- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087452969
作品紹介・あらすじ
革命政府の力は徳であり、かつまた恐怖なのだとして、恐怖政治を推し進めるロベスピエール率いるジャコバン派。対するエベール派は、恐怖政治の中核たる公安委員会を倒そうと蜂起を試みるが…。(解説/細谷正充)
感想・レビュー・書評
-
テロの語源が政治という皮肉なお話し
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第68回毎日出版文化賞特別賞
著者:佐藤賢一(1968-、鶴岡市、小説家) -
大河小説を読む愉しさは、歴史を共有する愉しさだ。物語の中身である歴史の事でなく、作者と読者、そして物語の登場人物とで重ねてきた読書体験の歴史である。本書後半に訪れる、ダントンとロベスピエールが会話を交わすシーン。このやり取りが激しい切なさと感動を呼ぶのは、「小説フランス革命」という長い旅路を共に歩んで来たからに他ならない。
-
「共和国フランスを幸福に導くには徳が必要であり、徳を実行するためには恐怖が不可欠である」とするロベスピエール。
「恐怖」で人は自分を律することができるか?社会のために行動することができるのか?
たしかに法で縛り、法を犯したものを処罰する。それも「恐怖」には違いない。しかし、それでも犯罪はなくならない。
ましてや社会のために行動することなんて。。。
「恐怖」は一時的な効果しかもたらさない。 -
いよいよ派閥抗争から殺し合いに。如何にして、崇高な革命が、血で血を洗う抗争になっていったか、歴史を見る上で興味深い点である。
-
前作の粛清だらけの物語から呼吸を置くことなく、次は、ついにあの方のギロチンへ至る物語。
最期の最期まで、まったくくそったれな男の・・・
残すところあと2巻。
解説で知ったのだけども、この小説フランス革命が終わっても、ナポレオンの物語が始まっているらしい。
単行本化、文庫化にはまだまだ時間がかかるだろうけども、そちらも楽しみだ。
そろそろまた一巻から読み直してみてもいいかな・・・
----------------
【内容(「BOOK」データベースより)
公安委員会に加入したロベスピエールは、共和国フランスを幸福に導くには徳が必要であり、徳を実行するためには恐怖が不可欠であるとして、いっそう強力に恐怖政治を推し進めていた。一方、激しい政争の末、劣勢に追い込まれたエベール派は、公安委員会を倒すべく蜂起を企てるが、あえなく失敗。行く手には革命広場の断頭台が―。革命は理想郷を実現できるのか。苛烈さを増す、第16巻。第68回毎日出版文化賞特別賞受賞。
———————
【著者略歴「BOOK著者紹介情報」より】
佐藤/賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。99年『王妃の離婚』で第121回直木賞を、2014年『小説フランス革命』で第68回毎日出版文化賞特別賞を受賞
——————— -
対立するエベール派とダントン派、中立を保とうとするロベスピエール。だが、サン・ジュストらはロベスピエールを動かし徳の政治を恐怖政治で実現しようとする。手始めにエベール派を追い詰め、蜂起に失敗したエベールらは断頭台に消える。エベールは死の間際、共和国の滅びを予感し、清廉の士ロベスピエールから腐臭を嗅ぎ取る。