- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087500011
感想・レビュー・書評
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川端康成独自の文章であり、心情や文章の意味を理解できないこともあり、何度も行ったり来たりして、考えながら読んだ。何度か読み込んで、情景を細かく想像すると、きっとたくさんの感情に気付けるんだろう。当時の時代背景も照らし合わせて読み返したいと思う。
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「伊豆の踊子」は十数年ぶりに再読。旅情と青春を感じさせて、案外良い。初めて読んだ時もそう感じたはず。
他には、新潮文庫版には未収録の「死体紹介人」が薄気味悪くて良い。
川端康成は、基本的にあっさり薄味だが、晩年の「眠れる美女」や「片腕」のように、たまに薄気味悪い小説を書く、という印象。
以下は「死体紹介人」のあらすじ。
会ったことのない女の死体を解剖用に大学に売り払うが、その女の妹が骨を受け取りに来たので他人の骨を渡す。その妹と同棲するようになるが、姉と同じく肺炎で亡くなる。その死体の前で、火葬場で知り合った女と抱き合う。 -
川端康成 「伊豆の踊子」「温泉宿」「十六歳の日記」「死体紹介人」ほか 短編集。驚きの連続だった。
荒木飛呂彦の表紙イラスト以上に、川端康成の孤児根性や死者への執着 に驚く。「伊豆の踊子」が映画のイメージと違うことに驚く。あまりにグロテスクな「死体紹介人」に驚く。
「十六歳の日記」あとがきの記述が 川端康成 理解のヒントになった。「家とか家庭とかの観念は私の頭から追い払われ、放浪の夢ばかり見る〜死者の叡智と慈愛を信じている」
「伊豆の踊子」自分の孤児根性に嫌気がさした主人公が 踊り子の少女に癒され、他人の親切を受け入れられるまで を描いた。踊り子に 家や家庭のない自分を見たのだと思う
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表題策を含んだ短編集。踊り子がスタンド使ってる表紙という触れ込みに踊らされて購入。
伊豆の踊り子はエリート学生の主人公が踊り子に見惚れて踊り子達と一緒に旅をする話。身分の差が憚る恋、と一言で言えれば簡単だが、恋に落ちたという自覚の描写もなし。多分そういうことではないのだろう。だからこそ、綺麗な話として読める。踊り子が茶屋のおかみさんや宿の人に蔑まれるが、それが余計に主人公の踊り子に対する庇護心というか、この人を特別に思うのは自分だけだという選民思想的な感情も抱かせる効果があるのだろう。
個人的なお気に入りは死体案内人。同室だが顔見知りでもなんでもない女の死をきっかけに起こる話。こんな話を思い付く著者の才能を感じる。
解説でもあるが、醜さの中の美しさを見出だす作者の才能が随所に現れている。文学とはいえ、文章のきれいさと話の面白さによりするすると読める。 -
2017/3/10-20読了。
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美しい日本語
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太鼓の音が聞こえなくなるとたまらない気持ちになる主人公を可愛らしいなと思ったり(伊豆の踊子)、なんでこんな風にぶった切るんだろうと不思議に思ったり(招魂祭一景)。
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242.2008.7.14
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完全にわかったかと言われると疑問だけれど、読むたびに掴める量が増えている気はする。
「伊豆の踊り子」もだけど、「十六歳の日記」と「死体紹介人」の方が記憶に残った。
違う表紙のを買えばよかったと、少し後悔。