バラカ 上 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458381

感想・レビュー・書評

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  • スピード感が速い。久々一気に読んだ小説。

    まだ上巻の為、何がどうなっているのか?これからどうなるのか?全く予測不可能。


    出版社に勤める沙羅は独身のまま40歳を超え、子供を望むようになっていた。友人の優子にドバイで養子を購入出来るとの情報をもらい、優子と共にドバイを訪ね、バラカという少女を幼女にし、日本に連れ帰る。


    日本に住む日系ブラジル人のパウロとロザにはミカという幼い娘がいた。
    酒に飲まれるパウロ。
    「精霊の声」教会にのめり込むロザ。
    このままでは駄目になると、ドバイに家族で移住するが、パウロは厳しい暑さに身体を壊し、ドバイで働けなくなり、単身ドイツに渡る。
    ロザはナニーの仕事が気に入り、ミカと共にドバイに残る。
    しかしロザは隣の家の運転手と家を出てミカと共に行方不明になる。


    全く先が想像出来ないが、非日常的な世界に一気にのめり込んでしまった。

    この先一体どうなるのだろう。。。

  • 桐野夏生『バラカ 上』集英社文庫。

    登場人物の誰もが異常という何とも奇妙な小説。主人公はバラカなのか、沙羅なのか、それとも悪魔の如き川島なのか……現実と虚構の狭間で背中がざわざわするような嫌な味わいのストーリーが展開する。恐ろしいが、読まずにはいられない。

    ブロローグに描かれた東日本大震災による福島原発事故後の被災地。放射能被害警戒区域でボランティアの豊田老人に保護された謎の少女バラカ……次第に明らかになるバラカの出自と数奇な運命……

    果たして下巻では如何なるストーリーが待ち受けているのか。

  • リアルとデストピアのない交ぜの小説だ。あの東日本大震災を題材に・・・と思って読むと肩すかしのような、だからこそ、そこはかとなく怖いのだけど。桐野さんは相変わらず筆運びが勇敢で、叙情に流されないところがいい。ハンサムウーマンたるゆえん。さて、結末があるかどうか。

  • プロローグは放射線被害警戒区域でバラカが見つかったこと。
    生みの母と父、育てようとした母とその夫。二組の男女を中心にとその周りの人たちの生活と想い。馴染める物があり、馴染めない物もある。それぞれの個性が波打ってくる。

  • 登場人物が、なんせヒドイ。
    どいつもこいつも、クズ野郎だ!
    どこまで勝手なヤツらなんだ。
    まともな奴が出てこないぞ!

    でも、そのクズさが凄いために、不愉快になりつつ読むのがとまらなくなった。
    そういう意味では、作者の策にハマったのかもしれない。

    カワシマとヨシザキのくだりは、読みながら
    は?と思わずと固まってしまった。
    読書で、声出してツッコミしてしまうなんて初めてかもしれない笑

  • 多角的で奥深いストーリー

  • 私の勝手な印象なのだか、この方のお話は「しんどい」。

    でも、今回はそこまでドンヨリしない。
    なんでだろう。

    下巻でまたドーンとしちゃうのだろうか。

    下巻へ続く

  • 先週、イギリスで起こった悲劇的な事件にも触れるように、今世界には知らないだけで数限りないくらいの人身売買が繰り広げられている。
    自分の生き方を選べる現代だからこそ起こった悲劇。そして、メディアや政府のいうことを信じることの愚かさを教えてくれた気がした。

  • 先を読み急ぎたくなるような小説。最初の三分の二を経過しても主人公が誰かわからないような、これまでにない面白さがあり、また途中から気持ちが悪くなるような展開も、読む意欲を掻き立ててくれる。 

  • 初桐野作品。面白すぎる。あっという間に上巻、下巻ともに読んでしまった。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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