- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087476958
感想・レビュー・書評
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怪奇で猟奇なのだけれど、不愉快ではない。
乙一の作品の主人公は、だいたいが孤独で、それゆえに、自身の内面と深く向き合い対話をする。
暗闇
目が見えない
閉ざされた空間
…といった設定が多い…あれ、書き出してみると同じことなのか。
そして、素晴しいミスリード。
謎が解けた瞬間、物語は猛スピードで収束に向かう。
楓町のさびしい雰囲気が好きだ。
失った大切な人をひっそりと偲ぶ人たち。
やがてそこから立ち上がって行く人たち。
喫茶店のマスターの木村さんでさえ…
でも、木村さんは何となく、“太陽”なイメージかな?
そんな人たちのエピソードも、重要なことに繋がっていて、張り巡らされた伏線の複雑さにうなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
むかしむかしあるところに、人間の言葉を話せるカラスがおりました。
カラスは目の見えない少女と話をしているうちに、少女を幸せにしてあげたくてたまらなくなりました。
そうだ、彼女に目玉をあげたらどうだろう。
そしてカラスは彼女のために、街へと繰り出していくのでした。
彼女のための目玉を探しに。
事故により片目を失くしたショックで記憶を失った少女は目の移植により、線路、公園、ふとしたきっかけで不思議なものが見えるようになりました。
記憶のない自分の記憶を埋めてくれるかのように見える誰か別の人の記憶。
記憶の中の人物は実在するのだろうか?
それともただの自分の夢なのだろうか?
少女の記憶を求める旅が始まったのでした。
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少女パートの合間合間に目を探すカラスの童話が挿入されて物語りは進みます。角膜を移植したら前の人の記憶が見えるようになった、という設定はどこかしらで見たことがあることと思います。その設定に乙一さん独特の不可思議ホラーテイストが加わり、何とも奇妙な物語に仕上がっていました。最後どうやって終わらせるのかがドキドキして仕方がなかったです。犯人はわかっていたのにこれまたあの記憶がピーッだというのはやられたーーーーー!!!相変わらずうーん先はどうなる?どうなる?とドキドキ感のある小説。 -
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。乙一の長編ホラー小説がついに文庫化。
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怖い系、というかちょっぴりグロい。エログロ好きな私としてはグイグイ飲み込めるくらいの描写加減ではありますが。
話は記憶喪失の主人公。移植された眼球にある惨劇の記憶を辿って旅に出る。というミステリー。
眼球の記憶の欠片を辿っていくミステリーとしても面白いんだろうけど、主人公のキャラクターに興味を惹かれちゃって、せっかくのハラハラドキドキや猟奇的な描写に入り込めませんでした。ごめんなさい。
主人公(菜美)は自らの記憶を失った。そもそも自分自身が菜美かどうかもわからない。周りがそういうからそうなんだろう。でも、目玉の記憶がますます自分のものとなっていく。一体<私>は何?
最後にかけて、主人公から投げかけられる自問自答。深いテーマ過ぎる。 -
グロ過ぎ。
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ミステリーとしてもすごくわくわくするし、隣の人間の不器用さに触れた感じの暖かさを感じました。わたしはこの人は人を切断する力を持ってる人っぽいな、痛みがないなら切られてもいいかなとか、この家は人体を切断したものでできてるなとか、現実に考えるくせがついちゃってる、小学生の時たくさん乙一さんよんでたせいです。
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正直ちょっとダラダラしてて途中で飽きてしまいました。なんというか色々と現実味がなくてツッコミどころ満載という印象です。鴉の童話と本編の絡みもイマイチだな〜と思ってしまいました。
グロテスクな表現があるということでどういう方向のグロテスクなんだろうと構えていましたが、「残酷」とか「猟奇的」なグロテスクと言いましょうか…。手術とか人体実験という言葉から感じる怖さに似た感じです。私は割と平気でした。
残酷で現実離れした悍ましい犯人にも一瞬だけ人間らしい感情を覗かせる瞬間があり、それがとても切なくて残酷です。乙一さんのこういう微妙な表現は本当に秀逸です。
ただ今まで読んだ乙一作品の中では正直あまり好きじゃない方の部類でした。 -
描写がぐろくてちょっと酔う
けど話自体は好き
長いからぐだりかけるけど
最後の追い込みからはテンポ良く進んで
いつもいいように裏切られる
アイのメモリーが好き -
途中ぐろかった。終わり方が微妙と言うか。ツッコミどころあり過ぎ。