R.P.G. (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473490

感想・レビュー・書評

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  • 模倣犯 クロスファイヤを読んでたらもっと入り込めたのかな? っと……それぞれ読んでまた挑戦したいっと思う。

    家族ごっこ 取り調べごっこ の中で家族とは?を考えさせられたが、良介はまったく理解出来なかった。

    劇的な事が起こる訳でもなく、取り調べの中から真犯人を追い詰めて行くゆっくりした心理戦に 読む手が止まらなかった。

  • ネットで簡単に他人と繋がれるからこそ、息抜きにもなるし、現実での生活をくすませる要因にもなる。
    自分が疑似家族を築くことになったら、それはそれでおもしろそうだけど、たしかに「自分の家族」がそれをやっていたとしたら。なかなか考えものだなぁ。

  • 小学生の時に一度読み、今回再読。
    この作品に「R.P.G.」というタイトルをつけたのは本当に凄いと思う。
    犯人は覚えていたけど、細かい部分は完全に忘れてました。
    ちなみに初めて読んだ時は盛大に騙されました。

  • 登場人物がやや多いのにがっつり関わる人が少ないので少しややこしい場面も…
    ページ数少ないのが救いかなぁ。
    久々のミステリーもあって面白かったです。ミスリードがわかりやすいので犯人の検討はなんとなくできますが、描写が独特で読み応えがありました。

  • 登場人物が多くって読みにくかったなぁ。本題に入るまでが長すぎて、たぶん色々と伏線もあるのだろうけどとっちらかりすぎて。ファンタジーじゃなくってミステリーの宮部みゆきさんはまどろこしかったなぁ。後半の畳み掛けが全てが明らかにならないジレンマでかなり半減。

  • 定点カメラで見ているかのような描写。
    どこにミステリ性があるんだろと読み進めると、傍流の意外性とタイトルの言い得て妙な点に思わず膝を叩かされる。

  • 家族の在り方って一体何だろうと考えさせられた。
    リアルの家族は冷え切って娘に見放されて、妻には何もいわせないように飼い慣らしていく
    ネット上の『家族』では上手くいっているかのようなやりとりでオフ会でリアルに会ったりして。
    自分の居場所はどこにあるんやろうか?どうやったら実の娘に理解してもらえるのだろうか?
    自分は家族関係は良好やし自由に過ごせているし満足はしているが他所の家族やったらどうなんやろ…
    喧嘩や虐待など居場所がない人らもいるかもしれん。
    この作品で思ったことはネット上(現代ならX、Facebook、インスタ等)SNSは発達しているけどそこでしか関わったことがない人らとリアルで何されるかとか考えて会うのは怖いし勇気もない。
    模倣犯自体は読んだことは無いけれど、クロスファイアは中3の時に上下巻読んだから石津刑事が懐かしかった

  • 確かに犯人の目星はつきやすい。
    ただ動機はわからず読み進めると、現代の闇のような部分に触れた気がした。

    「今はそれが流行りなのか。自分、自分、自分。」
    は自分への戒めのように感じた。

    タイトルのR.P.Gは全く気づかなかったので、なるほどと素直に楽しめた。

  • ネットの中にある虚構と真実。

    自分優先の人が増えてきた現代で、ほんの少し違う立場の人を想像できたら。

    そんなことを問いかけるような作品。

    どんなに科学が発達しても世の中が便利になっても、人は1人では生きていけない。

    なら、自分以外の人(相手)のことも想像し思いやることが大切なんだと

    当たり前のことを改めて実感させてもらった。

    西条八十。詩に関しては無知なのでいつかじっくり読んでみたい。

  • 現実で上手く行かないからネットに救いを求めるなんて、いまではもう当たり前。
    友達と上手く行かないからネットで友達を作る、趣味の合う仲間を見つける……じゃあ家族は?
    読み進めるほど、この題名が生きていく。誰もが人生と言うRPGの主人公ではないかと思えるほどに。

  • 2019.02.07完読

    なんとなく序盤で犯人がわかってしまったため、読み終わりに「やっぱりかぁ」という感じで盛り上がりにかけたかな?

    最初の方は人が多すぎて、アホな私には誰だっけ?ってなった。笑

    でも取調室での話し合いが主で、途中からはスラスラ読むことができ、本当にあっという間!
    サラッとしていて良かった!

