- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087473612
感想・レビュー・書評
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古代中国の王朝である夏を建国した禹王が建国を決意するに至るまでの話。
史実と一致しているかはともかくとして(そもそも文献があまりない時代だし)、文字も無いような太古の時代の様子を想像して書いたという意味では非常に興味深いものがあると思う。
かなり女性差別的な思想を持ってる方なんだなあと思いながら読んでいたが、あとがきを読んでやっぱり女性差別的な思想を持ってるんだなと思った。
ただ、そのあとがきがめちゃくちゃ面白い。ともすれば本編よりもあとがきが面白い。
作者の近代における社会、宗教、教育、差別に対する殴り書きのようなものがかなり正直に書かれていて、作者の思考の骨肉を感じる筆致だった。
特に「ああ、人よ。人を差別してはいけないのと同じように、言葉も差別することなかれ。」という言葉は胸を打たれた。
まだうまく落とし込めていないけれど、一度深く考えてみたい言葉だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
彼の他の作品を知らなければ引くタイトル。まぁ、酒見に色っぽい小説が書ける筈が(笑)舞台は古代中国、女権社会に抵抗して新社会を目指す・・なんて格好良い内容でもなく、主人公は身勝手に暴れまわる。もともと現代的モラルとかけ離れた時代だから、物語として受け取るが、どうも描写が雑で展開も乗れない。設定の着眼は面白いのだけど・
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女系社会における男。。
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最初の一頁で「ああうんコレは禹の話なんだねー」と納得して読み始めて、最後のちらっと蛇足的な二・三行で(しかも本編とは切り離された二・三行で)
「ああもう畜生!!だからこの作者はこの作者はこの作者はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」←褒め言葉。
……となった。
嬉しさと悔しさのあまり大笑いしたのよ、本当に。
本当に酒見さんのこういうしれっとしたとこって大好きだわ。