機関車先生 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475531

作品紹介・あらすじ

瀬戸内の小さな島の全校生徒わずか7人の小学校に、北海道から臨時の先生がやって来た。身体がおおきくて、やさしい目をした先生。でも、病気のせいで口がきけない…島の大人たちの心配をよそに子供たちは、空より広く海より深いこころに包まれて、本当に大切なものを学んでゆく。おおきな活字とふりがなで読みやすくした第7回柴田錬三郎賞受賞の名作。書き下ろし「葉名島へ」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 私も機関車先生のこと好きです。

  • 瀬戸内海の離島に赴任してきた口のきけない先生の話。内容はまあ、よくあるタイプ。自分的には良くもなく悪くもなくというかんじだったかなあ。

  • 瀬戸内の小さな島、葉名島を舞台にした話。第七回柴田錬三郎賞受賞作品。
    全校生徒7人の小さな学校に臨時の先生としてやってきた吉岡誠吾と子供たち、島民との触れ合いを描いた小説。

  • 人は腕力や身体の強さだけじゃなく、心や忍耐の強さだと改めて思った。
    小学生や中学生には是非とも読んでほしい一冊

  • とても良い本だった。
    これもいわた書店選書の中の一冊だ。

    本当の強さ、分かっているようで、でも実際そのときの感情に流されて弱い自分がでてしまう。
    そういうことは実際誰でもよくあるのではないか。

    この小説の主人公の機関車先生は、本当の強さを貫いている人。
    子供たちもその先生の行動を見て強さを学んでいく。

    喧嘩が強いだけが強さじゃないと。

    途中泣けるような部分もあり、すごく良かった。

    島のあらゆる女たちが機関車先生に惚れてアプローチしていくが、機関車先生は恋愛にも流されない。
    いつでも子供たちを第一に考える姿勢が素敵だった。

    そして小学生生徒の一人の女の子が機関車先生に恋をするところがとても可愛い。
    子供特有のまったく湿っぽくない純粋な恋心が私は好きだ。

    みんなでお弁当を食べているときに島の女が「お弁当ですよ~♪」なんてアピールしながら先生にアプローチしているのを見て「なんであの人は先生の側から離れないんだろう。」と睨みつける小学生の恋心がまた可愛い。

    そしてこの女の子のお婆さんの言葉がどれも素敵だ。
    「恋をしてるんじゃな。」と図星なことを言い、女の子は「そんなんじゃない」と言っているやり取りも温かい気持ちになれた。

  • こんな先生いいな!会いたいな!
    全体的にゆるやかな雰囲気が流れています。心が温かくなる本。

  • 漢字嫌い、勉強嫌いの弟から読み切れなかったと譲り受けた一冊。(笑)
    島や山、海流などの名前がたくさん出て来ます。

    実際に知っている場所ならば描写まで想像できて、もっと入り込めたかなと思うと残念。地理はもちろん漢字嫌いの弟が読めない訳でした。(笑)

    物語はじんわり暖かくなる素敵なお話しでした。生徒みんなの気持ちにラストは思わず涙。

  • ときにはこういうベタなお話もいいですよね~~
    これといったドキドキ感はないんですが、心にしみるというか、ジーンと来ます。

    最後はこうなるんだろうなぁって先が読めちゃうんですけどそれでも十分楽しめました。


    解説によると続編もあるっぽい感じなんですが、1992年の作品で15年たった今出てないとなればやっぱりないのかなぁ。。。?!


    で、この作品は坂口憲二主演で映画化されたんですが、DVDを借りて見ました。
    ほぼ原作どおりの仕上がりで、ところどころの細かい部分が時間の設定上なのかカットされてたんですが、まあまあうまくできてたように思います。


    ただ気になったのは、原作では主人公の吉岡先生が口のきけない理由は病気と説明されてたんですけど、映画では剣道が原因になってました。
    その辺の理由が気になったんですけど、こうなる病気が存在しなかったんでしょうかね?


    それから原作では重要なポイントになってると思うんですが、ヨウが先生に抱く恋心。
    この辺の描写が甘かったですね。。。

    肝心の夢の部分が(眠ってみる夢です)セリフのみになってましたから。
    狸うんぬん・・のシーンもあるとよかったな。

  •  恐らく2度目の購入。よって読むのも2回目。
    ヨウ(洋子)ちゃん 可愛いな。

  • 2013.6.5読了.図書館
    瀬戸内海の島での魅力的な機関車先生の物語。心の中の山を打ち砕く!

  • こんな先生に出会いたいな。

  • やっぱり方言ってあったかい。
    島の人々の言葉はシンプルだけど人間味を感じるし、特に子どもたちからあふれ出るひとことひとことは、とても生き生きとしていてまっすぐ。
    それがこの無言の先生のすばらしさや素敵さを、いっそう際立たせてくれているよう。
    ある意味、主人公は生徒やこの島の住民たちでもあるように思えた。

    島ならではの社会のありようやおとなの事情も織り込みながら、全編ルビ付き。
    すがすがしい印象で読み終えました。

  • 2013/02/25

  • ほっこり

    大切なことを教えてくれる。

  • 機関車先生=あたたかくて強いものの象徴
    そんな印象。

  • 話すことが相手に伝える一番の手段だと思っていた。
    言葉は多くなくたって、伝えることはできるんだ、と改めて感じさせられた本。

  • この著者は初挑戦。
    島に来た新任の先生は、口のきけない人でー。
    このテの話だと最後はべたべたのハッピーエンドか?と思いきや、先生は島を出て、汽車に乗るところで終わり。その後の子どもたちとの関わりもわからない。そんな、ガチャリと終わったラストシーンが妙に印象的だった。

