野生の風 WILD WIND (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1734
感想 : 161
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087487923

感想・レビュー・書評

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  • この文章では、いろんな色の描写が出てくるんだけど、不思議なことに、色彩だけではなく、匂いやそこに吹く風のそよぎまでもが存分に体感できるように感じられる。読後、解説にも似たような記述があって、やはりそうなんだと思った。どうしてそうなるのか分からないが、この人の文章は、間違いなくそういう感覚を引き起こさせる。5に近い星4つです。

  • (注:はげしくネタバレです。これから読む人は読まない方が...)
    「村山由佳ならこれ」というツイ友の勧めで読んだ本。家には他に何冊かあるけど、読まず嫌いw。
    25歳の草木染め作家が奥さんと子どもを失くした中年のカメラマンと、東西の壁崩壊当夜のベルリンで出会い、8ヶ月後、ケニヤで劇的な再会をして...っていう物語。ところが、主人公が高校時代にカレシを奪った同級生の編集者が偶然このカメラマンに夢中で...。
    こうやって書くと陳腐な話だけど、はっきりとイメージが浮かんでくるアフリカの自然や、ドライバーとの交流、カメラマンの助手/義理の弟の描写はさすが。
    でも、一度だけ男女の仲になった編集者が妊娠して、産んだ子どもに知的障害があったからカメラマンが責任を感じて...っていう終わりはちょっと安易だし、書き込めてもいないし、後味が良くない。
    実際にはあるかも知れないけど、小説で描く必然性があるのかやや疑問。「重さを押し付けられた」っていう感想があったけど、同意。
    でも主にアフリカの情景を楽しめました。なんでこれ、映画化されなかったんだろ。登場人物考えると面白いかも。飛鳥=満島ひかり、一馬=内野聖陽、祥子=黒木華、浩司=柄本佑とか?

  • 「海外で出会った日本人男女が恋に落ちる」話、いや、そもそも恋愛小説自体あまり得意ではないのですが、この作家さんの「星々の舟」が良かったので読みました。
    やはり最初は恋愛小説独特の「オシャレ感」にどうにもなじめず、読み進めるのに苦労しました。ですが後半に向けて次第に、引き込まれていきました。
    過去のたった一つの選択が、未来の自分に大きな影響を及ぼすこともある。
    そして、何でもかんでもただ「言えばいい」わけではないんですよね。

  • 30年近く前の小説。だいぶ前に買った本を本棚の中で発見したので読んでみた。恋愛小説だが、アフリカの魅力が存分に伝わってくるし、色彩の表現も際立っている。

  • いつか再読したい

  • 色彩鮮やかな描写。
    主人公の心情に胸潰れる思い。
    残酷さが心に残る。
    でも何か主人公の強さも感じて、読後感は悪くなかった。

  • 村山由佳さんの初期の頃かな?

  • アフリカの描写が力強くて美しく、引き込まれた小説です。
    二回読んで二回とも面白かった。
    切ない

  • 言葉に惹かれていきました。森絵都さんの、選ぶ日本語にワクワクしながら、アフリカを旅した気分です!

  • 世の中にはこれほどたくさんの色の種類が存在するのかと目の覚めるような思いで読み進んだ。こんなに繊細に鮮やかにあらゆる色合いを表現した作品を他に読んだことがない。 文章だけで極彩色が目に浮かぶよう。色だけでなく、匂い、温度、動物たちの命と魅力的なキャラクターの生が迫ってきて飽きることなく一気に読めた。この人の作品の恋愛もの『星々の舟』もとても良かった。また他の作品も読みたい。

著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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