河畔に標なく (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (632ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464580

感想・レビュー・書評

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  • ミャンマーの深い森の中で、追う者と終われる者そして雇われた者たちの追走劇が同時進行し、それらが森の中で絡み合いながら1つの物語に収束していく・・・。 今回も船戸さんにハラハラしながら奥深い森の中を汗だくになりながら徘徊させられた。 やっぱり船戸さんからは離れられないな〜。(o^^o)v

  • 2021.8.25読了
     ミャンマーの北部山岳地帯を舞台にした物語。登場人物が多様な人種になっていることからも、中国、インド、タイ、ラオスそして仏教、イスラム教にまたがるこの地域の複雑さが分かる。統一国家になる道は険しいだろうし、国軍が外国に対したものではなく国内民族弾圧向けということも窺える。

  • おなじみ船戸氏の冒険小説。ミャンマーが舞台。ミャンマーの山岳地帯に二百万ドルを積んだヘリコプターが墜落。カチン独立軍の支配地域なので国軍は捜索隊が出せない。そこでこの二百万ドルを内密にかっさらおうとする男たちと二百万ドルを見つけ国外逃亡しようとしている男を追うマン・チェイスものとも読める。いい意味で初期の頃の船戸作品のようで楽しく読めた。密林の中を駆けずりまわるだけなのに面白い。詳細→
    http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou10138.html

  • 因果応報

  • 人を殺したくないと綺麗事を言う日本人は実に今の日本を表しているよなあ。そしてカチン独立軍の大尉が実にカッコイイ。登場人物が多く、話がつながるまではなかなか話の流れに乗れないが、一旦話が動き出すと面白い。

  • 勝手に船戸先生追悼記念読書第一弾の『河畔に標なく』。これは、こないだ読んだ面白ルポルタージュ高野秀行『ミャンマーの柳生一族』のときの旅で構想を得た作品。

    表紙の夕陽の河畔が美しく印象的で、河辺で繰り広げられる命と金をめぐる駆け引き。はじめが読みにくい、とっつきにくいと感じるのは、船戸先生曰く、本当に読みたい読者だけが読むようにそうでない人を間引くためだとか(笑)でも序盤から引き込まれますけどね。1人1民族って感じで、あまりこんがらないのがいいのだと思います。いろんな価値観、いろんな宗教観がないまぜになって、ぶつかってぶつかって、ころがってゆく。ハッピーエンドを求めて船戸小説は読みません。なんなら全滅覚悟で読みますが、さてはて誰の運が残るやら。辺境の地は現実逃避にもってこいです。

  • お試し

  • すげぇおもしろかった!馴染み深いミャンマーということもあり一気に読み終わる。
    大雑把にいえば、ただただ追跡していくだけの話なんだけど、いろんな立場の人、ここでは民族がでてきてそれぞれの思惑をもって行動している。ばらばらだった話が徐々に集約していくのは快感ですらある。
    こういうのもおこがましいが、ミャンマーの少数民族のことをよく勉強してるなぁ。

    高野秀行のミャンマーの柳生一族で取材していたのが、この話なんだね。

  • 久々の船戸作品。
    いろんな意味での安定感抜群。

    ミャンマーという国を自分はほとんど知らないのだなあ、と実感。
    東南アジアって、内戦やらなんやらのあとがまだまだあちこちにあるんだなあ。

  • 衝撃の『非合法員』、灼熱の『山猫の夏』、諦観の『砂のクロニクル』。そして『虹の谷の五月』で直木賞を受賞したが、何故かそれを境に著者本を読まなくなってしまった。久方振りの船戸節。代表作とは言えないまでも最後の桃源郷・秘境カチンの森を舞台にしたという点では貴重な作品。森こそが真の主人公!参考文献にも挙げられている高野秀行著『西南シルクロードは密林に消える』、『アヘン王国潜入記』を事前に読んでおくことを強くお勧めする。但、二人の描く山地民の姿は大きく異なる。高野氏描く脱力系ゲリラでは冒険小説にはならないか^^;


    高野秀行著『ミャンマーの柳生一族』はこの小説の取材記をエンタメノンフとして再構成したもの。


    因みに巻末参考文献には『西南シルクロードは密林に消える 』と並んで高野氏の『ビルマ・アヘン王国潜入記』が挙げられている。また、高野氏をガイド役にした本作の取材旅行記『ミャンマーの柳生一族』(高野秀行著)もあるが、通常のノンフィクションよりかなりエンタメ寄りなので人により評価が分かれる。2012年 05月06日


    河畔に標なく >> 『西南シルクロードは密林に消える 』が素晴らしい出来栄えだったので高野秀行氏の探検部の大先輩にあたる船戸与一氏のビルマ(ミャンマー)モノを手に取る。ノンフィクションとフィクション。同じ舞台をどう描き分けるか、興味津津。 2012年 05月06日

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