オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087463019

感想・レビュー・書評

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  • 含蓄のある言葉が詰まっている。
    歴史の不条理に対して真摯に向き合い、自分自身とも常に戦ってきた方だからこそ吐ける言葉だ。
    特に「狼に追われているウサギが待ってくれというか」はしびれた。
    しんどい状況におかれた時、いつもこの台詞が浮かんでくる。
    その度に不思議と胸の奥からモリモリと力が湧いてくる。
    本当に強い言葉は身体に響くのだ。

    人間の成長をベースに組織を設計するリーダーの基では、部下は考えるくせがつき、のびのび動ける。
    確かに大変だが、「走る練習が多いことに対し、走らないでできるサッカーがあるなら教えてくれ」というように、考え責任をもって行動することは生きるベースと思う。
    常に意識しないと、つい誰かの意見に寄りかかって楽をしようとしてしまう。

    厳しくも温かい眼差しを持ち、その自立を支える大人がいる社会はいまどのくらいあるだろうか。
    自殺者年間3万人という社会もサラエボほどではないが、戦場と言って良いと思う。
    この社会を生き延び、そしてまともな大人を増やし、より良い社会をつくるためにも、オシムの言葉は今の日本に必要と思う。
    厳しいが深い人間洞察に基づいた、真に温かい、人を救う言葉を吐ける大人に私はなりたい。

  • オシムの人生、サッカー観、様々なメッセージが凝縮されている本。
    オシムという男がどれだけフットボールを愛し、どれだけフットボールのことを考えているかよくわかる。
    また、そのフットボールにまで介入してきた紛争や政治、メディアの醜さもよく伝わってくる。
    オシムの、「常に自分の頭で考え、判断しろ」という教えはサッカーだけではなく、全ての日本人に対するメッセージだと言える。
    この男の言葉はしばしば「語録」として注目されているが、そのユーモアは深い知識と経験の裏づけがあるからこそ繰り出されるものだろう。

  • オシムの考え、修羅場の数々を感じ取れる書籍。ちょっと古いため、今の日本代表に置き換えた場合の話を見たいという気になった。にしても舞浜に住んでるとは(笑)

  • サッカーのジェフ市原:千葉を優勝に導いた監督
    ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ出身。
    日本の代表監督にもなっている。

    オシム本で、一番よく売れている本。

    海外から日本に来た監督は多く、自筆の本を出している方もおみえだ。
    サッカーの監督は、スポーツ記者が書いた本もたくさんある。

    スポーツ記者が書いた本は、3冊読むと、うんざりしてくる。
    2冊程度は、教養のために読むようにしている。

    本書は、オシム本のなかではお勧めの1冊。

  • 「オシムの言葉」(文庫版)を読了。オシム監督への感謝の想いが大きくなる良い作品でした。というか、ハードカバーより読みやすかったですw 木村氏のユーゴ3部作は名作ですわー。

  • 「もし負けるようなことがあっても、自分たちのできることをすることで我々のプレーを見せよう。やることをやってもし負けるのなら、胸を張ってかえれるはずだ」 p182

    「試合の前とかはほとんど戦術の話はしない。モチベーションを上げるのに大事だと思っているのは、選手が自分たちで物事を考えようとするのを助けてやることだ。」p182

    「無数にあるシステムそれ自体を語ることに、いったいどんな意味があるというのか。大切なことは、まずどういう選手がいるか把握すること。個性を活かすシステムでなければ意味がない。システムが人間の上に君臨することは許されないのだ 」p210

    彼はどんな思いでベンチに座っているのかー。すべての選手の心理状態をつぶさに観察し、分析している。p214

  • オシムが、日本サッカーの為に命を賭して代表監督に務めていたことがよく分かりました。

    選手からの信頼も厚かったオシムのサッカーを見届けられなかったことは残念ですが、脳梗塞後、後遺症も少なく無事に息を吹き返してくれて本当に良かったと思います。

    日本に来てくれたことを感謝したい、それと同時にサッカーのことだけではなく、これからも悲惨な歴史を体験したという貴重な経験を、伝えていってほしいなと思います。

  • 三年前のを再読。youtubeでオシムについて見てたら、彼の哲学が非常に興味深かった。サッカーを教えているんだけど、それを通じて人としてのあり方を話している感じがした。世の中の上司は仕事のやり方は教えてくれるが、生き方まで指南してくれる人はそうそういない。how to よりhow live。

  • オシム、オシムチルドレンたちの精神を、文章で感じることができる。

  • この人の考えはスバラシイ。
    1人の人間として学ぶことがたくさんあります!!
    深いぃ~です!!

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著者プロフィール

1962年愛知県生まれ。中央大学卒。ノンフィクションライター。東欧やアジアの民族問題を中心に取材、執筆活動を続ける。おもな著書に『オシムの言葉』(集英社文庫)、『蹴る群れ』(集英社文庫)、『無冠、されど至強 東京朝鮮高校サッカー部と金明植の時代』(ころから)、共著に『さらば、ヘイト本!』(ころから)など。

「2019年 『13坪の本屋の奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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