ばけもの好む中将 七 花鎮めの舞 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087457452

作品紹介・あらすじ

季節は、春。宗孝の姉・梨壺の更衣の出産が迫る中、宗孝は「ばけもの好む中将」宣能と共に桜の精霊の怪異を訪ねて郊外の山へ赴く。だがそこは宣能にとって因縁の深い場所で……。好評シリーズ第7弾!

感想・レビュー・書評

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  • 十二の姉の真白の君と東宮との仲もちょっと進展?いや、強力なライバルが現れたけど、それは男装の十の姉!中将は初草の君のことで父親の右大臣から脅迫されて、後を継ぐことを決心させられる。裏の世界も見せられて、さてこれからどうするのか。専女衆にも新しい展開が九の姉によってもたらされる。九の姉さん、なかなかやるじゃん。次々と話が進んでいって面白いなあ。

  • 怪異大好き中将・宣能と彼に付き合わされる右兵衛佐・宗孝コンビシリーズ第七作。

    前作で九の姉君の困った性質が浮き彫りになったため、その姉君が初草の君の女房として仕えることに一抹も二抹も不安を感じる宗孝なのだが、今のところは初草の君の信頼も得て、姉君が得意な舞を通して初草の君も体調が戻ってきて一安心。
    さらに姉君の夫もやはり良い人だった!

    そして八の姉君である梨壺の更衣は無事に出産。生まれた子の性別によってはまた波乱が起きそうと心配したが、そちらも一安心。
    そもそも梨壺の更衣が弘徽殿の女御と張り合う気がないのだから勝負にはならないものの、そう都合良く行かないのがこの世界。
    しかも弘徽殿の女御の息子である東宮の君が相変わらず梨壺の更衣の妹であり宗孝の十二の姉でもある真白の君にご執心なのだから、弘徽殿の女御は面白くない。
    そこで一計を案じたのだが、それが思わぬ怪異譚に繋がってくるのだからやはり宗孝は持っている。

    肝心の真白の君は春若の君こと実は東宮にまんざらでもなさそうではあるが、一方で十郎太こと実は男装した十の姉君が気になって仕方ない。
    傷が浅いうちに早く正体を明かした方が良いのでは?と思うけれど、宣能は何故か明かさぬように指示するし、そんな宣能に反して思いきって切り出そうとするが真白の君は信じない。はぁ、どうなることやら。

    そして父親である右大臣からついに後継者としての腹を括れと告げられた宣能は、右大臣と闇の住人との繋がりを見せられることになる。右大臣の後継者になるということは闇の住人たちとの繋がりも引き継ぐことになるのだが、それを使うのかどうするのかが、これからの展開の注目点の一つになるだろう。
    しかもその闇の住人の一人は宣能の幼い日に起きた事件に関わっているようだし。

    宗孝の優しさと純粋さが際立つ今作だった。宣能はもちろん、初草の君も怪しげな老巫女軍団すら癒されているのだから、一つの才能だろう。
    しかし最後に九の姉君の猪突猛進が意外な形で花開くというオチは面白い。良い方向へ上手く導けば彼女はすごい才能を発揮しそうだ。

  • 前回九の姉の動きが不穏に感じましたが、今回は大活躍でした。
    女御さまは怖い方ではありますが、やっぱり姫なんでしょうね。単純でわかりやすくていいです。
    右大臣は恐ろしい方です。宣能も上手く立ち回ってがんばってほしいです。
    どんどん宗孝が頼りがいが出てきて、ますます楽しみです。

  • 宗孝の苦労は続いている。
    宣能さまのばけもの好きに拍車がかかっている気がするのは気のせいだろうか。

    舞に情熱をささげる九の姉君がなかなか面白いし、専女衆もまだまだ今後出てきそう。
    人間関係出そろったかなと思ったら、宣能さまが不穏な感じになってしまわれた!
    宣能さまと宗孝のでこぼこで愉快なかわいいコンビが好きなんだ!
    宗孝に緊急コール入れたい!!

