絶声

著者 :
  • 集英社
3.17
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本棚登録 : 393
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711851

作品紹介・あらすじ

親父が死んでくれるまであと一時間半――。
もう少しで巨額の遺産が手に入る。大崎正好はその瞬間を待ち望んでいた。
突如、本人名義のブログが更新されるまでは……。
『私はまだ生きている』
父しか知り得ない事実、悔恨、罪などが次々と明かされていく。
その声が導くのは、真実か、破滅か。
驚愕のラスト&圧倒的リーダビリティの極上ミステリー!


【著者略歴】
下村敦史(しもむら・あつし)
一九八一年京都府生まれ。二〇一四年『闇に香る噓』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。数々のミステリランキングで高評価を受ける。一五年「死は朝、羽ばたく」が日本推理作家協会賞(短編部門)の、一六年『生還者』が日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補になる。著書に『真実の檻』『サハラの薔薇』『黙過』『悲願花』『刑事の慟哭』などがある。

感想・レビュー・書評

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  • 人間模様とミステリー要素がリンクする下村作品。昭和の大物相場師と呼ばれた堂島太平がすい臓がんになり行方不明となる。7年を経過して失踪宣告が成立し、遺産が手に入るというので、長男、長女、異母弟の次男が色めき立つ。しかし、大金が入る直前に太平のブログが更新されはじめる。これは太平の策略なのか、嫌がらせの最後っ屁なのか。ブログの更新により、わが子による金の無心、太平の孤独・孤立。一方、太平のブログにはA子という献身的に世話をする存在がいて、ラストでA子の正体が明らかになり180度話しが変わる秀逸な展開だった。⑤

  • 私が読む下村敦史氏作品(アンソロジー含む)9冊目。

    アレもコレもソレも見破れていたので、読了後に読み返す必要無しだった。
    ここをネタバレ扱いにしても、アレとコレとソレをオブラートに包んだとしても、ここに書いてはいけないと思うので、例によって非公開メモの方に残す。

    読み終わって、本文中のどこにも『絶声』という単語は出てこなくて意味もわからなかったので、読了後にネットで調べたら、本書しかヒットしない。
    これは著者の造語という解釈でいいのだろうか?

  • 遺産相続ミステリ。

    雰囲気バッチリ雨の夜、遺産相続の醜い争いの幕開け。

    お金に目が眩んだ人の心、醜さ、情のかけらもない血縁関係は読んでいて楽しい気分ではなかったけれど、父親は生きているのか、謎のブログ更新にひっぱられての一気読み。
    そして狙ったかのような雷鳴混じる雨の夜、ついに全てが明らかに。そう言われてみれば…なるほどね。

    莫大な遺産がもたらした悲劇、これは見事なミステリだ。そんな余韻からのエピローグ、これは良くも悪くも下村作品らしい。
    借金取りにずっこけた。彼がある意味一番印象に残った。

    • くるたんさん
      やまさん♪
      こちらこそありがとうございます♪

      そうですね、どんでん返しというほどではないけど驚きがありましたよ(*´▽`)ノノ

      醜い争い...
      やまさん♪
      こちらこそありがとうございます♪

      そうですね、どんでん返しというほどではないけど驚きがありましたよ(*´▽`)ノノ

      醜い争いは決して気持ちの良いものではありませんが、軽い気持ちで、機会があったら楽しんでみてください♪
      2019/11/08
    • あいさん
      おぉ(^-^)/
      今回の下村作品はどうかな?
      そこまでガックリではなかったようだけど…
      下村作品らしいというのも気になるわ(笑)
      おぉ(^-^)/
      今回の下村作品はどうかな?
      そこまでガックリではなかったようだけど…
      下村作品らしいというのも気になるわ(笑)
      2019/11/14
    • くるたんさん
      けいたん♪こんにちは♪
      なんか一気読みだったのは間違いなし!
      ミステリ度強め で面白かったよ♪
      でもみんな醜いわー、私とは無縁の世界の話だわ...
      けいたん♪こんにちは♪
      なんか一気読みだったのは間違いなし!
      ミステリ度強め で面白かったよ♪
      でもみんな醜いわー、私とは無縁の世界の話だわぁ。
      機会があったら読んでみてね♪♪
      2019/11/14
  • 失踪申告確定まであと少しのところで更新されたブログ。そして遺産相続のために動き回る子どもたち。どうやったらここまで金に汚い兄妹ができるんだか、と思ったり…
    後妻の子である正好にちょっと肩入れしながら読みつつも、最後のどんでん返しに至るまでの流れは結構好き。

  • 末期がんを患い、失踪した資産家の遺産を巡って繰り広げられる争いを描いたミステリ。失踪宣告が成り立つかに思われた直前に、父親が生きているかもしれないという可能性を見せられた子供たちの態度がもうなんとも浅ましいとしかいうほかなく。
    それぞれに相続の権利を巡って蹴落とし合おうとする子供たち。正直、誰にも感情移入できやしません(苦笑)。そこにまた厄介な人物が絡んできていったいどうなってしまうのか。そして失踪した資産家はまだ生きているのか、という謎に引きつけられて一気読み。しかしこうしてみると、これほどの資産家っていうのも案外と不幸なのかもしれない……?

