おっちょこちょ医 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 53
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087502725

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに引かれメルカリで初版の単行本を良好な状態で購入。なだいなださん、名前が気になってこの方の作品を読んでみたくて初めて読んだ。
    前半はタイトル同様ユニークなネーミングとゆるい世界感が好きだったけど、後半から戦争の話になり意外な展開に。トータル的にはファンタジーな世界観な話を理想としていたので現実味がありすぎてちょっと違ったかな。他の作品も読んでみたいです。

  • エンデの「モモ」を彷彿させる物語。お話はのんびりとやさしい笑いで始まるが、後半はヒトラーを模した人物の登場で暗雲がかかる。
    文庫の初版は昭和54年。
    しかし、現代に通じる部分があちこちに感じられた。
    人に必要なものって何だろう、という根元的なことを考えさせられる。

  • この本の発行日から見て、初回は少なくとも二十歳を過ぎて読んだ事になる。
    内容的には童話に類するのだろう。落合恵子(これまた懐かしい名前ですが)の解説でも、この小説を小学校4年生が読むシーンが出てくる。インターネットで調べてみると、少年文学全集に収められていたり、舞台で演じられていたりするところを見ても、そんな感じです。
    著者のなだいなださんがどういう読者層を狙ったのか?純度の高さから見れば童話のようでありながら、もう少し大人向け、少なくとも10台後半あたりを狙っているような気がします。
    私の年で読むのは多少気恥ずかしい。でも、なんだかホッとできる話でした

  • 懐かしい

  • 大人になってから出会った本だけど、これは子どもの頃に出会ったほうがよかったかな。で、大人になってから、再読したほうがいい。
    こんな素敵な大人たちと一緒だったら、子どもは絶対すてきな大人になる。

  • 子供にだけ読ませておくのはもったいない。

  • 小学校の頃に買ってもらい、それ以来今まで何度も読み継いでいる人生の教科書。童話のようです。しかし、ただの童話ではなく、人間の生き方をびしっと示してくれる実用書でもあります。「人を救う手段があって、自分の手で人を救う事が出来るのならば、そのために罪を犯す事をなぜ躊躇うのか」。ボクらは、大人になるに従って、本当に大切な事を押し殺して生きているのでしょう。真っ直ぐでは、辛すぎるから。時にはディストレのように、少しおっちょこちょいな方が良い人生を送れるのかもしれませんね。この本は、そんな事を優しく教えてくれる本です。

  • 医者のいなかったヘーワ町に連れてこられたディストレ先生は腕はいいが無類のおっちょこちょい。人々は医者さえいれば幸せになれるという考えから抜け出し、会議で健康保険制度を生み出したり、注意して医者にかかることで医学・薬学に詳しくなり、模範的な衛生的町になる。ある日突然ドルマン軍に占領されたこの国はレジスタンス活動で赤シャツ党をやりこめ自由を勝ち取る戦いを繰り広げていく……。<br><br>大ぼけなこの先生が実は切れ者というのが私の好きなパターンだけどこの先生はキレてたりやっぱぼけてたりして憎めない。デグタン街の人を救いたいというヤン君にオッス先生は「焦るな、今は勉強しろ」と言う。ディストレ先生は「人を救って罪になるなら罪を犯せ」と言う。どちらにも泣かされたぜよ。子どもにも読める文章で大人も楽しめる内容。こういう小説っていいよね。'92

  • 見たものを見た通りに理解する。嘘をつかない、ホントのことを言う、でもホントのことを全部は言わない。という処世術は意外に高等スキルである。

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著者プロフィール

なだいなだ:1929-2013年。東京生まれ。精神科医、作家。フランス留学後、東京武蔵野病院などを経て、国立療養所久里浜病院のアルコール依存治療専門病棟に勤務。1965年、『パパのおくりもの』で作家デビュー。著書に『TN君の伝記』『くるいきちがい考』『心の底をのぞいたら』『こころの底に見えたもの』『ふり返る勇気』などがある。

「2023年 『娘の学校』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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