生のみ生のままで 上

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711882

作品紹介・あらすじ

「私たちは、友達じゃない」

25歳、夏。恋人と出かけたリゾートで、逢衣(あい)は彼の幼なじみと、その彼女・彩夏(さいか)に出逢う。芸能活動をしているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかりだったが、四人で行動するうちに打ち解けてゆく。
東京へ帰った後、逢衣は彩夏と急速に親しくなった。やがて恋人との間に結婚の話が出始めるが、ある日とつぜん彩夏から唇を奪われ、「最初からずっと好きだった」と告白される。

彼女の肌が、吐息が、唇が、舌が、強烈な引力をもって私を誘う――。
綿矢りさ堂々の新境地! 女性同士の鮮烈なる恋愛小説。


【著者プロフィール】
綿矢りさ(わたや・りさ)
1984年京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業。2001年『インストール』で第38回文藝賞を受賞しデビュー。2004年『蹴りたい背中』で第130回芥川賞を受賞。2012年『かわいそうだね?』で第6回大江健三郎賞を受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて綿矢りささんの本を読みました。綿矢りささんは今までスルーしてたんだけど、テレビでこの本の紹介してたのを観たら、どうしても読みたいと思いました。

    好きになっちゃったらどうする事も出来ない。もう止められない。でも、その好きという気持ちだけではどうにもならない事もある。二人の今後がどうなるの?というところで上巻が終わってしまったので、早く下巻を読みたいです。

  • これは素晴らしい小説。

    女性同士の切なくて美しい恋愛小説。
    逢衣と彩夏はとても素敵なカップルでカッコ良い。

    上巻は一気に読んでしまった。


    P147 逢衣と彩夏が愛し合う場面
    ー 生のままの酒を口移しで無理やり飲まされて、気づけば自分から飲み干しにいっているような。

    ー 常識も世間体も意識から鮮やかに取り払い、生のみ抱きしめて、一糸纏わぬ姿で抱き合えば、こんなにも身体が軽いとは。


  • 結婚の雰囲気も出てきている恋人、颯と夏のリゾートホテルに訪れた逢衣はそこで彼の幼馴染とその恋人に出会う。恋人、彩夏は売出し中の芸能人でその属性らしい突飛な態度もあるが魅力的でどんどん親しい間柄となっていく。良い友人が出来たと思っていたある日、彩夏から突然の情熱的な告白を受け戸惑いながらも自分の気持ちを見つめていくうちに彼女に惹かれている事に気付く。この逢衣の心情の変化が丁寧に描かれていてどうしようもなく恋に“落ちる”が響いてくる。でも気持ちに嘘はつけないとあっさり颯を振ったりベッドインしたりと(ここの戸惑いは秀逸だと思う)展開早くないか?とちょっと戸惑う。濃密な二人だけの関係ではいられなくなりそうな事件が起きて下巻へ。暗雲しか立ち込めなさそうだけどどうなる?

  • このテーマでくるか...。序盤は流し読み。彩夏に惹かれていく逢衣の心の揺らぎ、翻弄される男たちのプライド、官能的だがグロくない数々のシーン。転から結へどのように着地するのか。下巻も楽しみ。

  • 決断力のある主人公たちが羨ましい。
    ラスト、このご時世で同性同士で付き合ってることを悪く書くようなマスコミがいたらそちらの方が気分が悪い。
    などと思いながら下巻へ

  • 一目で恋に落ちてしまう.しかも女性同士で.そういうこともあるだろう.情熱的であるはずなのに,どこか遠くから眺めているような淡々とした語り口.ただ相手が芸能人だということで,この恋愛模様が暗礁に乗り上げる.下巻の展開が気になるが冒頭の文章からあまり幸せな結末を予想できない.

  • 事前情報まったくなしに読んだから
    序盤からびっくりした。

    性別がどうとかじゃなくて
    出会った瞬間から、というのが
    未だに想像のつかない世界。

  • 2人の出会いから惹かれ合っていくまでの急展開に圧倒されながら読んだ。
    完全拒否から突然彩夏を受け入れてしまう逢衣の心変わりに、嘘でしょと思いつつ、案外こんなものなのかもと思わされる不思議。
    男2人が不憫だけど良い人すぎてなんだかリアル。
    ストーリー性があって、感情のアップダウンが結構激しくて、続きが気になる。
    下巻も早く読みたい。

  • 結婚しようと思ってた相手がいたのに
    出会ってしまった。
    それも同性。

    世の中のアンチ同性愛の人は
    出会ってないだけなのかもよ。

    もうちょっと二人が恋に落ちるのに
    必然がほしい気もしたけど
    恋ってそんなものかもね。

    同性と恋なんて!やめて!キモイ!
    と言ってた主人公が
    あんなになっちゃうんだもんね。
    (そのへんがちょっと簡単に覆りすぎる感もあったんだけど)

  • 「私たちは、友達じゃない」
    その一文でいろいろ考えてしまった。
    細かくは下巻で。

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著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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