仙台ぐらし (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1347
レビュー : 140
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453263

作品紹介・あらすじ

タクシーが、見知らぬ知人が多すぎる。仙台に住み執筆活動を続ける著者が、日々の暮らしを綴ったエッセイ集。あの傑作小説はこうして生まれた! 短編小説「ブックモビール」も収録。(解説/土方正志)

感想・レビュー・書評

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  • 夏休み、さて何を読もうかと各社の夏のキャンペーンの小冊子を貰って帰って考える。
    集英社のナツイチの冊子には“お試し読み”が載っていて、この本のそれはエッセイとは言いながらこの作者の小説の一片を思わすような内容で、どこかでエッセイは苦手とあって買うのを躊躇していたのだけど、俄然読みたくなった次第。
    読み進める中で『当初、目論んでいたのは、エッセイに見せかけたフィクションであった』と書いてあり、さもありなんと納得する。
    ところが、それもなかなか難しかったらしく『最初の、「タクシー」の話の時こそ、半分ほど創作したものの、第二回以降は基本的に、実話を書きつらねることに専念した』ということで、だけどもこの本の前半のユーモア溢れるお話は十分らしさを堪能出来た。
    …2005年から2015年まで書き溜められているということは必然的にあの震災を挟んでいるわけで、書かれたもののトーンは当然そこを区切りに変化する。
    作者自身、大きな被害にはあわなかったとは言え、仙台の街に住んでいるからには物理的にも精神的にもダメージはあるわけで、余震の恐怖の中、役に立たない自分に落胆し、途方に暮れ、しかし『「この地震でへこたれるために、今まで生きてきたわけではないのだ」と自分自身に言い聞かせ』、そして少しずつ自分を取り戻していく様が、語って良いのかという迷いを伴いながら語られる。
    そうした中で書かれた「ブックモビール a bookmobile」はとても“楽しい話”だった。

  • 見知らぬ知人が多すぎる

  • 驚くくらいしょーもなかった。
    ぱらぱらっと中見出しを読んだ時に、その予感はあったけど。

    この人って、自分の中に書きたいことがあって書いているんじゃなくて、今まで見たり読んだりした映画や小説を適当に切り張りして小器用に書いているような感じがある。前々からそういう印象だったけど、このエッセイはその最たるものって感じです。

    見出しを先に作って、そこから無理やりひねり出しました感がとにかく漂っていて、薄っぺらくて創作くさい。ただ、震災後に書いた短い文章などは、本人が心の中を必死で探って取り出した気配があって好感が持てた。てことで、「これはひどい」カテゴリーに入れるほどではなかったけど。(でもけっこうひどい)

    スタバとかで会ったら、声かけちゃうかも、と今まで思ってたけど、彼はやはり「ファン」から声をかけられることを期待しているんだなぁ、と分かったので(当たり前か)、私は声はかけられないですな。

  • 伊坂幸太郎『仙台ぐらし』集英社文庫。

    仙台在住の作家ということもあり、東北人としては応援の意味で何冊か小説は読んでみたのだが、今一つ波長が合わず、その何冊かで止めていた。本書はエッセイ集である。小説とは異なり、波長が合う感じで面白く読めた…

    と思ったら、映画化された著者の小説『ゴールデンスランバー』の連発されるや興醒め。伊坂幸太郎、お前もか…その後の震災に関するエッセイなどは陳腐にしか感じなかった。

    やはり、自分には伊坂幸太郎は合わない。

  • 伊坂さんがエッセイが苦手っていうのは本人が言ってるけど、本当にしんどそうなのが文書から伝わってきた(笑)
    仙台のタクシー事情とか、あーたしかに、とは思うけど、そんなにタクシーの人だったり、喫茶店で見知らぬ人に声をかけられるのは伊坂さんならではじゃないかな。
    仙台では有名人だし。
    心配性な部分が文から伝わってきて、冷静な奥さんによる指摘でハッとなるやり取りとかがほほえましかった。

  • エッセイはあまり読まないのですが、仙台出張が決まり購入。
    仙台へ向かう飛行機の中で読みました。

    「伊坂幸太郎は仙台の喫茶店で執筆している。」とあったので、仙台市内のカフェでばったり会えないかを期待しましたが、叶いませんでした。

    東日本大震災を綴った内容部分では、やはりぐっときましたね。

    ちなみに、仙台では映画「ゴールデンスランバー」のロケ地を巡ってきました♪

  • 伊坂さんファンだけが楽しめばいい作品。笑

  • 伊坂幸太郎がしょうもないことをあれこれ心配している人、というのがわかって、思わず笑ってしまった。あんなに大胆なストーリーを書く人がまさか、と。可愛らしさすらおぼえた。
    だが、あの綿密に練られたストーリーは、細かなところに気づき、思いをはせることのできる、この繊細さがあるから生まれるのだと思った。
    あそこまで細かく、気づかないレベルから何重にも伏線をはり、回収するために読み返させるような設定は、何も感じない人にはきっと作れないと思った。
    それがわかっただけでもよかった。

    震災の話題は致し方なしだけど、ない方がしょうもなさだけが残ってまとまりはあったかもしれない。時間の経過が残されているのもまたエッセイの良さかなと思う。

  • ・記憶というものは、常に変化し、誇張や嘘が混じるものなのだ。
    ・好きではじめた仕事は、嫌いになったとたんに終わるけれど、「嫌々」がベースにあるのならこれはなかなか終わらない。
    ・「keep going, and keep doing what you're doing……keep dancing.」今やっていることをやり続けなさい。(略)今踊っているダンスを踊り続けなさい。

  • 仙台の街の雰囲気が好きな私にとって、この本を読んでいると街の雰囲気を身近に感じる事ができました。
    この本を読み終わって、いつか仙台に行った時にまた違った伊坂目線で見る事ができるのが楽しみです。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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