ユートピア (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 501
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087457483

感想・レビュー・書評

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  • わたしは湊かなえさんの小説が好きなのだと気付かされた。各々の心情描写が上手で、解説されていた「主観と主観の殴り合い」という表現には大変しっくりくるものがあった。表に出るには微妙な兆候しかないけど大きな感じ方のズレが巧みに描かれてる。子供たちが大変賢く、最後の彩也子ちゃんのお手紙に全部伏線回収持ってかれる爽快感たるや。結局健吾くんはどういう目的で、ふたりに歩くところを見せる機会を設けたんだろう。2019.10

  • 人間わかりあいたいなら背景の共有がだいじ

  • 健吾が誘拐犯で金を奪おうとしていたところが決定的な証拠がなくてモヤっとした。
    ただし、それを含めて現実味があった。この本は現実味がありすぎるくらいだった。なんの変哲もない田舎町、ズケズケとものを言う人間関係、慈善活動の金銭問題…。最初はすみれが感情的で常識外れだと思っていたが、菜々子も光希も母親として自分の子供だけを考える所はリアルだった。
    子供達も、とても小学生とは思えないほど大人を観察していると思った。

  • いまいち世界に入り込めなかったなぁ
    なんでだかよくわからないけど
    ドラマになってたらわかりやすいのかな、見てみたい

  • 海辺の田舎町、車椅子の少女、チャリティー活動
    表面上美しく見えるものであればあるほど、その裏の何か汚れた部分を探してしまう
    この設定×湊さんというだけでも、読む前から"イヤ"な予感しかしなかった

    地方独特の閉塞感については、「望郷」や「物語の終わり」でも描かれているけど
    特にこの作品においては、同じ地域に住む家族以外の人たちの価値観やお互いの距離感の描写が色濃かったなと思った
    毎度のことながら、田舎町あるあるは共感できる分、苦しい

    表紙の絵の空の色みたいな
    灰色の雲みたいな、晴れ渡らない雰囲気がずっと漂っていた中で
    今までクールに構えてきた光稀が「どこがどう嫌なのか説明などしなくていい。嫌と思うから嫌と口にするのだ。」という思いで、離婚したくないと主張するところが、すごく気持ちよく心に残った

    過去の殺人事件についてあまり詳しく書いてなかったのは、この作品の肝ではないからかもしれないし、そもそも女性目線の語りというところから外れてしまうけど
    宮原目線のストーリーを聞いてみたかったかも

    3人の女性たちそれぞれに、"思うけど言わないこと"や"見せない顔"があって、誰が悪いのでもなく晴れない気持ちもある
    それでも、彼女たちが行く先に明るいものが少しでもあればいいなと思った

  • あまりピンとこなかったです。。
    結局どの人の思惑が何だったのかを把握できず、「???」となって終わりました。
    湊かなえさんのドロドロ感やエゴイスティックさが足りないなぁと思いました。笑

  • 海沿いの坂道から、波が立っているのが見える。空に憧れた海が精いっぱい伸ばした手が翼となる。翼があれば、夢見た場所へと飛んでいけるはずなのに。

    .

    将来田舎暮らしもありだな〜と思ってたけどそんな思いを蹴飛ばすような生き苦しさでした。

    私達は片方の翼しか持ってないから、みんなが自分の心の中に片方だけ持っている翼に気づき、みんなの翼を合わせて高く、遠く飛ぼうというさやこの考えが素敵。

    さやことくみかなら、手を取り合ってどこにでも飛んでいける。

  • 女性関係やその心理描写をかかせて湊かなえを超える小説家が果たして他にいるのだろうか?
    登場人物の主観と主観がぶつかる。
    物語に起伏があまりないが引き込まれた。
    最後はドタバタ感あり。

  • 視点が変わりながら話が進んでいく物語
    結末は個人的にはモヤっと感が残ってしまったけど、全体的なストーリーとしては面白かった

    原田ひ香さんが書いていた主観と主観のぶつかり合いというのがしっくりくる

  • 久しぶりの湊かなえさん。やっぱりおもしろい~~!
    人の心の嫌な部分を言葉にするのがうますぎて怖い…
    それにストーリーの完成度が高すぎる。
    読み終わったあとの満足感すごい。
    鼻崎町という地名に対する間抜け感の説明、笑った。
    いちいち言語化するのがうまいんよな。
    子どもは侮れない。ラストが小気味よくて好き。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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