喜びの秘密

  • 集英社
3.73
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本棚登録 : 37
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087732283

感想・レビュー・書評

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  • アフリカの慣習、FGM(女性器切除)の問題を取り上げた作品。それは尊ぶべき伝統か? 悪しき因習か?

    自らもアフリカン・アメリカンである作者の主張は重い。
    本書の主人公タシは、アリス・ウォーカーの「カラー・パープル」にも登場している。それだけ、作者にとって、この問題は重いのだろう。

    無関係と一笑に付すことができるのか? 私たちは伝統の名のもとに何を切除されているのか? それは因習なのか、文化なのか? 常に自分に対して能動的に問いかけねばならないと思わせてくれる。必読書だ。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001200750

  • 3.69/31
    内容(「MARC」データベースより)
    『殺人罪で死刑執行を待つ身のタシ。殺人の動機の謎とともに、「性器切除」という、伝統の名のもとに秘密の内に行われてきた現実を明らかにする。登場人物の独白によるストーリー展開。』

    原書名:『Possessing the Secret of Joy』
    著者:アリス・ウォーカー(Alice Walker)
    訳者:柳沢 由実子
    出版社 ‏: ‎集英社
    単行本 ‏: ‎349ページ

  • アフリカにこのような文化(習慣)があると知らない人は、読んでかなりの衝撃を受けてしまうと思います。

    私も、とても衝撃を受けました。

    読んで楽しい本ではない。
    具合が悪くなるかもしれない。

    でも、こういうことがあるっていうのを知るのは大切だと思う。
    そして、なぜなくならないのか、なぜ彼らはこの習慣を大切にするのか、など、とても考えさせられます。

  • アフリカで今も行われている、女性へのある儀式の問題を鋭く批判した物語。
    宗教習慣というカタチをとった、女性虐待であると。その儀式を施された女性は、女性としてのありとあらゆる幸せが、苦痛に変わる。このようなものが習慣といって許されるわけがない―――。
    この物語は、アメリカで生まれた黒人女性が白人社会の中で自らのアイデンティティの確立するため、アフリカに渡ってこの儀式を受けたことから始まる恐怖と苦痛の物語です。
    面白いのでオススメするのではなく、知って欲しい、と思います。私は、この本を読むまで、知らなかった。カナリの衝撃でした。
    注目すべきはアフリカの女性はこの儀式を施すことを誇りに思っているということ。想像するだけで気分悪くなるのに!ずっと白人に虐げられてきた黒人の女性にとっては、この儀式はアフリカだけの他の種族に唯一対抗できる文化なのだと誇りにしているのです。この問題にはとてつもなく様々な問題が絡み合っています。
    知って欲しい。この恐ろしい物語は本当のことなのです。今もアフリカでは少女の笑い声が、悲鳴に変わっているのです。

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