海の見える理髪店 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 447
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458725

感想・レビュー・書評

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  • 前情報まったく取らずに読了。
    短編小説で直木賞の文庫本というのもあり
    隙間時間に読めましたが
    タイトルにもなってる海の見える理髪店に一番、琴線が震えました。

    単純に戦前戦後を生きた店主の話に引き込まれ、
    単純に結末にビックリしてました(笑)
    難しい話ではなかったのに
    まったく気づかなかったので
    自分は鈍感でした。

    他の短編小説も総じて
    過去との決別と再生がテーマにあるように思いました。

    料理名は家族の儚さ。

    家族とは別の個人個人のエピソードは時代に翻弄されても生きる力

    命の儚さがよく出てたように思います。

    理髪店は高倉健さんのエピソードから着想したのかなというクダリがありました。

    海外で暮らす小さい女の子の話は火垂るの墓を思い出しました。

    浮浪者の描写が切なかったです。

    差別や虐待が行われてる上で馬鹿みたいに青い空

    馬鹿みたいに蒼い海という表現も考えさせられました

  • 好きだったのは「海の見える理髪店」と「遠くからきた手紙」

    時間を忘れて読めた。面白かった。

  • ☆3中の☆3な小説。心を揺さぶってくるとか急展開があるとかはない。扇風機の微風って気持ちいいのと同じ感じの小説。

  • なんかなぁ
    特に感動するとかないような感じだった

  • 読み終わってから直木賞だと気づいたが直木賞っぽい。最後の1文。もうほんとに、いい意味で。成人式は泣いてしまったわ。よい作家にめぐりあえた。いまの、わたしの価値観にピッタリの人かも。


  • 家族について描かれる短編集。
    すごい展開はないけれど、なんだか、すっと心に引っかかる話し。家族とはそんなものなのかと感じました。
    夏の午後、何も予定がなく、なんとなく淋しい心を立て直してくた一冊でした。

  • 目次
    ・海の見える理髪店
    ・いつか来た道
    ・遠くから来た手紙
    ・空は今日もスカイ
    ・時のない時計
    ・成人式

    短編集なのは知っていましたが、ちょっと勘違いしていました。
    海の見える理髪店を訪れる客が、そこでなにがしかの癒しを得る連作短篇だと思っていたのです。
    全く独立した6編の短編集でした。

    そこに家族があるのに、思い出に生きているような登場人物たち。
    過去に囚われている。
    言いたいけれど言えなかった言葉は、優しさゆえか、臆病さのためか。

    それでも前に進むんだろうなあと思わせる終わり方の作品が5つ。
    特に『成人式』。
    15歳の娘を交通事故で喪った夫婦の、ただゆっくりと流れていくだけの5年間を想像して、辛くなる。
    そもそも子どもが親より先に死ぬ話は嫌いだ。
    「むーん」と眉間にしわを寄せて読んでいたと思うのだが、読後一番気に入った作品となった。

    本当に娘を愛していたと同じくらい、本当に夫を、妻を大切にしている夫婦なんだよなあ。
    「忘れよう」「前を向こう」と思いながらもそんなことできるわけもなく。
    だけど、パックをしている妻にお願い事をされて「なんだい、スケキヨ」っていう夫なんだよ。
    絶対いい人。
    突拍子もないことを考えてはいざとなるとビビる夫と、冷静に突っ込みながら実行しちゃう妻。
    いいじゃないですか。
    一番荻原浩っぽい作品かも。

    さて、一つだけ毛色の違う作品が。
    『空は今日もスカイ』
    子どもが主役というだけではなく、母とともに親戚の家にお世話になっている茜と、親に虐待されている陽平。
    家出をしようとしていたわけではなくて、居場所を探していただけ。
    だけど子どもの言葉は大人には伝わらなくて、彼らを保護したホームレスの男は警察に連れていかれる。
    救いがない。
    ただ、ホームレスの男が教えてくれたフクシの連絡先。
    ここに電話したらなにか変わるだろうか。

  • すごく良かったです。短編集になっていて、どの話も結末に近づくにつれて胸が苦しくなる感情に包まれました。
    荻原さんの他の作品をもっと読んでみたいです!

  • ◯初めてひとりで見る海は、茜を包んで、茜を抱きしめて、茜の体に新しい何かを注ぎこんでくれる気がした。(174p)

    ◯途中で日和って心変わりしないように、目を閉じて眠ることにする。目が覚めたら、自分が別人になっていることを夢見て。(239p)

    ◯いくらもしないうちに私たちの周りに、会場のどこかにいた郁美ちゃんの知り合いが集まりはじめた。(248p)

    ★短編集。どの話もどこか喪失感があって切ない、でもこれからまた歩き出せる、未来が始まると思わせてくれる素敵なお話でした。

  • 亡き父の
    在り日の姿
    思い出す
    我顧みて
    ゴメンとつぶやく


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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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