  • まるで舞台演劇をみるようなサスペンス小説だった。
    限られた登場人物、限られた場所、場面というミニマムな設定の中でストーリーが展開していく。
    亡き父親の膨大な財産の相続をめぐるサスペンスで、巷に溢れる相続に関するトラブル、骨肉の争いの顛末をある意味さらりと描いた作品だろう。

  • 出だしを失踪宣告直前に置いたところがキャッチーで、結局最後まで読まされたよ。
    設定はベタだし登場人物はパターンだしタイトルは納まり悪いけど(格好はいいけど、内容としっくり来ない)、最近読んだミステリの中では割とヒット。

    慰謝料は相続より優先されるのか。覚えておこう…役に立つ日が来るのか?(笑)。

    ブログの小細工ってのが今風。確かにチョイチョイ違和感はあったな。ま、使用人の名前が「愛子」なのはご都合な気はするし、膵臓ガンってそんなに保たないはず。

    3兄弟が3人とも、未婚で子どもがいないのも今風だけど、これ重要よね。もし居たら、親が欠格だろうが廃除されようが「代襲相続」できるもんね。

    ところでこれ「家庭裁判所調査官・真壁勇作」シリーズ、ではないんですよね?だって地味すぎるもんね、このヒト。

  • 読後感どんより。

    なんとも気が滅入る読書時間だった。

    「昭和の大物相場師」と呼ばれた堂島太平が残した巨額の遺産を巡り、残された家族が本性丸出しで争う、金と欲に目が眩んだ人達の物語。

    良くありがちなテーマではあるが、亡くなったと思っていたはずの、本人名義のブログが突如更新され始めるストーリーは新鮮。

    失踪していた太平は生きているのか?
    ブログ更新は別人の仕業なのか?

    リーダビリティが高く一気読み出来たが、蓋を開けて見れば空しさだけが残った。

    ラストに向けて意外な真実に驚くも、親の死を待ち望む人達に全く共感出来ぬまま読了。

    • よつばさん
      パソコンからだと分からないけどスマホアプリで見るとナイスして頂いた方が分かりますね♪
      パソコンからだと分からないけどスマホアプリで見るとナイスして頂いた方が分かりますね♪
      2023/02/24
    • ポプラ並木さん
      よつばさん、何度もすみません。

      「スマホアプリで見るとナイスして頂いた方が分かりますね♪」
      =そうなの?
      メール設定で誰からナイス...
      よつばさん、何度もすみません。

      「スマホアプリで見るとナイスして頂いた方が分かりますね♪」
      =そうなの?
      メール設定で誰からナイス来たかわかるという意味かな?
      よつばさんから見て、私にナイスした人分かります?
      あっちのサイトはそれが見えるから、忖度したり、お返ししたりしないといけないのが面倒。こっちの方がその面は平和ですね。
      ナイス外し(気に入らない人のコメントだけナイスをあからさまに外す)とか結構いるので気が滅入ってしまいます。
      2023/02/25
    • よつばさん
      ポプラ並木さん、私はメール通知はオフにしていますが、アプリを開いて「ホームをタップ→右上のベルのマークをタップ」すると通知画面が出て、誰がど...
      ポプラ並木さん、私はメール通知はオフにしていますが、アプリを開いて「ホームをタップ→右上のベルのマークをタップ」すると通知画面が出て、誰がどの作品にいいねをしてくれたかわかりますし、コメント通知も出ます。

      またアプリだと、自分にナイスした人もポプラ並木さんにナイスした人も「ハートをタップ」すればナイス一覧が出るので誰がナイスしてくれているのか分かりますよ。

      あちらのサイトは私もナイスの付け方を毎回悩みます。読友さんにはオールナイスしていますが、読友さん以外は、忖度してます^^;
      あまりにもたくさんコメントが入っている場合のナイスは鬱陶しいかな?って考えて止めたり、気を使いますね。
      2023/02/25
  • あと一時間半で父が死亡し、手元には億単位の遺産が転がり込む。
    てっきり時限式の殺人装置や積極的安楽死が絡んでいるのかと思いきや、『失踪宣告』という制度がカギを握るミステリーだった。
    死亡が認められる直前、本人名義のブログが更新された。
    父は生きているのか、それとも誰かの陰謀か。

  • 行方不明になり、ある年数を過ぎると、死亡扱いにすることができる。それを利用して、子供達は遺産を狙おうとしている。「死亡」になる直前、父親名義のブログがアップされる。果たして、父親は生きているのか?

    表紙の雰囲気から重厚な物語かと思ったのですが、割とあっさりとしていました。大人達の骨肉の争いとブログをメインに描かれているので、そんなに奥行き感はなかったように感じました。2時間サスペンスの家裁調査官〇〇を見ているようでした。

    いつの時代も大金は、人の欲望を惑わせます。その裏の部分の描写は、その人の本性を表しているようで、嫌らしさ抜群でした。

    ちなみにブログの内容は、全文載せていて、あるトリックが仕掛けられています。そのトリックがわかった瞬間、もう一度読んでみたくなると思います。意外に今までなかったトリックだったので、新鮮でした。

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著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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