- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087458091
感想・レビュー・書評
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現実を知るのに良い本。
若いうちからいろんなことを心配して育つ中米の人々のたくましさは、こういうところから来るのかもな、、と。
解決策が見いだせない閉塞感もあるが、ひとりひとりの当事者は、今を生きている。そこに明るい兆しを見出してほしい。それは、教育なのか?コミュニティの力なのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書かれている内容はともかくとして、文章自体は読みやすく2日ほどで最後まで読みきることができた。
昨日たまたま、アメリカ合衆国に南米、中米からの移民がメキシコを経由して渡る途中に、40度を超えるトレーラーの中で死んでいたというニュースを見たところで。コロナ禍での世界的な不況、戦争による物価高に加え、観光客の激減によってなりふり構わず独裁化していく国々。この本で書かれている内容からさらに、現状は悪化しているんだろうなと思った。
日本も然り。
ただ、国の状況を考えると仕方がないとは思うが、現役でマラスに属して危ない橋を渡ってるギャング達には直接はほぼ取材できずに終わっていて、もう少し突っ込んだ内容が欲しかったなと。
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同著者の「麻薬戦争」とセットで買った。
大好きな「空白の5マイル」が受賞した開高健ノンフィクション賞を受賞した作品なので期待していたが、「麻薬戦争」と同じで、ホンジュラスの半グレ組織マラスの概略を説明しつつも、メインはそのマラスに所属している少年の状況、更正した元マラスメンバーの現在の状況、支援する非営利団体などを詳細に紹介している。
「麻薬戦争」を先に読んでいたので、こちらもかなりリベラル色を前面に出した本なんだろうな…と思いつつも買ったので一応読んだが、やっぱり、受け付けなくて途中で断念。
単純に中米の治安状況やマラスに関心があって、その実態を客観的に知りたいという人にはおすすめできない。 -
工藤律子『マラス 暴力に支配される少年たち』集英社文庫。
第14回開高健ノンフィクション賞受賞作。殺人事件発生率世界一という中南米のホンジョラスで暗躍する若者ギャング団『マラス』の実態に迫ったルポルタージュ。
ホンジョラスで果敢にも『マラス』という若者ギャング団を取材したらそれほど悪い奴等ではなかったといった程度の内容で、期待した程ではなかった。
今の日本で起きている渋谷のハロウィン騒乱や宮崎の男女6人殺害事件、九十九里浜や琵琶湖のバラバラ死体遺棄事件などの方が余程恐ろしい。