スローグッドバイ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 783
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478167

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
    「涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ」。恋人にひどく傷つけられ、泣けなくなった女の子。彼女に青年の心は届くのか(「泣かない」)。上手に別れるため最後にいちばんの思い出の場所へいく。そんな「さよならデート」に出かけたふたりが見つけた答え――(「スローグッドバイ」)など、普通の人たちの少しだけ特別な恋を綴った10篇。出会いから別れまでの一瞬一瞬をやさしく描く傑作短篇集。

    「誰もが人生の主役になりたがるが、夢だとか恋だとか成功とか、どうしてあんなにしんどいものに、みんな手を出したがるのだろう。」

    「大人になるというのは、結局「立入禁止」や「この先行き止まり」の標識に素直に従えるようになることだ。」

    【個人的な感想】
    自分の経験と照らし合わせて...というほど自分のこれまでの恋愛経験がないからか、そこまで深く物語に入り込んで読むことはできなかった。
    だけど、短編集なので寝る前にサクッと読むにはとてもよかった。

    好きな短編
    ・真珠のコップ
    ・夢のキャッチャー

  • 石田衣良さんが初めて書いた恋愛短編集。どれもさらっと読めて、最後にはほっこりできました。久しぶりに、手でもつないで、ゆっくりデートしたい気持ちになりました(*^^*)

  • 心にグッサリ突き刺さってくる話もあれば、正直どうでもよい話もあり。分量は後者の方が少し多いか。

  • 比喩表現の美しさ、文章のテンポ。文章力でいえば、石田衣良さんは作家さんのなかでもトップレベルだと(個人的には)思う。

    特に短編だと洗練されていて、引き締まった無駄のない文章は読んでいて本当に惚れ惚れする。

    ちょっと大人な物語であるものの、登場人物たちに共感できる点が多く、楽しかったり悲しかったり寂しかったり、さまざまな感情を一冊の小説のなかで感じることができた。

  • いろんな方の感想を見ると『ローマンホリデイ』の評価が高くて、確かに良い物語だった。それ以外にも、you lookや真珠のコップ・線のよろこびなんかも良かった。
    ただ、僕とはしては そうなるまでの心の動きや関わりが好きなんだけど、この本では がっつりそうなってるのが大人のラブストーリーだから なのかなと思ったり...

  • 文庫本発売当時の2005年くらいに一度読み、本棚に眠っていたものを再読。

    真珠のコップとローマンホリディがすき。
    スローグッバイもよかったけれど、これをよいと言うと、石田衣良さんはしてやったり顔だろうと思い、なんだか悔しくて素直によいと言えない笑
    十五分はいったい私は何を読まされてるんだ…wという気分になった。
    ハートレスと線のよろこびは起承転結の「起」だけ丁寧に描かれ、のこりが全速力のドタバタ走りで終わってしまった感じが残念。

    当時のリアルを鮮明に描写しているせいか、今現在(2022年)の大学生とかが読んでもちょいちょい単語に詰まり、ストーリーに入り込めなそう。iモードや着メロとかならまだしも、ストーリーの肝なのにコールガールやプロバイダの掲示板とか言われてもはて??では。現代小説の寿命の短さに、恋愛とは違う意味でせつない気持ちになってしまった。
    そして普通の人のリアルを描いているようで、こんな恋愛なかったなぁ、、いいなぁ、、、という気持ちにも。

    石田衣良さんの小説はどんなに重い題材を扱ってもさらっとしていて読みやすい。

  • 2008.8.22
    愛が芽生えた時に起こるじんわりと心が温まるような感じの恋の話。
    なんか人を好きになるっていいなぁって思った。
    最近ときめいてないからなぁ。笑
    もう一回読みたい1冊です。

  • 2021.07.04

  • 恋愛についての短編小説集。
    セックスに関係した話が多い。
    ドキドキ•キュンキュンするような話はないけど、全てあっさりして後味が悪い話もなくて読みやすい。
    男性が書いた恋愛小説を読むのは初めてだったから面白かった。

  • ずっとセックスの話ばっかりしてるな…と思ってたら、最後の短編で全てが腑に落ちて、読後感が良い感じになる不思議。


    『スローグッドバイ』
    著︰石田衣良
    2005年 集英社文庫

    『泣かない』
    失恋の後に泣けない女性と、ぼく。
    泣ける映画のタイトルが大体分かるのがおもろい。

    『十五分』
    夏の間ひたすらセックスし続けた思い出の話。

    『You look good to me』
    アヒルの子と僕の、チャットから始まる恋。
    美醜。

    『フリフリ』
    熱心に恋人候補を紹介してくるカップルに半ばうんざりした僕と潤子は、付き合う「フリ」をすることで今後の煩わしさを解消する。

    『真珠のコップ』
    コールガールとの出会いからの、本気。

    『夢のキャッチャー』
    シナリオライターを目指す彼女がどんどん高みに昇っていく。その様に、自分が置いていかれるような気がする男。

    『ローマンホリデイ』
    ネットで出会った女性と「ローマの休日」の話で盛り上がり、ついに会ってみると…
    良い話。オチも素敵。

    『ハートレス』
    仕事が忙しくすれ違いばかりのカップルの、セックスレスの話。

    『線のよろこび』
    才能を見抜く力のある女が次に見出したのは、地下鉄の職員!

    『スローグッドバイ』
    「内臓が本来の場所からずれ落ちていくように感じた」
    キレイに別れるためのサヨナラデート。
    女は物書きの男に、いつかこの事を書いて、と頼む。
    男は沢山の物語を書くと確信する女。この別れを機に、沢山の物語が湧き上がる男。
    この短編集のラストにふさわしい、全体を暖かく包み込むようなエンディング。鮮やかで強い。

著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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