走的發展乾著急。エベール派甚至開始攻擊宗教,要讓革命成為新的神明,四處都有毀壞教堂的行動。三位巨頭之後エベール走得太過頭,決定要聯手。 -
マラの死を契機に、一層、先鋭化する革命。暴走する民意はいよいよ制御困難に陥り、昨日までの革命の功労者が今日には人民の敵として断頭台の露に消えるという狂騒へとフランスは突き進んでいくことになる……。
あれほどにしたたかだったジロンド派やロラン夫人があっさりと死に、初めは独特なキャラクターと語り口調で笑わせてくれたエベールも不気味さすら漂わせるようになってしまいました。また軽躁さばかりが目立つ人民ですが、でも閉塞した社会状況に置かれて「あそこに敵がいるぞ」と指示されたらそうもなるわなぁと納得しつつ反省……。 -
恐ろしい。フランス革命の当事者たちが、殺し合いを始めている。
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毒舌家マラの暗殺。過激なエベール派の暴走でマリーアントワネット、ジロンド派、女性革命家、ロラン夫人などが断頭台の露に消える巻。ロベスピエールは若いサンジュストたちに促され、公安委員会に入る。さらに9月のエベール派の蜂起により国民公会で恐怖政治が議決。疑いを受けただけで逮捕できる嫌疑者法が作られる。さらに脱キリスト教を叫ぶエベール派は聖職者を還俗させ、理性の祭典と自由の女神を信じることを強要する。ロベスピエール、デムーラン、ダントンら革命の古株は打倒エベールで協力すること。