    暗夜鬼譚のラストがあるから、こっちのシリーズもなんか気が抜けなくなってきた。

  • 前回は、まだ不穏な感じの部分が残って終わったので7巻ではどうなってしまうかと思っていましたが、小説の季節が春だからか、心がぽかぽかと暖かくなるようなお話ばかりでした。弘徽殿の女御様も、春の暖かさのおかげか、7巻では怒り狂っているシーンがなくてよかった…
    また、最後の最後のシーンでは、もう嬉しさのようなものが込み上げてきて、涙が出そうになりました。
    しかし、宣能の闇の部分が今まで以上に見えてしまって、これからの展開が少し心配ではあります…
    今気づきましたが、もしかしてこのシリーズ一生本物の怪異は現れない…? いつかは遭遇できるのかな、とか思ってましたが…宣能がかわいそうだからいつかは見られるといいのになあと思います。妖が現れたかもしれない時に、嬉しそうに「どこに、どこに」と言って身を乗り出すのが可愛いです。
    東宮の小舎人童・小桜丸もめちゃくちゃ乙女っぽくて可愛いです。

  • 九の姉と巫女問題が解決。きれいにまとまって良かった。東宮と小桜丸のやり取りで北斗の拳ネタいれるのやめてさしあげてwww 乳母の仇が身内(?)になってしまった…

  • 姉妹は全部出てきたかな。バラエティ豊か。

  • 七冊目。人の良さがにじみでる。
    2019/9/21

  • 五巻をすっ飛ばしているので中将さまの人間嫌いと偏屈にはそう言うわけがあったのねぇ…と今更理解。
    宗孝は良い子だなぁ…とほだされる巻。

    老女軍団の群舞と、花見見物の話。
    右大臣の暗躍とストレス溜めてそうな中将が気になる。

  • 右大臣が根っからのワルだとは、宣能のためにめも思いたくないが。。。 またしてもばけものを好まない宗孝の身に怪異。 恐ろしきはおなごの怨念。。 春若と真白と初草。(宗孝は、入れたいようないれたくないような。。笑)、幼いかわいい子達が幸せになってほしいなあ☆

  • 妖や怪談を好む中将シリーズ第7弾。
    短編連作。
    平安時代、春の季節に起こる怪奇現象を追う中将に巻き込まれる宗孝。
    今回は宗孝自身や姉妹が怪異に遭遇し、それを解決するために奮闘する。
    怪奇現象だけでなく、中将が父親の後継としての役割を果たして行く話も出てきて、だんだん右大臣がどんな人なのかわかってきて、あなおそろし。

  • 6巻から連続で読むことをお勧めする1冊!

    東宮さま、久々に真白の君に会えてよかったねー(笑)

  • 誰もが認めるできる男なのに、オカルトマニアという残念な貴公子と、彼と一緒になんでかトラブルに巻き込まれるヘタレくんのお話。十二人の姉がいるという驚異の設定のヘタレくんですが、それがとても楽しいシリーズです。今回は恋愛方面で。やー、いい感じに煮詰まってきたわ。いかに父親を乗り越えるかですねっ。

  • どんどん戻れなくなってきてるねえ宜能
    宗考に心のうちを明かせればよいんだけど
    初草も春若も幸せになる未来は描かれないのかなあ

  • シリーズ第七弾。

    父との関係で心労気味の宣能ですが、宗孝の存在が癒しのようですね。そして、初草にとっても・・。
    春若君の奮闘ぶりは、実を結んでほしいような、もっと空回りしてほしいような。ついニヤニヤしてしまいます。
    あと、面倒くさいキャラだった九の姉上が、舞の才能を生かして、振付師としての道を開花(?)したようで何よりです。

  • 物語が動く、7巻目。中将にとって宗孝が救いでありつづけることを祈ってやまない。

  • ばかばかしくも呑気な風情の物語と思わせといて、その下地に剣呑な右大臣家の父と息子・宣能の攻防が見え隠れ。侮れませんわ~。次巻は春若と十二姉・真白の進展がもっと見られますように!!

  • 相変わらずのばけもの好む中将だけど、うっかりやむを得ず厄介なことになってしまって……ストレス溜まりそうで心配。
    でも隣に宗孝がいることでラクになれてるみたいで良かったなぁ。
    宗孝が宗孝であることで救われるというか。
    良いコンビだ。

  • 九の姉、いいキャラで好き。
    ま、身近にいてほしくはないかもだけど(笑)
    最後のあれは素晴らしい。
    あんなに盛り上がるとは思わなかった。
    弘徽殿の女御の持ちかけた縁談も見事な決着。
    今後の展開が早く知りたい。

  • 前巻に続く懸案が一気に片付く良い終わり方でほっこり。でも中将宣能は不穏な方へと導かれつつあるが、これからの展開に期待です。宗孝と初草の君、真白と春若君の行方も気になるし。特に春若君の設定はお気に入りです。このままずっと進展しないで欲しいと思ってしまうくらい。ばけものといってもおどろおどろしくないし、このシリーズ大好き。

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著者プロフィール

1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。
「ばけもの好む中将」、「暗夜鬼譚」シリーズ(ともに集英社文庫)、『怪奇編集部「トワイライト」』(集英社オレンジ文庫)など著作多数。

「2019年 『百鬼一歌 菊と怨霊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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