ヘルプ 上 心がつなぐストーリー (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087606416

感想・レビュー・書評

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  • 人種差別を描いた作品は過去に読んだり観たりしたことがあります。
    テーマがテーマだけに重くて、観ていてとても辛くなったことを覚えています。
    この物語は、重くなりがちなテーマをユーモアを交えながら描いていて、途中からは頁をめくる指が止まりませんでした。

    ミニーの毒舌ぶりがくすっと笑わせてくれます。

  • うーん、世の中にはついこの間まで、そして今でも無知と誤解で満ち溢れているのね。そして人間はとても残酷になれる生き者で、人間だけが食べる目的以外に殺す。

  • 主観がチャプター毎に入れ替わって、
    スキーター/エイビリーン/ミニーそれぞれの一人称で 描写されていきます。
    読み進むにつれて、
    3人それぞれの心の機微が 少しづく積みあがるように分り、
    それに比例してストーリーの面白さが増していきます。

    早く下巻を手にしたい!と思う一方で、
    スキーター以外の白人キャラクターによる一人称描写が無いため、
    どうしても被差別民寄りというか、バイアスがかっている懸念がどうしても残ります。

    ともすると「差別者は悪」の一辺倒になりきって、時代背景や因果、要因、
    それからきっとあるであろう差別者の苦悩など、この辺りが置き去りになってる感も。

    兎に角 下巻に期待!

  • 映画の原作。
    映画観てないけど、なんか気になったので読んでみる。

    読みやすい。各々の語りがこう感情がダイレクトに伝わってきて
    ぐんぐん読める。

    ヘルプ、とゆー呼び方自体知らなかった。
    同じ空間にいるのに全く違う世界で生きている。
    大切に育てた子が自分たちを見下すようになる。
    確かにその痛みはどれほどのものだろうか。
    怒り?哀しみ?虚無感?
    自分たちの生活の一部となっている人たちに対する仕打ちに
    なんだそれ、と思うけれど、
    なんとゆーか、それが間違っているんじゃないか、とか
    傷つけているんじゃないか、とか、
    全く思いもつかない社会だったんだろうなあっと。
    自分たちは間違っていない、正しい、と思っている人間がどれほど
    怖ろしいか、しみじみ。
    そしてそれはきっとふつーのどこにでもいる人たちなのだ。

    さて、彼女たちの心のうちに積もり積もったもの。
    一度吐き出してしまえば、もう止めることはできないのだろう。
    しかし、簡単にそれを押しつぶすものがあるのもきっと現実だった。
    彼女たちの声が誰に届くのか、
    凝り固まった社会に変化を呼び込むことができるのか、
    びくびく、どくどき、わくわくしながら下巻に向かう。

    そうゆう差別、とゆーのを実際にうけたことはないのだけれど、
    日本人はその対象たりえたのだ。
    同じバスに乗れない、同じレストランで食事できない。
    明確な線引きによって生まれるのはどうしようもない上と下の関係で。
    他者より有利でいたい、強くありたい、
    そーゆー願望はともすると、あっという間に自分を埋め尽くす。
    だから怖い。

  • 話の内容は60年代のアメリカ南部の白人と黒人の人種差別の問題という日本人にはいまひとつピンとこないテーマ、しかも重いテーマだが、軽い口調とウィットがきいていて一気にひきこまれた。

  • 上下巻一気読み!感想は下巻で。

  • アメリカ南部ミシシッピ州、白人と黒人の差別がしっかりある時代。
    アフリカの貧しい子供には援助の手を差し伸べようとしながら、身近に暮らす黒人は差別するという当時の社会を家政婦として生活の糧を得ているエイビリーンと彼女たち黒人の話を本にしようとするスキーターを中心にしたお話。

    昔見た、「カラーパープル」(?)という題名の黒人の差別を主題にしたビデオを思い出した。

  • 原作を早く読みたいがために封切りから間もなく映画館に行きました。映画を見てから原作を読む主義なもので…。
    アメリカの暗部、人種問題。いくらでもシリアスに、社会問題として描くことはできると思いますが、この作品はあえてユーモアと女性らしい明るさを持って扱っています。都市部ではキング牧師が行進を行おうとしている時代に、ジャクソン郡では区別と称した差別がまかり通っている。黒人メイド「ヘルプ」のトイレは屋外に設置するべき、なんて法案を真面目に議会に提出しようとするくらいです。気にくわないヘルプには泥棒の汚名を着せたり、怪我をした学生を病院の前に置き去りにしたり、人間扱いすらされないこともある。全ての人がヘルプをひどく扱っているわけではありません。不当な暴力を受けた家族がいるからと有給をとらせてくれたり、家族の一員として扱ってくれたり。ただそれをインタビューとして読んだとき違和感を感じるんです。彼女たちは当たり前の扱いを受けてるのに良い話になっちゃうのっておかしくない?と。コンスタンティンを実の母のように愛するスキーターからして、心からありがとうと伝えたことはないとやっと気づく。それくらい、当たり前のこととして差別は存在していた。作中で出来上がる「ヘルプ」という本は決して積極的な問題提起はしません。ただ読んだ人が何を感じるか、どう思うか。それが町を変えていくのです。スキーターは親友たちから無視されるようになり、ヘルプたちは身の危険におびえ、それでもインタビューは進んでいくし、彼女たちはこの町を心底嫌いはしない。人間は愛情も憎しみも持っている。キリスト教の教えのように憎しみを捨てて愛することなんてできないけれど、それでも前を向いて進んでいかないといけないし、赦しがあるならばその先にしか得られない。ただのハッピーエンドではなく、受難の道を進めと言われているようなラストですがやはり暗くはなりません。「ヘルプ」を作った自信と、過程で得た強さがあるから。
    映画、小説、それぞれのよさがあり、それぞれに楽しめます。シーリア好きな人は小説の方がいいかも。

  • 感想は下巻に。

  • それぞれの登場人物が一生懸命でかわいい。
    悪役(?)のヒリーさえ、人種差別肯定派だけど、一方ではいいお母さんだったり、家族に無関心と思える主人公のお父さんが人前で「うちに勤めている黒人たちに酷いことをする者がいたら許せない」ときっぱり言い切ったり。
    それぞれに正義と生き方がある。
    ミニーのキャラメルケーキが気になる。

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