はるがいったら

著者 :
  • 集英社
3.63
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本棚登録 : 512
感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087747928

作品紹介・あらすじ

気が付けば他人のファッションチェックまでしている、完璧主義者の姉。何事も、そつなくこなすが熱くなれない「いい子」な弟。二人の間に横たわるのは、介護され何とか生きる老いぼれ犬。どこかが行き過ぎで、何かが足りない姉弟の物語。第18回小説すばる新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • いろんな人がいた。
    どんな人も葛藤しながらもがきながら
    毎日を生きてる。
    結局自分の行動は自分にしか選択できないし
    その時々に覚悟を持っていれば
    どんな選択をしても間違いじゃないのかもしれない。
    ハル、幸せな犬生だったかな。
    必ずくる別れは避けられないから
    私も今のうちに覚悟を決めとこう。
    園のバイバイ、かっこよかった。

  • 園と行。
    キラキラネームじゃないけど魅力的な名前の姉弟が主人公だ。
    園のブレない強さ。他人からどう思われようと自分を持っていることに憧れる。行のキャパが大きく、自分の意見をしっかり模索しようと姿もかっこいい。
    老犬となったハルの介護に2人共が関わることになり、ハルは幸せだなあと思う。

  • すごい細かい心理描写と情景描写

    これデビュー作なの?!
    多分、これは実際に筆者が経験したことなのだろうなぁと何となく思った
    そうでないと書けない緻密さだった

  • のんびりとした文体だけれど、色々抱えている主人公たち。壮絶でドラマチックな感じがないのが良かった。

    ハルが亡くなって、何となく一区切りついていく感じがよかった。

  • この人は、イヤな女を描くのが上手い。
    しかも、イヤなだけじゃない。
    共感できる、イヤな女。
    実際、そんな女は山ほどいる。
    見方によって、変わるだけだ。
    誰からも嫌われてても、友達は必ずいて、その人からは好かれている。
    わたしは、多分見た目は園っぽい。
    考え方は、行っぽい。
    スタイル良くて可愛くて、仕事もできて完璧に見えても、幸せな恋愛には恵まれない。
    登場人物どれも、共感できる。

  • いろいろ考えちゃうけど、おもしろかった。

  • 2016.5.16
    なんに対しても受け入れられる弟行と、完璧主義の姉園。登場人物もシーンも限られていたけれど、それぞれのキャラがわかりやすく描かれていて読みやすかった。わかるところがあったり、なんとなくほっこり読めた、そんな印象。

  • 再読です。

    以前読んだときは、あまり引っかからないお話だと思ったけれど、今回読んだら面白かった。
    みんな、何となくだけど、わかる部分がある。
    隣人の小川くんが、ちょっと謎だけど(笑)

  • 気が付けば他人のファッションチェックまでしている、完璧主義者の姉。
    何事も、そつなくこなすが熱くなれない「いい子」な弟。
    二人の間に横たわるのは、介護され何とか生きる老いぼれ犬。
    どこかが行き過ぎで、何かが足りない姉弟の物語。
    (アマゾンより引用)

    姉弟は嫌いじゃない。気持ちは何だか分かる。
    一番嫌いなのは、幼馴染の男だな(´゚ω゚)
    周りには少し見方を変えたら、きっと良い人ばっかりなんだろうと、そう思う。
    この現実世界でも

  • 子供の頃、両親が離婚して離れて暮らしている園と行。
    気が付けば、他人のファッションチェックまでしている。
    完璧主義で自分にも他人にも厳しい姉・園
    何でも、そんなもんかって受け入れちゃう
    凄く悩んだりとか、逆に熱くなれない「良い子」な弟・行
    どこかが行き過ぎて、何かが足りない姉弟の物語…。


    姉・園と弟・行の視点で交互に展開し物語は進んでいく。
    自分が欠点だと思ってても相手からは長所として映ってたりする。
    全く違う様な姉と弟だけど、しっかり認め合ってる。
    園は何事にも完璧であろうとしていて、
    デパートの受付嬢で幼馴染の恭司と不毛の恋をしてる。
    行は父の再婚相手とその連れ子と暮らしながら
    子供の頃拾った老犬ハルの介護をしている。
    行が入院し、園がハルの介護を引き受けてから
    少しずつ二人に変化が訪れた…。

    真逆のキャラの義兄・忍と行の病院の屋上での会話良かったなぁ。
    屋上と言えば、同室で先生の宮本さんとの会話も良かった。
    「皆高い所に昇ると馬鹿になるんじゃないの
    そんで、人生とか愛とか語ってみちゃう
    下界では恥ずかしいって思ってるのに上に上がると思わなくなる」
    そ~なのかなぁ(笑)

    ハルの介護の様子や、ハルが逝った時やはり涙が溢れました。
    ハルとのお別れの時、園が行に言った言葉…。
    やっぱり、お姉ちゃんだなぁ。

    大きな出来事や特別劇的な事などないけれど、
    登場人物も何処かにいそうな人達ばかり
    そして、淡々と描いているかの様なのに、
    それなのに、こんなに気持ちが入り込むのはどうしてだろう?
    穏やかに、繊細に訴えてくるものがあります。
    この本に流れる空気感!?雰囲気がとっても良い
    大好きです。
    ほんわり心が温かくなりました。

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著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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