女と男 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087492422

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  • 表題作「女と男」は、仕事や過去の男たちにまつわる苦い思い出を抱えながらマレーシアの海岸でヴァカンスを過ごす日本の女性教師と、現地で出会った男たちとの出会いと別れを描いた連作短編です。

    他に、「エアポートは、雨」「イン・ザ・ホテルルーム」「真夜中の会話」「湖」という4つの短編を収録しています。これらはいずれも、大人の男女の関係を描いた作品と呼ばれるのかもしれませんが、少し距離を置いて眺めてみると、すれ違う登場人物たちの会話の刺々しさにむしろ子どもじみた印象を受けてしまいました。また「湖」に関しては、ストーリーが過剰に作り込まれているせいで、かえって登場人物の造形が平板に思えてしまいます。重い男女の関係を、軽いドラマ仕立てで描き出すところに、著者の作品の魅力があると個人的には思っているのですが、この作品に関してはむしろそうした著者の工夫が裏目に出てしまっているような印象があります。

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著者プロフィール

森瑤子(もり ようこ)
1940年11月4日 - 1993年7月6日
静岡県伊東市生まれの小説家。本名、伊藤雅代。
幼い頃からヴァイオリンを習い始め、東京藝術大学器楽科入学。この時フランス文学にのめりこんだうえ、様々な人々と積極的に交流し、卒業後に就職。結婚と育児に追われる。1977年に池田満寿夫が『エーゲ海に捧ぐ』で芥川賞を受賞したことを機に、初の作品『情事』を書き、すばる文学賞を受賞しデビュー。
37歳でデビューしてから52歳で没するまで、小説、エッセイ、翻訳など100冊を超える著作を生んだ。作品の多くがテレビドラマ化されている。代表作に、『スカーレット』『夜ごとの揺り籠、舟、あるいは戦場』など。

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