白い薔薇の淵まで (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 930
感想 : 119
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476262

感想・レビュー・書評

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  • この人の話は、どれにもどこかはっとするような処がありますが、この本は終盤へ向かっていくスピードが凄いと思う。スピードというか、感情の力みたいなものが。
    終わり方がとても好きな話です。

  • 女性作家さんの書く女性同士の恋愛です。
    読み終えてから魂が震えました。
    この2人の女性は一緒にいたら自分も相手も不幸にするのが分っていても、お互いにお互いでなくては駄目だというように恋愛をしているのが見ていて辛かったです。
    私にとって恋愛とは必要不可欠なものではなく、なくても生きていけるものですが、もうこの人だけという2人の関係には少し羨ましさを感じました。

  • ビアン小説なのだが、それ以前に非常に美しく濃密なただの恋愛小説でもある。累のキャラが強烈なので目立たないが、主人公も結構いいタマだし、なにより喜八郎がいい。この人の描く男性(主人公の恋人&夫としての)はなんか優しくてイイ。ただのあり得ない空想像なのかもしれないけど。はじまりのリアル感にそぐわないラストのメルヘンチックな空気が、格別な余韻を残す。受賞エッセイ、知ってた。この人やったんや。

  • 大好きすぎます。塁とクーチみたいな恋がしたい。なんでも投げ打ってしまうような。
    これを読んでから、私は相方に対する考えが変わりました。
    今までは落ち着いた、社会的生活を大事にするような生活が一番の理想だと思っていましたが、
    そうではない、身が焦がれるような恋をしたいとも思うようになりました。

  • 初めて読んだ中山さんの作品で、一番好きな作品。

  • これは秀逸。
    何が秀逸か、というとこの本はまるで目の粗いヤスリのような本でありその目の粗さの加減が秀逸なのだと思う。
    読み始めたばかりの頃は艶のある球体だったものが、この本を一冊読み終わる頃には痛みや息苦しさで細かな傷がつき欠片が溢れてしまう様な感覚に陥る。
    好きだというだけではいけないのだと、足りないのだと思ってしまう。
    前半ではじくじくとした気持ちのやり場に困り、クーチの行動にじれったさを感じ後半では急き立てられる様に移動するクーチにつられて読む速度まで上がる様な独特の吸引力のようなものがある本だというのが総括的な感想かな。今の所。
    もう一回読む予定。

  • <b>どんな人間にもたった一人、自分のために生まれてきた片割れがいるなら、わたしの片割れは塁だった。それに気づくのが遅すぎたのだ。</b><br>
    (P.201)

  • 女の子同士の恋愛

  • 女性同士の恋愛の話です。
    同性故に悩むことの大きさ。けれどどうしても離れることの出来ない2人。
    とても心に痛い小説なのですが、何度も読み返してしまう魅力があります。
    ラストはハッピーエンドになりきれないのですが・・・
    初めて読んだ時には、感動とあまりの痛々しさに涙してしまいました。けれどその涙はとても綺麗なものでした。

    私の中での中山可穂の代表作の中の1作です。
    是非、ビアンの方には読んでいただきたい。

  • 相変わらず・・・否、いつにもまして、濃厚。

    不器用なくらい抱き合ったまま、ボロボロになっていく2人が
    悲しいくらい奇妙に愛しかった。

    すべてを引き換えにしてもいい、と思うような唯一無二の恋。
    それは人を信じられない力と速度で動かす。

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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