女がそんなことで喜ぶと思うなよ ~愚男愚女愛憎世間今昔絵巻

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087880113

作品紹介・あらすじ

ウェブサイト「よみタイ」で人気急上昇の辛口コラム集。
元AV女優で東大大学院卒、日経新聞記者であった著者独特の視点で、いつまでも夢見がちなクソ男といくつになっても迷い続けるアバズレ女たちの攻防をシチュエーションで区切って論評する。

●人の幸福度ってセックスしてくれる人の数じゃなくてセックスしないで一晩一緒にいてくれる人の数で決まる
●東大卒の官僚だろうとAV事務所の社長だろうと地方の首長だろうと、クソみたいな男が沢山いるということはだいぶ明るみに出る世の中になった。 さて次は、クソみたいな女が沢山いる、ということも臆面なく指摘できる世の中にしていかなければフェアじゃない。次に吊し上げられるのは私たちクソ女♡
●男だからって金払ったりドア開けたりしなくてもいいよ?そのかわりそういう男には女だからしてあげられることはしてあげない。手料理とかフェラチオとか…など掲載

社会学者、タレント。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業、東京大学大学院学際情報学府の修士課程を修了。大学・大学院時代にAVに出演。2009年から日本経済新聞社勤務、2014年自主退職。著書に『AV女優の社会学』『身体を売ったらサヨウナラ』『愛と子宮に花束を』『おじさんメモリアル』『オンナの値段』など。連載にブロス、SPA!!、GG、文春オンライン、ELLEonline、cakesなど多数

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらずの鈴木涼美さんも36歳。独身のままアラフォーに片足を突っ込んだゆえか、これまでとは打って変わって自虐的なコメントも多くてなんだか驚き、新鮮だった。
    まわりくどい翻訳小説のような言い回しが目立つが、それでも学歴経歴に裏打ちされた切れ味鋭い文章は読んでいてスカッとする。
    まったく関係ないところに自撮りがわんさか載せられてるのもイタイの分かってやってるようで逆に清々しい。
    私がそうして鈴木涼美さんに憧れてやまないのは、いくら老いを嘆いて自虐的なことを書いていようが、彼女はきっとこれっぽっちも悲観していないからだ。若さの恩恵も散々受けてきて、第一線を退いたオトナの余裕をびんびんに感じる。女友達と悪態をついている時間が楽しそう。いいな。

    「群を抜いて売れているキャバクラ嬢にあるのは器量でも愛嬌でもなく、その尻込みのなさ、言わば圧倒的な罪悪感の欠如で、相手の都合を一切考えずに極限まで自分を惚れさせることはそれだけで飯が食えるほど高度な技術なのだ。」

    「おしゃべりの話題の大体は男の話だし、仕事しようという原動力も大体は男なんだけど、男には特に感謝はしていないので、愛と憎しみを込めて、この本を捧げます。」

  • 学生(らいすた)ミニコメント
    現代男女世相論

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1323408

  • "やっぱり男は若い女が好き、とか、高度に教育を受けた女よりはバカな女がモテる等々、偏ってない?と思った。が、読み進めていくうちに、面白く、納得させられる文章に魅かれた。
    そもそもそういった方々に縁なく、女心とは複雑難解であるため、少しでも理解につながるような、女性の内面を言葉にしてくれた本は有難い。
    偏屈だったり、アンビバレントだったり、昨日と今日の言葉が真逆だったり、いきなり不機嫌だったりと、これまで匙を投げてきた言動も、魅力的だ、奥深い、ととらえられる男がいいな、きっと。"

