アウトサイダー (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087601404

感想・レビュー・書評

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  • ビートたけし「間抜けの構造」 からリファレンス。原書は1956年、日本版は1988年。

    ドストエフスキー、ニーチェ、ヘミングウェイなど、自分と向き合った結果、体系に取り入れられることを自ら絶ったアウトサイダーの内面に迫る。
    なかでも強烈なのがヴァン・ゴッホのもので、これは自身をして「わたしの仕事だが、わたしはそのために生涯を賭けた。そしてわたしの理性はなかばまで瓦解した」としており、人と暮らすことがままならぬ状態にまで自身を追い込んでしまっている。

    著者自身も16歳で学校をやめ、兵役と肉体労働に従事する一方、大英図書館に通いつめて25歳で本書を書き上げている点をすればアウトサイダーに分類されるだろう。

    アウトサイダーを理解することは、秩序や体系というものを理解する最も正確な方法かもしれないと感じました。

  • アウトサイダーといえば、カミュの異邦人だと思う.

    実際にカミュをはじめとする多くの文学作品を引用していて論を進めている.
    文芸書としては面白い.

  • 『死に至る病』現代的自我を産み落とす陣痛の発端。物質に隷属し機械化した人々と己の原罪に気づき青年は絶望する。信仰心はこれを救済しない。『地獄』隙間から覗く他人の赤裸々。自分は?『カラマーゾフの兄弟』肉体・知能・感情。先走る知能で機械化された無意識を自覚するも、置いてけぼりを食らった肉体・感情がバランスを崩し、自我崩壊する。『アウトサイダー』文学・哲学・心理学。古今東西のアウトサイダーを取り扱い、「宇宙とは何か?」ではなく「人間はいかにして生きるべきか?」を問い、個人の救済を目指す道徳の教科書!傑作!!

  • 大学時代に衝撃を受けた書。サルトル、カミュ、ニジンスキー、ヘッセ
    ゴッホ、一度その世界を知ってしまったら元の世界には戻れないアウトサイダーたち。しばらくはこの本で扱われた人、本ばかり読んでいた。今読むと、感情的すぎる印象を持つかも。
    これは筆者も読者も若い時に出会うべき作品。

  • コリン・ウィルソンは、1931年6月26日イギリスで生まれた今年79歳の小説家・評論家。本書『アウトサイダー』は彼のデビュー作で世界中で大ベストセラーになった刺激的な本ですが、16歳で学校教育とは無縁の存在となった人が25歳で書いたものとはとても信じられない内容です。


    ・・・・・書きかけ・・・・・

  • データなしにつき転用。家のは福田恒在・中村保男訳 紀伊国屋書店1957年版です。

    本書は一躍コリン・ウィルソンを文壇の寵児に押し上げた。
    高等教育を受けていない下層階級出身のイギリス人、ウィルソンが、図書館の読書のみで書き上げた文化評論。

    ヴァースラフ・ニジンスキー T・E・ロレンス、ヘルマン・ヘッセ、ヴァン・ゴッホ、ニーチェ…絢爛たる人物論。文化論。
    彼らを「アウトサイダー」という括りでまとめ、アウトサイダーとは何かを語る。

  • もやもやがいくらか晴れる素晴らしい本

著者プロフィール

"コリン・ウィルソン
1931-2013
英国、レスター生まれ。
16歳で経済的事情により学校を離れ、
様々な仕事に就きながら執筆を続ける。
1956年、評論『アウトサイダー』を発表。
これが大きな反響を呼び、作家としての地位を確立。
主な著書に『殺人百科』(61)、『オカルト』(71)など。




"

「2019年 『必須の疑念』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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