- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087605761
作品紹介・あらすじ
7月のある日。古い複葉機に客を乗せ、10分間3ドルの遊覧飛行をしながら、気の向くままに各地を回っていたリチャードは、風変わりな同業者ドンことドナルド・シモダと出会った。かつて救世主と騒がれながら、あっさり「救世主をやめた」というドンと旅をともにしながら、小さな奇跡を目にする。次第にリチャードは、ドンの究極の自由の世界へと魅了されていく。不滅の青春ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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何だか、映画『イージーライダー』みたいだ。
悪い意味で言っているのではない。
「人々は自由は素晴らしいという。
でも、本当に自由な奴を見ると連中は怖気付くんだ。」
映画に出ていたアル中の弁護士ジョージが言っていたのを思い出した。
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@ohraido 「D坂文庫2010冬」から五冊目。
古い複葉機で遊覧飛行を営んでいるリチャードのもとに
現れた"元救世主"と名乗るドン。
この二人のやり取りで進むオハナシは、"不滅の青春
ファンタジー"という惹句が付いている。
でも、本書はファンタジーという括りだけではたぶん
十分ではない。
常識とか社会通念から自分を解放しないと、この本を
読み進めるのは少し苦しい。
そういう意味では、哲学書に近いフレーバーも合わせ
持っていると思う。
それでも、その解放を手助けしてくれる優しさがこの
本にはある。その優しさをもって、本書を青春ファン
タジーと呼んでいるのだとすれば、それは正解だと思う。 -
たぶん...多くの人にとってはフィクション.
ただ自分にとっては多いにリアルありあまるほどのリアル.
大好きな本でした. -
色々な意味で次元の違う小説だった。
もっと自分を解放してあげてもいいんだという気持ちにしてくれるような小説。
たまにアドラー心理学的な考えが出てきていたのが良かった。
私も救世主になりたい…
「すべてはイリュージョンなんだよ」というイリュージョンという単語があまりピンと来なかったので☆-1
普段、生活していて「イリュージョン」という言葉でてきますか?
私はあまり使い慣れていない言葉なので「ん~」という感じでした。
最後のどんでん返し的な言葉は、ドキっとさせられたのと同時に、何が正しくて何が正しくないのかわからなくなった。
実は正しいことってないのかもしれないなぁ。
ほら、ラッドウィンプスの歌詞にもあるように、
60億個の正しさがあるんだと思う。 -
『かもめのジョナサン』と基本的に同じことを描いている印象をうけた。かもめを人に置き換えたかたちである。かもめの場合より感情移入はしやすい。時間をおいて読めば抱く印象も変わるだろう。再読必須である。
もしこんな風に生きることができるのなら、まずサークル辞めて、本読む日々を送りたい。週に何回かコンビニでバイトしながら。大学院にも行きたいし、アーカイブスについても学びたい。もっと追求したいし、追求するための力を身につけたい。色々な人々の意見を聞きたい。同じようなことに興味を持つ人々と意見を交わしたい。前向きに生きていきたい。親には心配かけたくない。親の誕生日にはそろそろ何かちゃんとしたものを贈りたい。今持つものを全て捨てることができるのなら、こんな日々を過ごしたい。 -
本棚にキープしておきたい本。
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面白かった。頭の中から思い込みとか決めつけを捨ててしまわないと、何も頭に入ってこない本。と言いつつ、まだほんのちょっとしか理解できていない気がする。全ては「したい」から始まる、「この世界」は人の数だけある…など、浅くも読めるし、深くも読める内容。今回は図書館で借りて読んだが、自分で買って何度も読み返してみたい。
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小説仕立ての自己啓発書を読んでるような感じだった。
現実なんて自分たちの描いてるイリュージョンに過ぎないという考えは基本的に賛成。しかし、そうだからといってイリュージョンからすっかり自由になれるわけではないんだなあ。
普通人にできることは、偏った認識を理解してそれを開放することくらいなのです。でもそれでいいのだ。