極楽カンパニー (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 299
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464603

感想・レビュー・書評

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  • 極楽カンパニーは面白かった。それでいてシュール。
    定年退職したサラリーマンが架空カンパニーを作っちゃうって話。架空って言ってもペーパーカンパニーとかバーチャルカンパニーというのではなく、カイシャ(それは喫茶店だったりカラオケボックスだったりするんだけど、おおまじめに会社オフィスの仕立てになっている)に通って、会議をしたり、売上計画作ったり、営業会議ではつめられたり、上司とお昼ごはんに行ったり、夜は愚痴をこぼしながら飲んだり・・・お金とモノがうごかないだけで、なんら会社と変わらない日常を送っているお父さんたち。


    シアワセそうなのよ。
    毎日、カイシャという空間に身を運んで、そこで繰り広げられるカイシャ特有の根回しとかしきたりを守るって生活が送れるってことが。


    サラリーマンは気楽な稼業・・・なーんて思っている人は今の世の中では少ないかもしれないけれど、もしかしたら、いろんな手順や仕立てが決まっているサラリーマン社会って楽しいものなのかもしれないなーなんて思った


    営利を目的にしているのではなく会社での生活の再現を目的にしていた「株式会社ごっこ」なんだけど、そこはやはり、上昇志向のある人で上に行くためには多少のルール違反もいとわないって人は必ず出てくるもので、今回も分社化?した「株式会社得意先」の詐欺まがいの行為によってこの活動自体が危うくなる。


    なんと、それを救ったのが「せっかくお父さんが定年退職になって、もう早起きもしなくていいし、あたしのサラリーマンの妻人生も終わり、これからは悠悠と過ごすんだ!って思っていたのに、これじゃあサラリーマン時代と変わらない激務だし、あたしは相変わらずお父さんの身の回りの世話をしなくちゃならないの?」と怒っていたお母さんだったっていうのが、ぐっと深い。


    ありそうで、なさそうで、でも身につまされるお話でした。
    カイシャって楽しいんだよね、でも、会社に依存する生き方はきっと楽しくないんだよね。

  • 定年退職親父達の仮想会社が巻き起こす一大ムーブメント。

    平凡な毎日を送る須河内賢三は、図書館で桐峰という同じ境遇の男から、会社ごっこに誘われる。

    会社の理念や、営業方針を決め、毎朝出勤していく賢三達は、周囲にもこの遊びへの参加を呼び掛けたところ、全国的な広まりを見せていく。

    賢三の息子・慎平は会社から独立し、新興産業を率いる二谷からの後ろ盾を得、賢三達の事業をフランチャイズ化しようと目論むも、高齢者を金づるとしたことに賢三の怒りを買ってしまう。

    賢三の会社員の妻としての苦労や、二谷の陰謀など、賢三の会社ごっこは如何なる結末を迎えるのか?


    単行本が検索にヒットしなかったので文庫で。
    1998年発刊の書き下ろしですが、まさに今、超高齢社会となり、身につまされる思いがする作品。

    人間、死ぬ迄、いろんな形での使命は必要かもしれない。

  • 2010/1/10 発想の妙あり。★4

  • リストラで生気を失った男たちがどんどん架空の仕事によって若返り、それがリアルで快活としていておもしろかった。後半からの結末は前半での面白さの勢いはなくなってしまった。

  • 「定年後、暇をもてあまして図書館通い・・」私と同じ。

  • 定年後に生活のハリを失った男性たちが会社ごっこで活力を取り戻す話。

    荒唐無稽っぽさもあるがあながち本当にあってもおかしくないリアリティもありますね。

    気軽に読めました。

  • 夢と現実のコラボの話。なかなか興味そそられるダ出だしではあったけど、最終章に近づくにつれてきな臭くなっちゃった。仕方ないよねー現実はっw

  • 昭和〜平成初期の空気感を感じられるコメディ。ページをめくるのを止めることなく読了。面白かった!

    会社人間、平成初期の若者の考え方、家族観、夫婦観、会社観、様々な層が重なり合いつつ物語が進んで行く。
    正直、昭和のサラリーマン的人生をかなり卑下していた自分にとって、彼らの気持ちが少し理解できるようになる本でもあった。

  • 定年退職して図書館で過ごす男同士が意気投合し「会社ごっこ」を始めて、再び活き活きとした生き方に返る・・・、そんな物語。とても面白いアイディアに拍手、でもそれがずっと続くと少しくどいかなと~w。男の楽しみ方、若いときも年老いた時もなぜか滑稽、かたや、女性の楽しみ方は粋な感じがします。なぜなんでしょうね~~~(^-^)

  • ビジネスのどんどん高まっていく様を描かせる天才。シニアのビジネス模様とは驚き。こういった発想、八王子あたりで本当に起きそうな気すらする。架空の会社から、対立軸の会社まで出現したり、最後は女性の社会進出も取り込み、苦悩する登場人物の心情なども入り込んでしまう。本当に面白い発想。

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著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。鋭い風刺とユーモアで描く独特の作風で話題に。07年、ある書店員の熱心な応援で、2001年に文庫化した『床下仙人』がブレイク。09年、グルメのホームレスが人助けをする人情小説『ヤッさん』が、15年には『握る男』がベストセラーになるなど、時代を超えてヒットを連発する人気作家。

「2019年 『星をつける女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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