  • タイトルから勝手に冒険モノかと思い込んでいたけど全然違いました。
    武上さんは何となく名前に見覚えがあったけど「模倣犯」に出てた刑事さんなのか。「クロスファイア」は読んでないから読んでみたい。

    清水義範さんが宮部さんからのリクエストで書いた司馬遼太郎風の解説は、それとわかってから読むと確かに司馬節ぽくておもしろかった。

    小説の内容は普通に楽しかったです。赤の他人との疑似家族、実の親子の関係、綺麗事で片づかない気持ち悪さが宮部さんらしくてよかった。

  • 10年振りくらいに再読。
    内容は殆ど覚えてなかったけど、「こんなんありか」っていう感想だけは覚えてた。

    再読してみての感想はやっぱり「こんなんありか?!」だった。
    鮮やかなどんでん返しはいっそ潔いくらいなんだけど
    冷静に考えるとこのやり方は違法捜査なんじゃないか? とか。
    これ以上書いてしまったら読む意味がなくなるので書けない(笑)。

    ある意味名刺代わりの1冊なのではないか。
    これを読んだ後に『クロスファイア』と『模倣犯』が読みたくなること請け合い。

    • hs19501112さん
      宮部みゆきを初めて読んだのが、この「R.P.G」でした。懐かしい(笑)。
      宮部みゆきを初めて読んだのが、この「R.P.G」でした。懐かしい(笑)。
      2013/12/25
  • 人気のあるブログにはそのブロガーさんを中心に、コメント欄に定期的に集まる人がまるでファミリーのようになっているブログってありますよね。
    この小説もそんなネット上の家族ごっこから派生した殺人事件。
    場面設定の8割が警察の取り調べ室。舞台を観ているような作品です。

  • 現代らしい小説ですね。
    リアルにこういうのってありそう。

    なんとも読みやすいお話でした。
    お父さんの仕打ちは…いくらそういうことに憧れがあってもこえてはいけないラインだったと思います。
    またどう転んでも娘の立場では幸せになれないよね。

    ネット世界で顔が見えないぶん、相手の立場、まわりの生活に目が行きにくい。
    うまいとこ付いてきてるなぁ。

  • 忙しいタイミングと重なり、序盤からなかなか読み進められなかった。でも、中盤以降どんどん面白くなって、すぐ読めた。最後、RPGの意味を理解して衝撃を受けた。

  • 宮部みゆきさんハズレがなくやはり面白い♪

  • 模倣犯の武上刑事とクロスファイアの石津刑事がでていたが、両作品とも読んでないのでピンと来なかった。

    読んでいる途中でなんとなく犯人は分かりました。
    ただ、途中で出てくるチャットやメールの内容の意味がよくわからなかったです。

    話としては一気に読めますが、ちょい役の方が多く、名前と役割が覚えきれないまま、話が進む感じです。

  • 76点

    会社員所田良介、若い女性今井直子が殺害される。
    生前二人には男女の関係があると思われ、今井に嫉妬心を抱いたA子が容疑者にあがる。

    操作の中で、所田には浮気癖があり、ネットでは疑似家族を作り、カズミ、ミノル、お母さん、お父さんという4人で、家族ごっこをネット上の掲示板で行っていることが判明した。

    事件の参考人として、実である娘である一美、妻の春恵は取調べは刑事の真相に近づいていく。

    一美は、ネット上で自分と同じ名前をかたるカズミなどと家族ごっこをしていることに嫌悪感を抱き、犯人はカズミ、ミノル、お母さんなのではと思い、3人の取調べにマジックミラー越しに取調べに同席する。

    犯人は疑似家族の3人のうち誰かと思われるのだが、
    刑事中本は事件の真相にある仮説を立て、捜査を進めていくが、取調べ当日に心筋梗塞で入院をしてしまった為、後続を武上が引き継ぐことになり、中本の意思をついでいく。

    真犯人は娘一美であり、犯行動機は父の疑似家族に嫌悪感をいだき、衝動的に今井を殺してしまい、その殺害の真相を父に知られて、父になだめられたことでネット上のカズミに対する態度と同じような態度を取られたことで父を殺害してしまっていたのであった。
    中本の思惑は、娘一美の心情を読み取り、一美が犯人なのではないかと推理しており、自供を求めるために、取調べは3人の警官が演技(RPG)をしていたのである。

    中本の推理を引き継いだ武上や警察の演技により、事件解決となる。

    【感想】
    ネット上での疑似家族というコンセプトはおもしろく、事件の真相を推測しながら、読む分には面白い。
    展開としては大部分が、取調室を舞台に展開されるため、読みやすい。

    一方で、所田亮介がなぜネット上で疑似家族を作ったのか、現実世界で果たせなかった役割をネット上に求めていたのか、真相が不明で、その描写が描かれないことには不満を残す。

