- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087715255
作品紹介・あらすじ
ミラノ、ローマ、海辺の僻村、山間の寒村。イタリア在住30年の著者が出会った、人々の生き様と思い。2011年、日本エッセイスト・クラブ賞、講談社エッセイ賞同時受賞の著者が綴る珠玉のエッセイ。
感想・レビュー・書評
-
内田洋子さんが綴ったものをはじめて読む。しんと静かで、ゆっくり心穏やかにページをめくった。どんよりとした曇りの日が似合うなと思う。ここ数日で一気に冷え込んできた今の季節にしっくりときた。ドラマチックな出来事のはずのものもしんと落ち着いた空気感が常に漂っていて、ほっとする一方、なぜか絶望的に哀しくなる。これが人生なのかしら。静かに喜怒哀楽を内省させていくようなそんな感じ。シンプルにいうと、ものすごく好きだということ。イタリアのそれぞれの場所に私も居合わせたような気分になる。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小説の様に綴られる人生の一コマ。他人の人生はかくも興味深い。
-
170517読了
-
2018年6月17日読了
-
ステレオタイプのイタリア人を想像したら全く違う世界。彼女の描くイタリアは深かったり重かったり。
自分が自分がの作家さんではないけれど、多くのエピソードを通じて彼女の人柄が見えてくる。
大好きなイタリアを、今後もぶれない視点で書き続けて欲しい。 -
家の中や、その土地の気候の描写が詳細で、面白い。イタリアはヨーロッパのなかでも、女性の立場が日本人と似ているのだろうか?と少し思った。
-
この世とは思えないほど美しく、人々は陽気で明るい地上の楽園。私にとってのイタリアのイメージはそんなものだった。
しかし、この小説のようなエッセイのような本を読み、そのイメージは一転した。
閉鎖的な階級社会、移民問題、「イタリア」というひとつの国としてまとまっていない国民。
傍目から見れば幸せそのものにしか見えない弁護士の妻は、夫の前でもハイヒールを脱げない。地位に縛られて、家族を失ったキャリアウーマン。
イタリアの影が垣間見えるけれど、この本を読んで、イタリアに行きたいという欲がより強く深まった。 -
イタリアに長く住む中で出会った人々についてつづっている著者のエッセイは、出るたびに楽しみに読んでいる。この本も、さまざまな人々の人生が描かれていて、堪能した。
-
安定の内田洋子作品。
-
図書館。
抜群の安定感なのだけど、「ジーナの家」のときの
感激は得られず。続けて読みすぎたせいかな。。