赤と白 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453935

感想・レビュー・書評

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  • 「209号室」がそんなに胸くそ悪い感じではなかったので、胸くそ悪さを求めてもう一度図書館へ。
    いやあコレはなかなかに胸くそ悪い。
    とにかく大人たちの気持ち悪さに腹立たしさ。
    とにかくこいつら死んじゃえばいいのにと思いながら読む。
    何人かは死んじゃったし、何人かは不幸になったのでだいぶスッキリである。
    あとは京香と弥子がこの街を出て少しでも幸せになれればいいなと。
    まあ色々消えないものはあると思うけど。
    小柚子はまあ正直どうでもよい。
    あまり好きではないタイプ。
    こうやって好き勝手思っていいのが小説のよいところである。

  • 櫛木理宇にはまってる。
    親の責任。親になるのに資格作るべきだよな。→極論。またはカウンセリングを各家庭に置くべきだよ。日本だめになるぜ、このままじゃ。→極論。

  • 雪降る街で起きた火事。そこに17歳の少女の死体が。
    過去の出来事が原因で人を心から好きになれない小柚子、サバサバしているようで自分に自信がない弥子、兄に腎臓を提供するために産まれたと親に言われた双子の姉妹…、死んだのは誰で、何故?
    思春期のヒリヒリ感。

  • 読後感最悪系どんより小説(褒めてる
    さらっと読めちゃうのでもうちょっと重くてもよかったかな

  • 重い灰色の雲に覆われ、降り続ける白い雪。絶望的な閉塞感に心が壊されていく女子高生たち。第25回小説すばる新人賞受賞作。
    少女たちの表の顔と心の闇の深さの対極が尋常でない。子を守るべき母親たちの無責任と非常識さも大概だが、大なり小なり母娘の関係ってこんな感じなのだろうか。精神科医・斎藤環さんの解説がショッキング。

  • 読み終わった後味はけして良くない。
    でも、こんなことはたくさんあると思う。
    もっと何でも話せると良かったねーと思う。
    でも、好きだから話せないことって本当にたくさんあるのだ。
    この子達はどうやって生きていくのだろう?
    くびきを逃れて、強くたくましく生きて欲しい。

  • 3組の母娘間と、4人の女子高生間の不安定な関係を描いた作品。
    ただでさえ不安定なものが、がたがたと崩れ落ちていき、冒頭でしるされた不幸な結末を迎える。
    彼女たちがまだ女子高生ということだけが救いかな。

  • どこまでも深い闇。読んでいて息苦しくなる。彼女らの未来に救いが訪れることを願ってしまう。それにしてもホーンテッドマンションと同じ著者だとは未だに信じられないぐらい作風が違うのにも驚いた。
    あらすじ(背表紙より)
    冬はどこまでも白い雪が降り積もり、重い灰白色の雲に覆われる町に暮らす高校生の小柚子と弥子。同級生たちの前では明るく振舞う陰で、二人はそれぞれが周囲には打ち明けられない家庭の事情を抱えていた。そんな折、小学生の頃に転校していった友人の京香が現れ、日常がより一層の閉塞感を帯びていく…。絶望的な日々を過ごす少女たちの心の闇を抉り出す第25回小説すばる新人賞受賞作。

  • 父のいない小説。

    もっと陰鬱とした気持ちで読み終えるかと思いきや、意外とスッキリした読了感。
    娘は母の代行で、母は母にはなりきれない。
    そんな中で男の暴力に、視線に、存在に脅かされる日々を描いている。
    家族というものが既に崩壊した「家族」。

    でも、ある種の現実味を伴って読めるのは、この社会だってほとんど崩壊寸前なのかもしれない。

    結局、助けられたのは「父親」に付いていくことになった京香だけ。この世界でマトモな唯一の存在は、やっぱり「父親」だった。

  • 「ホーンテッド・キャンパス」シリーズは主人公のピュアさで見逃しがちだが、人の悪意を描くのに長けた作家さんだと思っていましたが、まさに本領発揮。親の呪縛から逃れるためには殺すか捨てるしかないのか、女子高校生たちのそれぞれの結末がせつないです。

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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