光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.79
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  • (1537)
  • (2007)
  • (157)
  • (36)
本棚登録 : 10525
レビュー : 1285
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472424

感想・レビュー・書評

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  • 1話目の「大きな引き出し」からもってかれて1冊通して心地の良い緊張感があった。
    優しくて品のある世界観が素敵過ぎて本を(常野の人たち)をぎゅっと抱きしめたい気持ちになった。
    全貌が詳しく書かれていないのと、一つ一つの話が複雑に絡み合って、、みたいな感じではないから色んな解釈ができて、それが尚この世界観を美しく作ってる気がした。
    めちゃめちゃよかった!

  • 不思議な常野一族にまつわる連作。
    春のきらめく海のようであったり、夜の激しい時化のようであったり。
    それぞれに違う色合いや温度を見せつつ、それでいて全体を通すと、常野という1本のまとまった波がうねっているよう。
    過去の話をしても遠いお伽話でなく、ごく自然に現在につながっている感じがした。
    宿命、ルーツ、優しさ哀しさ、怖ろしさとあたたかさ。
    これだけでも十分おもしろかったけれど、まだまだ話は広がりそう。
    シリーズ化されているようなので、そのうちに。

  •  まず、連作短編集という形式が好きなので、のめり込むには早かった。どの部分がどう繋がっているのか、考えるだけでも昂るのに、気がつけた時はなおさらだ。
     「常野」という言葉の由来「権力を持たず、群れず、常に在野の存在であれ」が心に残っている。えてして人智を超越した能力を得た人々は、その力に奢り、振りかざしそうなものであるが、人間よりも人間らしく、慎ましく生きていることに、魅力を感じた。そんな常野一族が表題作である光の帝国で、能力を持たない人間たちに研究対象として蹂躙されるのはなんだかやるせなかった。
     個人的には「歴史の時間」「黒い塔」の二作の繋がりが気に入っている。シリーズ作品も手に取ってみたい。

  • SF?ファンタジー?ホラー?
    う〜ん、不思議な小説です。
    奥田陸氏の書籍って読んでる時と読み終わった後で違う印象なんですよね。

  • 深読みせずに、日常に特別な力を持つ人がいるんじゃないか、そんな地があるんじゃないかとワクワクしてしまう。そしてそんな非日常に憧れてしまう、そんな気持ちになった。こんな不思議なことが沢山潜んでいて欲しい。

  • はっきりそれという形で存在しているわけではない「常野の人」というくくり。やたらに遠くが見える「遠目」、遠くの音まで聞こえる「遠耳」、信じられないぐらいご長寿なツル先生など、それぞれに特殊な能力がありつつも現代日本の日常に溶け込みながら暮らしている様を描いている。
    今検索してみたら続編のようなものがあるみたいだからそれも読んでみようと思う。何かが起こりそうな予感で締めくくられているような篇が多く(短編集)、わくわく感があおられた。
    収録作の中では「手紙」「光の帝国」が良かった。ゼナ・ヘンダースンの作品の本歌取りだとか。

  • 残虐な内容は全く受け付けないのに、「光の帝国」の中でもっとも残虐な「光の帝国」に心うたれました。作者は何を言いたいのだろう、と考えると胸にこみあげてくるものがありました。

  • 「常野」の世界に一気に入り込みました。特殊能力を持った一族にまつわる話なんだけど優しいようでとても悲しい。
    架空の世界なんだけど、きっとあると思う世界。
    現実の世界に漬かっている人ほどシンジナイ世界。
    僕は信じる。静かに優しい「常野」の存在を。

    • 9nanokaさん
      これ、読んでみたかった本です!
      レビューを読んで益々読んでみたくなりました。幻想的で物語の導入部分のような素敵なレビューですね(^^)
      これ、読んでみたかった本です!
      レビューを読んで益々読んでみたくなりました。幻想的で物語の導入部分のような素敵なレビューですね(^^)
      2014/08/12
  • 超能力者集団、常野の人々の様々な物語。短編構成だが、キャラクターだけではなく、物語にもそれぞれ少しづつ関連性があり面白い。とはいえ多彩なテーマやストーリーの変化に、章ごとに新鮮に読み進められる。
    作者を後書きで書いているが、大きな引き出しを持つ家族のお話をもう少し読みたいと思った。
    黒い塔には思わずポロリ。

  • 常人を遙かに圧倒する特殊能力を持ちながらも人々から迫害を受け、異能の力をひた隠しにしながら人間社会に紛れてゆく一族の物語。
    マイノリティに対する世間の風当たりはいつの時代も厳しいもので、罪のない人たちが一方的に駆逐される様は読むのが本当に辛かった。表題作「光の帝国」では久々に号泣してしまった。
    中学生の頃に読んだ時とは感想ががらっと変わっていることが新鮮だった。社会人となった今では、亜希子の仕事に対する姿勢や生活の疲労に共感する部分が多かった。また何年か先に読み返した時、今度は誰に共鳴するのか楽しみにしたい。

著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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