- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087728828
感想・レビュー・書評
-
どこか地に足がついてない女の子。鯛の鯛。引き込まれました。この作品からずっと大島さんのファンです。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江國香織さんの作品に通じる感じ。
-
初期の頃の大島作品を堪能。
和製ジム・ジャームッシュ。 -
地上11階のマンションに、祖母と母と弟と暮らす雛子。
彼女の倦んだ生活と家族の軋みのようなものを描いた物語なのだけど、なんというか、全体に退屈。回りくどい表現や、やけに抽象的な内容が好みじゃなかった。
やたらに頻出するカタカナの雛子の心の叫び、みたいなものも鼻につく。繊細な心の動きを書こう書こうと空回りしてしまっているような印象を受けた。
大島真寿美の物語はてらいのない文体のほうが好きだなぁ。 -
とんでもないデビュー作。
-
萩乃に対する雛子の気持ちがすっごくわかっちゃって…うー。
-
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408772882X/yorimichikan-22" target="_blank"><img src="http://images.amazon.com/images/P/408772882X.09._SCMZZZZZZZ_.jpg" class="booklog-imgsrc" style="border:0px; width:100px"></a>
<br clear="left">
<b>文學界新人賞受賞ですっきりデビュー。
大島真寿美心からのファースト!
冬。
しずかに進む萩乃おばあちゃんの死。
夏。
ゆっくり溶けはじめる波貴くんの心の氷。
16歳の<ruby>雛子<rp>(</rp><rt>ひなこ</rt><rp>)</rp></ruby>が凝視する二つの生は、
もう一つ先のファンタジー。</b> (帯より)
表題作のほか『空気』
けれどこの二作は、ふたつでひとつなのだろう。分かち難く、なくてはならない。
ある冬の日、雪がひどく降りだし、学校が早く終わった雛子は いつもの通り一刻も早く眠ろうと真っ直ぐに家に帰った。そしてそこで出会ったのは、いつもの通りのおばあちゃん・萩乃の通信不能になった姿だった。
雛子の家はマンションの11階・1105室。宙に浮かぶ家である。
ここに引っ越してきたのは雛子が幼稚園のとき。おじいちゃんが亡くなり、おばあちゃんを引き取ることになり、母のお腹には弟の真人がいるというときだった。そして今、父は九州に単身赴任している。
『宙の家』では萩乃の、『空気』では真人の友だちの郁丸くんの兄・波貴くんの そして雛子自身の生について考えさせられることになる。
誰もはっきりと答えを与えてはくれないが、きっと人は自分で自分の生を抱えて生きるしかないからなのだろう。どんなに近しい人でも、その生を抱えることはできないのだ。たとえ僅かながらでもふれあうことができたとしても。