ひゃくはち

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712339

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んで面白かった「店長がバカすぎて」をきっかけに他作品も読みたくなり作者の小説デビュー作である当作品を読んだけど何と非凡なデビュー作♪
    某有名野球校でひたすら甲子園を目指す高校生達の熱くて若くて苦くて濃い喜怒哀楽をともにする仲間たち、と言っても野球いのち の物語ではありませんよ!こんな親友や仲間達が居る高校時代なら と羨ましくなりました。タイトルが除夜の鐘のみならず四苦八苦やらボールの縫い目数やらと蘊蓄情報もあり、しかも108頁で種明かしするとは笑

  • 主人公・青野雅人。
    恋人・佐知子の打ち明け話がきっかけで、封印したはずの苦い記憶がよみがえる。
    神奈川の超名門高校野球部の補欠部員として甲子園を目指し、勉強と練習に明け暮れていた日々。
    8年前、彼に何があったのか…。
    雅人の思い出したくない過去とは───。

    京浜高校野球部員、雅人、ノブ、純平、健太郎らのにぎやかで熱い寮生活。
    「ひゃくはち」とは、ボールの縫い目の数。そして「煩悩」の数でもあり…
    私もそうですが、世間はとかく高校野球には清廉潔白なイメージを抱きがち。
    でも、彼らも普通のイマドキの高校生だったのです。
    合コンもしたい、恋もしたい。(でもさすがにお酒とタバコはマズイ!)

    ノブがしてしまったことは、若気のいたりと片づけるにはあまりに重い。
    それに親友・雅人が悩み抜いて出した結論も…。

    「誰かの身になってあげられる人間の方が野球だけの人生よりよほど価値がある。」
    「胸を張れ」と、励ます父親の懐の深さにぐっとくる。

    再会して、泣き崩れる純平の頭を、
    その小さな手で、”いいこいいこ”をしてくれた好太に涙がこぼれた。
    もしかしたら、誕生できなかった命がここにある。

    あの選択は正しかったのか?
    別の選択は無かったのか?
    何度も何度もそう思い、生きて来たという彼ら。

    でもきっと、それがそのときの精一杯だった。
    その時にできる最良の選択をしたのだ。
    だって、こうして笑顔で話せるようになったのだから。

    夢をあきらめるのは辛い。
    でも、叶わなかったからこその喜びもきっとある。
    それよりずっと素晴らしいことだってあるんだからと、
    好太が教えてくれた。

  • 甲子園のメンバーを告げるミーティングのところなど、とても臨場感があった。160ページから、一気に読ませる文だった。そこに自分もいるようなそんな気がした。さらに、愛や友情を臨場感あふれる筆致で描いている。高校生が酒を飲んだりタバコを吸ったりしていることも隠さず書いている。現実と虚構、しかし、きっと、作者の青春時代が表わされているのだろう。『ひゃくはち』というタイトルも人間の煩悩といわれるだけでなく、ボールの縫い目の数であるとか、108個の願いが込められたボールかもしれない。また、四苦八苦を4×9=36、8×9=72たすと108だ。すなわち、108の苦しみかもしれない。そうかいてあった。P108に。すごい、ページまであっている。とにかく、この小説がどのような意図で書かれたのか知れない。飲酒などの不祥事で出場辞退した高校がいて、それをきっかけに書かれたのかもしれないし、さらに、自分の高校時代を書いたのかもしれない。とにかく、味わい深い本だった。

  • まさに今、甲子園の時期ですね。
    硬球の縫い目は108だと知りました。知らなかった!その「ひゃくはち」か!!
    1990年代の高校球児のお話しです。
    甲子園に出場できる実力を持ったチームです。
    主人公は、ベンチ入りできるかギリギリの選手です。野球の話しより、高校生活がメインかな。

    何かがあって、チームメンバーと連絡を取らなくなってしまった主人公。
    高校時代に実は関係があったのだと、今の彼女から聞かされ全く思い出せない主人公。
    何があったのか、彼女の事を思いだせるのか、チームメイトとの、彼女とのわだかまりを解く事はできるのか??

    お父さんには泣かされたなぁ。

  • 甲子園を目指し、出場も果たす高校野球部員達のイメージは、TVの選手インタビューでの優等生的発言等から野球一筋に打ち込む清廉な若者だけど、青野雅人他舞台の京浜高校野球部員達は、タバコは吸うわ、合コンやって酒飲んでホテル行くわ。考えてみりゃ最も血気盛んな年頃の彼らなんだから、この位アリなんでしょう。雅人が、無意識の内にも"野球だけの人間にならず、仲間の身になってやれる人間になれ"という父親の言葉に沿った言動をしていく展開は爽快。

  • 間違いなく名作。
    過去と現在の展開の組合せが見事
    ほんとにすげー!て思う作品にしか五つ星つけるつもりなかったけど
    これは五つ星。
    これって実話じゃないの?
    空想でこんな話書けるの?て感じ

    みんな、かっちょいいなー…

  • これが現実。
    有名校だからって下手くそな奴はいるし、
    タバコとか、酒とかやる奴もいる。

    チームのために自分は犠牲になってもって言う奴もいるけど、そんなの嘘に決まってる。
    試合には出たいし、同じポジションの奴が怪我をすれば嬉しいに決まってる。
    スタンドで応援してる時だって、ほとんどの奴が自分が出ていない世代なんて早く負けろって思ってる。

    そんな控え選手の本音を正直に書いている小説。

    ほとんどの小説やドラマ、アニメなんかはレギュラーメンバーのことを感動的に創り上げる。
    でも実際高校球児のほとんどはベンチ・スタンドで高校野球を終えるんですよね。

    高校野球は決して感動を与えるだけの綺麗なものじゃない。色々考えさせられる作品です。

  • 「高校野球の話」と言うことを、かなり前に新聞広告で知って、
    読む機会がないまま、映画を先に観ました。
    映画がむちゃくちゃ良かったので、原作もやっぱり読まなくちゃと思って読んだ本。

    ストーリーは映画とは全然違ったけど、これまたいいお話でした。
    NHKでやってる野球アニメのように、都合よく物語りは進まないし、
    キレイゴトばかりではないし、簡単にベンチに入れたりしない。
    それが本物なんだなぁと。

    息子が野球をやってるので、数年後を想像しながら読みました。

  • 高校野球の強豪校の話。 ちなみに主人公はエースではなく、ベンチ入り狙い。

    このお話は
    単に青春真っ盛りな眩しいお話なわけではく、
    等身大で生命力があって、
    きちんと今とも繋がっているお話でした。



    人の煩悩の数はひゃくはちある。
    らしい。そして…
    だからひゃくはち。



    野球も人も、ありありと描かれていて面白かった!


  • 高校生っていうのは、本当に不自由だ。

    してはいけないとされることを、できるような能力を備えてしまうから。

    その、してはいけないとされることは、だれが決めたのか。

    その相手に、抵抗をすることができる力、考え方、生き方を見つけるのは

    高校時代なのかもしれない。

    そんな風に思った。

    • SSSさん
      はじめまして。^^

      してはいけないとされることを、できるような能力を備えてしまうから。

      →表現に共感して思わずコメントしてしまい...
      はじめまして。^^

      してはいけないとされることを、できるような能力を備えてしまうから。

      →表現に共感して思わずコメントしてしまいました。^^

      2011/06/13
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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。2016~2022年に愛媛県松山市で執筆活動に取り組む。現在は東京都在住。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA馬事文化賞を受賞。その他の著作に『95』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』などがある。

「2023年 『かなしきデブ猫ちゃん兵庫編  マルのはじまりの鐘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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