  • 瀬戸内海のとある島の小学生達と口の聞けない先生の物語。
    全体的にゆっくり流れる空気感で爽やかな気分に。ぐっとくるシーンもいくつか有り。

    時代は戦後ということで時々出てくる太平洋戦争への思いなどがアクセントになってて考えさせられる一面も。

    戦時中、半分間違いだと思いながらも生徒を出兵させた校長が罪の意識に苛まれながら

    『これからは裸の王様に裸だと言える子供を育てたい、それだけでいい』

    という言葉は信念を感じる一言。

    僕と同郷 山口県出身の作者、舞台も瀬戸内海を中心に山口県も出てくるので、余計に感情移入しました。

  • 再読。この本はたまに読み返したくなる。
    機関車先生との出会いを始め、家族の死、地域における人間関係などを通して子ども達の心情そして葉名島の変化を見ることが出来る。

    印象深いのは、暴力を暴力で返すことが戦争を生むきっかけであること。それを体を張って子ども達に伝えようとする機関車先生はかっこよかった。
    これからも何度も読み返したい一冊。

  • ハートフルなお話。
    映画化もされましたね。

  • 【附属世田谷小学校 図書新聞から 「先生特集」】

    新しい先生は、口をきかんのじゃ・・・。
    舞台は戦争の傷跡の残る昭和三十年代、瀬戸内の葉名島。この小さな島の、生徒わずか七人の小学校に、北海道から代用教員がやってきた。

  • 短いからすぐ読めちゃいます!
    そんなに読み仮名ふってくれんくてもええよ・・・。

  • 久々にこれは、という本に遭った。私が伊集院静氏の作品を読むのはこれが初めてだ。「○○文庫の百冊」だとかこの「夏の一冊」などというキャンペーンに、私はよく乗る。というか、こうでもないと私は本を読まない。

    昔は本の虫と言ってよかったろうと思うほどに私は本と活字が大好きだった。しかし数年前私の力量ではどうにもならないことが人生に起きて以来、私はあの何にでも病名をつけることが大好きな国の医者に、簡単に「失読症ですね」などと言われて、ここまで来てしまった。まさか、この私が、そんな屈辱的なこと、と鼻で笑って認めようとしなかったのがいけなかった。簡単な文に見えるのに、言葉は全て理解できるのに、分からないのである。

    それが、この、2003年夏の「ナツイチ。」の本は今のところどれもスラスラ読める。分かるのである。本が分かる。何が書いてあるのか、分かる。何てステキなことなんだろう。

    文章を書くのには、きっとその分文章を読む必要があると信じて疑っていない私は、小さい頃から所謂こんな厄介なものを抱える前に読んだたくさんの文章の、そのうち頭の中に残っていたものだけに支えられて今まで様々な形で文章を書いてきた。あれが文章と呼べる代物ならば、の話だが。これからはもう、いつかあの蓄積してきた全ての文章が、綺麗に頭の中から消え去ってしまう日のことを心配することも無いのだ。そう思うと、今年の夏は嬉しくて嬉しくてしかたがなく、そんなわけで私の気持ちはこのキャンペーンに便乗して片っ端から文庫本を読み始めた時に、気象庁のそれを待つまでもなく、さっさと梅雨明けを宣言した。

    機関車先生、と生徒達から呼ばれる主人公の吉岡誠吾に、私は確実に恋をした。彼の少しはにかんだような笑顔にも、その隙間からこぼれるような白い歯にも、そして何よりその心に。いつか私はこの瀬戸内海に浮かぶ島を訪れようと思った。彼は私に太陽の光のような、美しい残像を残した。

    私は冒頭に書いたように、伊集院静という作家に興味があったわけではない。この作品が、私の大好きな笑顔をした芸能人によって映画化されることが決まっていなければ、今回だってこの本を手に取ることは無かっただろう。しかしこんな風に、大切にしたいと思う作品に出遭うことは、あるものなのだ。

  • 唖(喋る事の不自由な人)の先生が島の小学校にやってきてーという物語。
    心の美しい唖の先生が周りの偏見に負けず、人々の心を癒していく様は
    べただけれども単純に清清しい。まさに絵に描いたような教師の鏡で
    心温まると同時に、背筋の伸びる作品

    彼がこの島にやってくるまでの苦労や紆余曲折は描かれていないけれども
    口のきけない教師に対する教育の現場の厳しさは想像に難くない。
    がんばってきたんだな、と泣けてくる。

  • 可愛いの☆ヨウと修平の関係が気になります。うふふ♪よし江と素平の関係も気になります。おほほ♪とにかくお話は可愛いんですの(><)風景も人間も物語りも厳しいのも悲しいのも優しく包んでくれるんですの。オススメ。

  •  映画にもなりました。
    島の小学校に口がきけない先生がやってきた・・。
    簡単に言うとそういう話なのですが、
    こころ温まるお話です。
    すごく好きな1冊です

  • 瀬戸内海の小島に赴任してきた教師。病気で口がきけない先生は、たった7人の生徒を
    相手に、授業を始める…豊かな自然を背景に、心の交流を描く感動の物語。
    柴田錬三郎賞受賞作。

  • 機関車先生と葉名島のお話

  • 南の島に行ってひと夏ゆっくりしてきたくなるね

  • ありがちな感動ものかと思いきや、、、素直に感動しました。
    ずっと読んでいたい感じでした。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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