異都発掘 新東京物語 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087492323

感想・レビュー・書評

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  • 荒俣宏にかかると東京もキラキラではなくなる。




    東京の「亡霊」を求めてさまよう。




    1987年に発行された本だが、今読んでも興味深い。




    東京がなくなると危機感を抱いたところから今回の本が生まれた。




    今回の本について、著者は「あらゆる意味でうしろ(レトロ)向きの東京観光である」と述べている。





    はとバスツアーではまずお目にかかることのないツアーだな。

  • 銀座の地下に眠る商店街、青山をおおう死者の霊、西新宿に繁る南洋風ジャングル…。いままでの「東京論」が触れなかった巨大都市の知られざる異相をデータを駆使して描く路上観察学。

  • 1980年代後半、かの荒俣宏がイメージとしての東京を探求した一冊。

    当時の雑誌に連載された記事を元にしているだけあり、筆致は軽妙、時としてやや軽すぎるきらいもあります。しかしそこは荒俣宏、南方都市、快楽都市、怨霊都市、そして幻想都市と、東京の、いわばもう一つの姿をじっくりと綴っています。

    特筆すべきはその情報量。先ほども述べたように筆致こそ軽妙ですが、一文一文に込められた情報の量と質は相当なものでしょう。「南方都市」に記され写された、南方幻想を留める建物や装飾など、今となっては本書以外で痕跡を辿るのも困難では無いでしょうか。インターネットなど影も形もない時代、実地と書籍の双方をどれだけ歩きまわり、調べまわったのか、想像を絶します。

    本書が世に出ておよそ30年。書かれた内容自体が歴史の一部となりつつあるからこそ、再読する価値がありましょう。かつての東京幻想に熱狂した方こそ、是非。

  • 2014/07/02購入

  • 帝都は、秘密と妄想に満ちている。

  • 「東京」という都市を、歴史、実測検分、データ、実現しなかった幻想…などなどのいろいろな面から楽しむ本。荒俣宏の豊富な知識と、それらを縦横無尽に結びつけ組み立てる想像力・構成力に驚嘆。

  • 都市観察者の本棚に潜ませたい1冊。思考と幻想の迷宮へ。

  • 東京の地下、風水都市としての東京、様々な顔を持つ東京の姿を「異都」として紹介。

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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