いつもの朝に 上 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464139

感想・レビュー・書評

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  • 続きが気になる。読みやすい。
    子供が主人公なだけに、子供でもすいすい読めそう。
    ちょっとグロイからあれやけど。
    弟と母親が自分の存在価値を話あうシーンでちょっと泣きそうになった。弟がいい。
    でもテディーベアに手紙を隠した本当の父親は最低。
    本当に子供を愛していたらあんなことしない。どういう設定?ほんとは憎んでいたとしか考えられない。

  • 中学生の兄弟が主人公のせいか、よく出来たストーリーにも関わらず、あまり感情移入できませんでした。読みながらも、展開が若干不自然で、なおかつ少し先の展開が見えてきて、読むのが辛かったです。下巻に期待したいです。

  • 上はゆるいミステリー。でも、最後の展開にビックリ。

  • 帯に書いてあった、「この物語を恐怖と読むか、感動と読むか」みたいな言葉が、この本読みたいなって欲をちくちくと突っついてきて、「ルームメイト」面白かったし!って読み始めた。

    暗くて悲しくて、憎くて、でも本当は愛があって
    複雑に色んな状況が絡み合って、崩壊するんだけどそこから再生する話っていうのが、私は意外と好きで。

    なんとなく、話の流れは予想がついて、
    どっかで覆されるかなとは思ったんだけど
    そのまま予想通りに展開したわけですが
    それでも、こういう話が私は好きで。

    優の手紙を読み進めていくときは
    結構ドキドキしちゃったな。

  • いやーーー
    上巻の最後のページで
    「まぢかぁぁぁ」ってなった

    自分は一人っ子なので理解できないとこもあったけど
    色々考えさせられつつ
    宗教についても考えたり
    それでいてミステリーっぽくて
    ちょっと怖かったり後味ひくけど
    でも、この終わり方は、私の好きな終わり方
    すっきり
    すてき!

  • ストーリー以前にとにかく文章が上手く、読みやすい。面白い。私の中で今邑彩さんは「ハズレが少なく、たとえ途中でネタがわかっても面白い」貴重な作家。しかし『ルームメイト』の再販帯コピーで人気が出たらしく、アマゾンのマーケットプレイスで絶版の文庫本を買おうとすると、結構な値段になっていたりする。他の本も色々と復刊してほしいものだ。

  • 下巻も読み終わった。
    下巻後半はグダグダな感じ。
    桐人君と勇太の話。

  • 芸術・運動神経・知性・人間性と四拍子そろった兄・桐人と何やってもダメダメな弟・優太。その優太が幼少の頃から愛用しているテディベアに異変があることに気づいてから物語はジェットコースターのように急降下する。
    ちょっとばかし三浦綾子の「氷点」を彷彿とさせるような話内容。キリストの話しがたびたび出てくるからであろうか。

    話の後半になると、思春期独特のショート寸前の思考回路というか、邪気眼というか、中二病というか、僕の中の内なる~が!的な描写が満載なわけですが。ここで萎える人も多いとは思うけどわりと楽しめた。

    俺が気になるのは桐人という人の名前。この物語に出てくる人たちは皆
    桐人という名前を見ると「あれ?もしかして、キリストからもじって名前つけてもらったの?」というような思考を持ってる。
    キリヒト……キリスト……いやいや、やりすぎでしょ。そこまで似てないから、なぜ共通認識のように書かれているんだよと。一人くらい妄想でそう考えるやつはいて良いと思うけど。千夏ちゃんとかはまさにそう考えるわとは思ったけど。ばあちゃんの思考鋭すぎでしょwwwwってなかんじ。

    【ここからはネタバレ】
    桐人が母親をすこぶる愛していたのは、川嶋優と同じ血がかよっているからなのだろうか。でも、話の展開からいくと、人格が形成されるのは環境に左右されるんだよ理論だから、そうではなくて、単純に母親が好きなだけなのか。でも、ところどころ母親を異性として見ている雰囲気もあるしなぁと……俺の思考が行ったり来たりの右往左往。作者はどう考えているんだろ。
    まあ、血筋は関係ないか。書いているうちにそんな気がしてきたわ。

  • 女性作家に多い気がするけど、名前に凝って中身が追いついてこないとか、凝りすぎた名前のせいで小説の世界になかなか入っていくことができないということがあると思う。この小説もそういう感じ。実際には名前も伏線として、重要な役割を担っているー寧ろ著者はそれを意図していたのだと思うのだけど、少し独りよがりな感もある。

    ただし下巻に入る頃には、人物の描き分けによって主人公と話の世界に徐々に引き込まれていったように思う。初めは到底理解できない登場人物の行動も、読み進めるに従い、同意とまではいかなくても、その行動にも一定の理解をできるようになった。

    しかし再読はしない種類の小説。

  •  優等生の兄とは対照的な弟。弟は、ある日父の形見のぬいぐるみの中から、謎の手紙を見つける。それは、家族という存在を問いかける旅の始まりだった。

     帯に「現代を生きるカインとアベルの物語。感動の巨編」とあるので、なんとなく察しがつくといえばつくんだが、その辺はやっぱり今邑彩はテクニシャンなのである。
     物語は、吉村という男が画廊の個展で「日向沙羅」という画家の絵を見るところから始まる。
     そのためか、主人公といえる弟・優太の旅が、まるで入れ子のように見える。それこそ、母親が描く絵の一枚のようであり、TV画面を通してみるRPGのようでさえある。
     だから、主人公の不安や慟哭も、なぜかよく知ったもののような手触りがある。
     
     ジュブナイルなのだと思う。

     きっと序章と最終章をカットして、中のしみ込ませた毒のようなものを、取り除けば、「少年ドラマ」にすればいいようなジュブナイルになっていたのだろう。が、ただの少年の成長物語にならないのが、今邑彩の毒なのだと思う。
     今邑彩の毒は、透明で芳香を放っている。
     優太の兄・桐人は、結局その毒にとらわれてしまったんじゃないかと、本を閉じて思った。

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