ニューヨーク・シティ・マラソン (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 297
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087494884

作品紹介・あらすじ

黒人売春婦の挑戦を描く表題作他8篇、パリ、ローマ、ピンプ、男娼、サギ師…危険で、しかし美しい都市小説。

感想・レビュー・書評

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  • マラソンの本かと思いきや違った。1話目で少し話しとしてあるが。
    でも後半の話しは情緒があってしみじみきて良かった。

  • (2022/07/25読了分)再読。今回は◆そして一年に一時間だけ輝ける時間の中に身を置く、観衆の中を手を振り微笑みながら通り過ぎる(リオ・デ・ジャネイロ・ゲシュタルト・バイブレイション)◆「ユキちゃん、俺のこと、好きなんだろ?」「よう、わからんとよ」(ハカタ・ムーン・ドッグ・ナイト)◆「責任」という言葉は、「支払能力」という言葉から派生したものだということで感心していたのでジョンストンに対して強い態度に出られなかったのだった(パリのアメリカ人)◆の三か所が印象に残り。そしてやはり、今回も、ジョンストンが自殺を思いとどまった画家ニコラ・デ・スタエルNicolas de Staëlのほとんど無彩色だけの抽象画を見たいと思った。(2018/01/23読了分)cafe オリーブと鳩で手に取った、稲越功一「Paris 1989」つながり。そこに、この本所収の「パリのアメリカ人」の一部が使われていて。「俺には力がないって、この、いい感じの瞬間を持続させる力が俺にはないってね、足りないんだよ、足りないし、勇気もないんだ」(ハカタ・ムーン・ドッグ・ナイト)、「成功というものに縁がなく年をとった者に取って、進歩とか変化は明らかに敵なのだろう」(メルボルンの北京ダック)、「この絵のどこに自殺を止める力があるのかわからなかったが、ヘレナは分厚いスタエルの画集を買った」(パリのアメリカ人)。スタエル=ニコラ・デ・スタエル、亡命ロシア人の抽象画家とあるが、見てみたい。Nicolas de Stael/NY。娼婦と男娼のカップル、ある勝負がきっかけでニューヨークシティマラソンに出ようと特訓を始める娼婦。二人の関係性も微妙に変化していき..。リオ。大事故を起こして療養中のF1ドライバーと娼婦の物語。考えるって何よ、YESなのNOなの?てスタンス。最後の最後に出した答えは...と。ローマ。寸借詐欺師のはずが情にほだされ話を聞いているうちに...。コートダジュール。何不自由ない生活を送ってたはずなのにコンコルドのコックピットから見た地球に宗教的なものを感じ仕事が手につかなく。最後は、直接地球をの声を聞いたかのように。フロリダ。急に妻に去られた男が、別荘のプールに泳ぎに来たメキシコ人に料理を振舞い奇妙な交流がお互いの人生を少しずつ良い方向に動かし…。香港。不思議な生物、産卵体の液を脳に注入することで一気にダンスの名手になりスター街道をのし上がり、男のもとを去っていったマーム。結末は物悲しく。/リアリスティックなものから、ファンタジーなものまで。

  • 村上龍は、以前デビュー作で途中で断念してしまったのでまず短編集でリハビリ。。。  どれも大きな話の筋があるわけではないけど、どこか人の温かみが感じられるところが素敵。メルボルンの北京ダックが一番好き。村上龍の文章の苦手な部分である性描写がなかったし。

  • 龍さんの本は苦手ですがランナーな友人がこれを読んでいつかニューヨークを走りたい!と目標にしてるというのでわたしも読んでみました。

    題名の「ニューヨークシティマラソン」も例にもれずセックスとバイオレンスの話満載でしたが、不思議にさわやかな話。
    NYCマラソンに出たくなる気持ちになるのもわかりました。読まずにNYCで走ったわたし。物語に出てる地名を確認しながらもう一度走りたい!

    他の短編の数々も文章からイメージと色彩が感じられ、なるほど龍さんは美大出身だと思いました。

  • 2013/10/5
    終わりとかよくわかんないのが多いけど、雰囲気がすき。ローマの詐欺師は分かりやすくてよかった。長期の旅行に行きたくなる。

  • パラパラと読める短編集。
    一番印象に残ったのは、蝶乱舞的夜総会の話。
    産卵体と主人公の男との対話部分。
    読んでて、ひたすら、鳥肌が立ちました。。。
    私には、こんな状況、想像できない。
    そして、その残した液体を体内に注入するなんて、、、。
    吐き気を模様しながらも、読み進めて、物語の最後を受け入れました。
    個人的には、本書の解説で”山田詠美”の名前を見つけた瞬間。
    飛行機の中でしたが、「Wow」って叫んでしまいました。
    最強のコラボレーションですよね。

  • ローマの詐欺師の話が面白いよね。

  • 「ローマの詐欺師」は、自分もローマで出会ったやつだった。
    普遍的で非常に優れた手口だと思う。
    満足度7

  • 村上龍にしてはさらっと読める。長編のエネルギーはないけど疲労もない。

  • 100817(n 100823)

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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