- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087606416
感想・レビュー・書評
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「ミシシッピー・バーニング」と
同時代・同地域の物語であるにもかかわらず、
白いレディと(黒い)ヘルプを中心に据えることにより、
リアルでいきいきとした日常感がありありと浮かび上がる。
副題である「心がつなぐストーリー」に強く惹かれた。
じんわりと心を打つ素晴らしい作品を読めたことに感謝。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まだ、アメリカでの黒人差別の強い時代を黒人のヘルプからみた白人と黒人の関係、白人の生活、白人からみたその時代が描かれてあり、面白いと言うか考えさせられる本でした。これから黒人と白人が紡ぐ物語がどうなっていくか気になるところ•••
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上下巻、一気に読み終えた。そもそも映画の公開を心待ちにしていたのだが、原作者と監督には交流があって、そもそも二人とも南部出身、ヘルプに育てられており、本書の出版と映画化ついて強い意志を共有していた、、、みたいなエピソードをどこかで聞いて、日本公開までまだ時間がかかるから先に読んでおこうかな、みたいな。
結論、すばらしかったです。ひどい状況の中でも、家政婦として働く中で生じる、メイドと雇い主の間の心の通い合いや、家族のような愛情は、宝石のように美しい。そんな絆も知っていながら(だからこそ?)、断絶の溝を思い知らされたときのショックは大きく、深く傷付く。無知や無自覚、知ろうとしない事の罪深さ。自尊心の大切さ。
人種だけでなく、あらゆる対立や差別が世界中にまだ多い訳ですが、どうしたら私たちは「ただの人間同士」とだけ思えるようになるのか。何がそのシンプルな考えを阻害しているのか。どうすればその壁を乗り越えられるのか。深く考え続けていきたいと思わされます。