    ネット上、現実世界それぞれでの「役割」
    個人が思う役割とそのすれ違いによっては不幸なことを生んでしまうということを印象付けられた。

    当時はネット掲示板などだけの世界であるが、これから
    メタバースの普及により、現実とネットでの人格はさらに広がり個人の「役割」は多種多様なものとなっていくのだろう。そんな世界でも現実と仮想世界は区別し、混同することもなく、もう一人の自分、というように客観性を持ち、それぞれを尊重していかなければならないのだろう

  • 読了後、すぐにはタイトルの意味がわからなかったが、わかった瞬間はっとした。秀逸なタイトルだと思った。登場人物のセリフや時代背景は、今読むと少し古い価値観だな、と思うこともあったが、そういえばこの時代はこういう空気感だったな、とその時代に浸りながら読めたので楽しめた。
    犯人は途中からなんとなく想像がついていたが、最後にはタイトルにも繋がるどんでん返しがあり、面白かった。
    宮部作品の特徴(というか多くの推理小説の特徴?)として、十分とは言えない証拠から主人公や探偵役が半ば思い込みで立てたストーリーが真実だとされることがあると感じる。その意味ではこの小説は、最初は思い込みであるナカさんの仮説が本全体を通してきっちり論証されている、という点は良かったと思う。

  • すごく久しぶりに宮部みゆきさんの本を読んだ。
    本物の家族でなかなかうまく行っていない男性が、偽装家族をネット世界に持っている。
    昔の作品で、今読むと、ああそう言う感じだったなと感じる懐かしさもあり、面白く読めた。

  • 一晩で一気に読んでしまえるくらいの短さの中で、
    意外性のある展開、その描写、面白いと思いました

  • 3と4の間ぐらいかなぁ。面白かった。

  • 8月中旬に読了。

  • 2023/08/18

  • RPG=ロールプレイングゲーム。
    実際の場面を想定し、様々な役割を演じさせて、問題の解決法を会得させる学習法。役割実演法。

    という意味だそうです。ゲームのジャンルとしての意味合いの方が広まっているでしょうね。自分もそう。
    登場人物は、ある事件を解決するために集められた面々。彼らが演じている役割とは何なのか?を解いてゆくのが、事件の解決につながってゆくという形式です。

    誰もが人と付き合うなかで、無意識でも意識的にでも演じてしまっている役割。それを剥がしながら進んでゆく物語。最後である登場人物たちが、存在自体を演じていたというネタバレがありますが、RPGを貫き通すという点で決着するのではないでしょうか。

    誰かの人生で、その中の登場人物として役割を演じている。それがふさわしい役割か、好ましい人物か、憎まれ役か、背景としてなのか、は主役である人物が決めていることでしかなく、他人は干渉してはいけない部分。少しでも、誰かの人生の主要人物になりたいのであれば、関わりを強くしてゆくことが唯一の方法か。

    関係性をどう強めるか、どう築いてゆくか、の食い違いで発生した事件だったように思います。犯人の感情は理解できないものではないけども、周囲よりも本音の吐き出し方が不器用だっただけのようにも感じました。「ネウロ」のヒステリア事件を思い出しましたね、犯人と周囲のギャップには。あちらはコメディタッチにしてますが。

    人間関係の仮面、役割を演じるということで、どうしても「ペルソナ」シリーズを思い出してしまう。宮部みゆき自身も、ペルソナ4のファンだということをどこかで読みました。「RPG」はペルソナ4発売前ですが、初代や罪罰から連想されたものがあるのかしら?と妄想してしまうのは、両者のファンであるがゆえの悪い癖です。

  • 中学生の時に読んだ本が期間限定の表紙になっていたので懐かしくなり購入。話はほぼ覚えてなかった。

    ミステリー小説だけどテーマが人間関係の歪さだったので、中年になった今の私が読むと、ありきたりな話という感想になった。本が面白くないということではなく、年齢の相性が悪かった。

  • 読みやすく面白かった。犯人は大体わかってたけど、まさにRPG!最後のたたみこみの文章にはびっくりさせられました。

  • 2023年57冊目
    宮部みゆきさん/R.P.G.
    ネット上で4人の男女が「擬似家族」を営んでいたが、その中の【お父さん】役が刺殺されてしまう。
    事件への関与が疑われる人々も、捜査を行う警察側も何かしら思惑を持っていて‥
    続きが気になるミステリ小説。
    #読了

  • 宮部みゆきらしい流石の文章構成力で読みやすく、物語の仕掛けも面白い。
    一方で今一つ展開の面白みや、物語全体の深みは欠けた印象。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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