光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472424

感想・レビュー・書評

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  • 不思議だけど本当にこういう人たちが
    居るような気がしてくる
    居るのかも
    今後どうやって次の物語に繋がっていくんだろう

  • 読み進める度にいろいろ繋がっていくのがイイね

  • 光の帝国は、常野という一族の不思議な能力の話で、いろいろなエピソードがある。
    遠い未来を見る能力があるなど、色々能力があるらしい。その中で、ひっそりといきている一族はバラバラに散ってそれぞれの力について考るのである。

  • 東北の何処かにある「常野」には昔から不思議な力を持つ人々が住んでいた。

    本作はそんな「常野」から出てきた常野一族野不思議な連作短編集。

    一つ一つのストーリーは当然ながら独立しているのだが、不思議な力を持つ常野一族が普通の人との何気ない日常を描いた作品。

    フワフワとした不思議な読後感であった。

    説明
    内容紹介
    穏やかで知的で、権力への志向を持たずに生きる常野の一族。人を見通し、癒し、守る、その不思議な能力は何のために存在するのか。優しさと哀しみに満ちた壮大なファンタジー。(解説・久美沙織)
    内容(「BOOK」データベースより)
    膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。

  • 異能力を持った一族「常野(とこの)」の人々の物語。
    ファンタジーの短編集だが、あちこちの物語が繋がっている構成。こういうのは嫌いじゃないが、うっかりすると見落としてしまうので、時間がかかると大変。
    表題作の「光の帝国」は、戦時中の村で起こる悲劇。ツル先生という老人が、長い歴史を見つめ続ける。その生涯の中で、いくつもの悲しみを抱えるが、笛を抱いて命を落とした少女と、最終話で出会うことができたところが、ほんのりと優しく癒される。

  • 構成がうまいなと思った。ただ読むのが辛い時もあった

  • 常野にかつて住んでいた、特殊な能力を持つ一族の子孫を追って描いた短編集。
    1つ1つの物語は関連なく進んでいるように感じるが、最後で登場人物が集まって、今までの話は全て関わり合っているとわかる。
    特別な力を持っているが故に、普通の人間に追い詰められ、利用されつつも、その人間を守るために邪悪な「草」を刈る常野一族の姿は、辛いけれども何か誇りをもっているようでかっこいい。
    現代の世相を風刺しているのかなーと思った部分もあった。
    続編が出るようなので、それも読んでみたい。

  • ファンタジー系の小説はあまり読んだことがないので不思議な感じがしました。
    想像力が鍛えられそう。

  • 不思議な能力をもつ人達の時空を超えた短編集。最後の国道を降りてでは、どこか蜜蜂と遠雷を感じた。

  • この作品の中では、『二つの茶碗』が好きでした。一般人である篤が人を見る目と、常野出身である美耶子が未来を見る目が紙一重のような気がして、日常の中に特殊な力が自然と溶け込んでいるのが素敵でした。

  • 権力を持たず、群れず、常に在野の存在であれ
    彼らはどこから来てどこへ向かうのか

    常野一族っいうなんかワクワクするなと思います(Dの一族みたいなミステリアさがあって)

    それぞれの能力を持った家系の物語読んでいきたいと思いました

    ★3.0 2020/3/14

  • 現実には、ここまで特殊な能力を持っている人と言うのはいないと思うけど、人と違うと言うことで、排除されたり、生きにくかったりするのは、実際にもそうなのだろうな、と思う。
    それでも、持つ能力を権力やお金に変えようとすることなく、穏やかで優しく生きているのは、常野の人の凄さだな。
    凡人は権力を持とうとしてしまうし、排除されれば悲しんだり憎んだりしてしまう。
    そして凡人で、しかも弱い私は、自分に特別な何かがあったら、成功を掴めたんだろうなー、予知とか出来たらいいなーとか、低俗なことを思ってしまうのです。

  • シリーズで読むべき

  • ファンタジーとして気構えずに読めるけれど、描写の精緻さがコミカルまで落とさず現実との地続きを感じさせ、ところどころゾッとする。面白かった。

  • 幻想的で夢を見ているような気分のお話もあれば、ドキドキハラハラして涙が出そうになるものもあった。
    少し暗い雰囲気が漂う感じもする。

    個人的に連作短編という構成が好きなので、
    「あ、この人は前回こういう事をやっていた人だなあ」と親しみを持ちつつ読むことができるのももうひとつの楽しみ。
    ストーリー、穏やかなんだけれど時に恐怖、でも最終的に優しさに溢れている。

    (物語最後の方、涙が溢れそうになって慌てた;)

    読んでいる途中で調べてみたら、常野物語はこの作品だけにとどまらず、他にも2冊出ているようで。
    確かにこの一族の物語はこれで終われない気がした。
    まだまだこれからあれらの話の続きが気になる。

    ※久美沙織の解説で、なんだかハッと目が覚めた感じ(笑)

  • 特殊な能力を持った「常野」の人達。
    能力を隠し、普通の人々の中でひっそりと生きる。
    そんな彼らのお話が詰まった短編集。

    どの物語にも「常野」の人が起こす奇跡がちりばめられている。
    ただ残念なのは短編なので、あっさりとしていて物足りない感じも。

    文庫あとがきに書いてあったが、今回の短編集にある、いくつかの作品は、独立した長編で書こうと考えていた物らしい。
    表題作「光の帝国」も、その一つだ。

    特殊な能力を持つが故の苦しみ、迫害。
    寄り添って生きてきた子供達と先生達。
    最後は、思わず涙が出てしまった。

    「常野」の人達、一人一人の長編物語を早く読んでみたいと思う。

  • 不思議な能力を持った一族の物語。

    長編にすれば良かったと後書きに書いてあったけれど、私も短編ではなくガッツリ長編で読んでみたかったです。
    今回出てきた常野一族のその後があるそうなので、
    続きも読んでみます。

  • 特殊能力を持つ「常野」の人々を中心にした静かで優しい短編小説。
    多少関連する話はあったが、基本的にそれぞれが独立している。

    とても読み易い文章でさくさく読み進めたが、大きく印象に残った話、フレーズも無かった。

    SF、感動物…各話のジャンルは多彩に感じた。

    自分に欲しいのは「しまう」能力。

  • 表紙がしっくりくる、薄暗い中に一筋の光が通るような作品。
    膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちからーー不思議な能力を持つ「常野」の人々。
    表題作『光の帝国』、人智を超えて長く生きてきたツル先生の哀しい過去には胸を打たれる。そして『国道を降りて…』で光が強くなる。
    全く明るく楽しい作品ではありません。正直この手の薄暗さはひっぱられるから苦手なのだけれど、それでも彼らがどこか気になってしまう。読んだあとも本の世界に浸かっていられる、そんな本。

  • いわゆる超能力ものだけど、そうとは思えないほど静かで密やか。「常野」一族に相応しく、仰々しく騒ぎ立てないのが読んでいて心地いい。きっと周りにもいるんだと思わされる。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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