鈍色幻視行

著者 :
  • 集英社
3.38
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本棚登録 : 2570
感想 : 229
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  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714302

感想・レビュー・書評

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  • この長さを楽しめるようになったか、と自分を顧みました。物語はどちらかといえば退屈で、謎の核心に触れるまでとそれからに冗長がないとは言えないけれど、さながら作中は船旅であって取りも直さず何も起きない(事件めいたことは)のが心地よかった。とはいえ登場人物には魅力があり、日常では解決し得ないことがするすると解けていくのは共感というか、よかったなあと感慨。ネタバレ喰らったのは自分が読む順番間違えたからかと自戒。楽しめた。

  • 謎が全てスッキリ!が好みなので、モヤモヤしたものは残りますが、恩田陸らしいなという感想に尽きます。

  • やっぱり恩田陸の長編はおもしろい!
    興味をそそられる設定作りが素晴らしい。
    すべて癖がある人だらけの、真実はわからない謎解きのような。
    前半はグループトーク、後半はインタビュー形式になり、聞き上手ってセラピスト的なところもあるんだなーと思った。
    もちろん「夜果つるところ」も読みたくなり、でもそのあとにもう一度こちらを読みたくなった。

  • 『夜果つるところ』という本を書いた飯合梓は死んだと言われているが、はっきりしていない。映画化は二回試みられているものの、二回とも事故などの不幸な事件でお蔵入りとなっている。
    そんな中、映画や原作などに関わっている人物が豪華客船に乗り、閉鎖空間となった船の中で作品と作者の真実(事実)に迫って行く…。
    平板な展開で、恩田陸好きな人向けです。まー、話に抑揚のないことこの上ない。あのエピソードは回収されたの?みたいのがあったり、653ページも読んだのに結局なんなんだー。まあ、その辺の話の回収満足度は人によるかな。それでも恩田陸を読んでしまうのは少し村上春樹に似ているのかも。娘的にはこれと「不確かな壁」のイメージはそっくりらしい。私は全く違う気がするのだけど。結局のところ、私は恩田陸の綴る文章が好きなんだろうな、と思ってます。
    「夜果つるところ」を読んでないので、読む順番間違えた?と思った。でも出版日はこれが先。どっちが先が良いのかは読まないとわかんないな。
    中学校からかなー。リクエストなければ、高校以上で良いかと。性的描写は少なめ(ほぼなし)です。

  • 他の方の評価があまり高くないようなのですが、私はかなり好きだし面白いと思った作品でした。

    この作品はミステリとかではなくて、群像劇、と捉えて読んだのですがそこらへんの期待値の違いなのでしょうか?

    分厚くて読むのは凄く大変だったのだけど、登場人物の気持ちの移り変わりやキャラがはっきり出ていて、ところどころ刺さる考え方がでてきたのもツボでした。

    1人の謎多き女と彼女をめぐる関係者の考察。重要なのは彼女が誰、ということではなくその過程で関係者が何かを見つけて前に進むこと。そんな物語りでひた。

    雅春が気持ちの良い男すぎたかなぁ。
    真実より事実を見つめる姿勢も好きだった。でも最後には自分なりの真実を見つけて気持ちに整理つけるところも良かった。

    2024.3.19
    46

  • 雰囲気はあって、読ませはするがそれ以上ではない。

  • 「夜果つるところ」と合わせて購入。
    てっきり豪華客船で連続殺人が起きるものだとばかり思ってたら全く殺人は起こらず。
    正直最後までたら〜っと進んで終わった感じ。
    なんというか、大人な小説だなぁといった印象。

    現在「夜果つるところ」を読んでる最中。
    お子ちゃまな私はなかなか読み進めるのがしんどいところ。読み終わったら、こっちの印象もまた変わるのかな?

  • 今までで一番長いページ数でした。登場人物も世界観も魅力的で素敵です。恩田陸先生のミステリーの中で一番好きかもしれません。読むのに3日かかりましたが、読んでいて苦を感じませんでした。作中作の本も、こんな感じでスラスラ読めるといいな。

  •  真夏の夜に読むにはとてもよい作品。

    自分自身も豪華客席に乗っている感覚を味わえました。

     

  • 物語の航海にでて満喫しました。

    各エピソードがよく、厚さ気にならずイッキ読みできました。もっと物語に浸りたかった〜

    「夜果つるところ」が気になり
    読書家なら読んでみたいと思ったら発売すると…さっそく購入しました。また物語に浸れます。

    ぜひ〜

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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