おれは非情勤 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 4970
感想 : 427
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475753

作品紹介・あらすじ

ミステリ作家をめざす「おれ」は、小学校の非常勤講師。下町の学校に赴任して2日目、体育館で女性教諭の死体が発見された。傍らには謎のダイイングメッセージが!一方、受け持ちのクラスにはいじめの気配がある…。盗難、自殺、脅迫、はては毒殺未遂(!?)まで、行く先々の学校で起こる怪事件。見事な推理を展開するクールな非常勤講師の活躍を描く異色ミステリ。他にジュブナイルの短篇2篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • サクッと読ませていただきました。
    学校を舞台にした探偵じみたストーリー集。
    心を揺さぶられるとかそういうのはない。
    無感情で読んで大丈夫な本です。

  • 非常勤教師が活躍するジュブナイル小説。

    しのぶセンセを思い出させる様な、
    良い意味でわかりやすく
    読みやすい作品。

    また、大人になっていくための
    本当のアドバイスを出せるこの先生も
    素敵です!

  • 子供に媚びない、
    ましてや、好かれようとも思わない。

    淡々と授業を、単なる<仕事>としてこなす俺が
    本当に目指しているのは『ミステリー作家』だ。

    だから、徹底して『非情勤』としての立場に拘る。
    深い情など、もっての他だ。

    ・・・だが。

    子供達の豊かで純真な感情は、やっかいで難解な事件を度々引き起こす。

    この謎を解く鍵は、生徒の心の<内>にあり。

    否が応でもその鍵を手に入れるには、
    こちらの心も開かなければならないのだ。

    短編だが、最後にビシッと決める「俺」の言葉は
    是非、子供に聞かせてやりたい!と、思った。

  • 小学生向けの雑誌に連載されていた作品のためか、話もトリックも分かりやすいものが多かった。主人公の「おれ」が仕事に対してドライで、冷たい性格なのかと思ったら、子供の悪意によって起きたことにきっちりと自分のやったことを向き合わせているところが、他のどんな教師よりも教師らしいことをしているところがとてもカッコいいと思った。

  • 子供向けの学習雑誌に掲載されていたということで
    話の内容は、ミステリーだけど、そんなに
    凝ったミステリーって感じではないかなー。
    サラーっと読めちゃう短編集だった。

    「おれは非情勤」
     6×3
     1/64
     10×5+5+1
      ウラコン
     ムトタト
     カミノミズ
    「放火魔をさがせ」
    「幽霊からの電話」

    「おれは非情勤」の主人公がハードボイルド過ぎて…
    ちょっと、私、苦手でしたー笑
    ハードボイルドな小説って読んだことなくて、
    なんだかむず痒い気持ちで読んでしまったよー。
    なので、すみませんが☆2です…。
    でも、東野圭吾さんの作風の豊かさには、
    驚きものです!!

    「放火魔…」と「幽霊…」は子供目線で話が進む。
    まぁー、サクサクっと読めちゃう感じだねー。

  • 〇約20年前の作品なので、時代背景も込みで楽しめる
    〇今だと産休の交代って年単位だもんね。むかしの働きながらの出産は大変だったんだな

    ・しおんさんのカバーイラストに。
    ・おれは25歳。教師たちが産休や病気などで長期に休むとき、非常勤で学校で二・三ヶ月勤務している。気がすすまない。ミステリー作家になりたいんだ。適当に乗り切るか。

    「6×3」
    体育館で死体が見つかった。六×三のダイイングメッセージ。
    …コナンくんぽかった!永井くんの問題も解決、よかった

    「1/64」
    教室の中で起こった財布の盗難事件。同時期に中学生からのカツアゲ事件も起こる
    …イラストの対価

    「10×5+5+1」
    前任者が事故死したクラス。子どもたちは何を隠しているのか。
    …同調圧力

    「ウラコン」
    優等生ばかりのクラス。ある日、女の子が飛び降りた。命は助かったが…
    …もっと叱りとばしていい。全員。

    「ムトタト」
    修学旅行を取りやめなければ、自殺する。という脅迫文が届いた。いったい誰?
    …今の学校だと結末が少し違う。20年の経過を感じる。

    「カミノミズ」
    生徒が砒素入りの水を飲んで倒れた。ペットボトルは誰が持ち込んだのか。なぜ少年は狙われたのか。
    …犯人は絶対に悪い。それとは別に生きものを責任を持って飼うこと、町の動物たちの居場所、生きものに寄せてしまう気持ちとか、考えさせられた

    ※主人公が少年にチェンジ
    「放火魔をさがせ」
    とうちゃんに夜回りに連れていってもらったおれ。しかし仮眠先の家が放火で全焼してしまう。犯人はだれ?どうやって火をつけたの?
    …親子の会話が昭和でなつかしい

    「幽霊からの電話」
    カレーを作って置いてるよ!ゼラニウムに水をあげてね!という留守番電話。でも、母ちゃんは電話なんかしていなかった。翌日、クラスの何人かのうちにも同じ電話がかかってきていて…?
    …カセットテープ!小物がなつかい。

  • おれは非情勤:学習研究社5年の学習1997年5号〜98年3号と6年の学習1998年5号〜99年3号の6編の連作短編、放火魔をさがせ: 学習・科学5年の読み物特集(下)1994年1月) 、幽霊からの電話:学習・科学6年の読み物特集 (上)1995年7月、を加筆修正し2003年5月集英社文庫刊。文庫オリジナル。読み終わってから、ジュヴェナイルものだとわかりました。でも面白くって楽しめました。

  • 久々に東野さんの作品。
    しばらく積んでしまってました。
    短編の作品で、主人公が「俺」のおれは非常勤シリーズが6作品でそれ以外の作品が2作品。
    おれは非常勤シリーズでは「おれ」の転属先6校で起こるミステリーを「おれ」が解決に導くとういもの。
    常勤の教諭と違い、短い期間の勤務という事もあり、どこかよそよそしく、主人公も冷めており、あまり深く生徒や同僚教諭と関わろうとしない「おれ」ですが、微妙なポジションを生かし事件を解決に導くという感じです。
    片仮名を縦読みで読んでみたり、数式を縦読みしてみたりと、パズル的な要素も多いシリーズでした。
    他2作品は放火魔をさがせ、幽霊からの電話で、どちらも小学生が主人公の作品です。
    久々の東野さんの作品でしたが、短編ということでとても読みやすい反面、少し物足りなさを感じました。

  •  小学校で起こる様々な事件を非常勤講師が解決するジュブナイル小説だが、さすが東野氏だけあってどれも安定の面白さ。『ウラコン』や『カミノミズ』など現実に即しており、綺麗な話で終わらせないところが良い。ダイイング・メッセージはさすがにないと思うけど、小学校高学年向けならギリギリセーフかな。『10×5+5+1』が特にやり切れない。

  • 1章ずつの物語で短い時間でサッと読めます。
    どうしても先生の口調に時代を感じてしまいましたが、気楽に読める本だと思います。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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