  • 彼女のコラムは毎度読まさせて頂いて、なるほどなって思うことも多くて大変参考になりますが、そういうコラムをまとめたもの。本当は最新版を買いたかったのだけど、生憎Kindleで手に入らなかった。ということで、ひとつ前の作品。ただ、文字の種類や大きさを編集に活用しているせいか、これイメージファイルらしくて、Kindleでは字が小さすぎて読めない。というわけで、珍しくiPadで読みました。電車の中とかで読むのは、ちょっと辛い。
    何となくステレオタイプで、全然自分は違うけどな・・・とか思うところも多いけど、やっぱりこういう傾向はあるんだろうな、そう思っていると理解できるなっていうところがあって、思わずノートしてしまいました。
    ・男が年を重ねるごとに何かしらを得ているのだとしたら、女は30歳の誕生日に持っているものの9割くらいを毟り取られ、その後は年を重ねるたびに残った1割をさらに数パーセントずつ剥ぎ取られているような気分で生きている
    ・男はどこの国のどの時代に生まれようとも、自分を高めてくれる女と自分を超えようとしない女を両方抱かずにはいられないのか
    ・モテる女というのはモテようとしている女のことだと、男が好きになる女というのはその男の好きを許容する女のことだと、女なら誰でもしっている
    ・女が稼ぐモデルや概念は許容できても、ヒモ体質の男を愛せるか、稼ぐ力のない男に魅力を感じ続けられるか、というとまた別である
    ・「男は別名で保存」、女は「上書き保存」という今ではお馴染みのよくできた男女の法則はあった・・・男は平気で女を怒らせるわりには。自分に好意を持っている女に嫌われる勇気がない奴が多い。モトカノや前妻に冷たくする罪悪感に耐えられないのは、優しいからではなく、単に嫌われたくないからだ。・・・君たちが嫌われないように努力すべきなのはイマカノに対してであって、過去にちゃんと冷たくして過去にちゃんと嫌われるという行動ができないと、女の中では自分の名前のファイルは綺麗に上書き、もしくは意思を持って削除されていくだけですよということです。
    ・「大事なのは君の意思だから」といわれるのであれば、その男に存在意義はない
    ・女は自分の男の成功を自分の成功と見紛う能力があるからだ。自分のオンナの成功を自分の喜びと思えない男。自分のオトコの成功を完全に自分の成功と思い込む女

  • 皮肉で面白かった。
    峰なゆかさんのイラストも好き。
    インドのナプキン作った人の映画見てみようかな

  • 一言で表すと「脳内垂れ流し」。でもそんな心の中身をさらけ出しているように見せかけて実はそれも読者を意識した表層かもしれない。そんな本です。

  • 2019年出版時の時事に重ね合わせて著者がパワハラ、セクハラ、不倫、様々な男女の問題について書いたエッセイ。
    鈴木涼美節と言われている著者のキレキレな文章で、今昔の歌や流行った文句をトンチのように折り込みながら最近話題になった事象についてツラツラ書く。各章結構長く、峰なゆかの漫画を間間に挟むからかKindleなのに文字表示されずとにかく読みにくいが、ズームインアウトなんて気にならない程とにかくおもしろい。話がおもしろくて話題が多い大好きな女の先輩があれやこれやについて上手い表現使いながら軽やかにだらだら話しているのをお酒を飲みながら聞いてゲラゲラ笑う二次会、そんなエッセイ。
    もはや中身なんて無いのかもしれないし、中身なんて求めてないから、この本終わらなければいいのに…と思ってしまうくだらない名書。

  • 途中まで

  • 別記

  • 「少なくとも選択の余地なく前に現れる一本道を頑張ってると、出世やお金だけでなく恋愛市場における価値やら父親としての威厳やら世間的な敬意やらいろんなものがいっぺんに付いてくる男に、そのどれかに集中するとそのどれかを自ずと失っている女の選択の困難さはイマイチよくわかんないと思う。」

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著者プロフィール

鈴木涼美

作家。1983年東京都生まれ。慶應大環境情報学部在学中にAVデビュー。その後はキャバクラなどに勤務しながら東大大学院社会情報学修士課程修了。修士論文は後に『「AV女優」の社会学』として書籍化。日本経済新聞社記者を経てフリーの文筆業に。書評・映画評から恋愛エッセイまで幅広く執筆。著書に『身体を売ったらサヨウナラ』『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』『ニッポンのおじさん』『JJとその時代』、『往復書簡 限界から始まる』(上野千鶴子氏との共著)など。

「2022年 『娼婦の本棚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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