- Amazon.co.jp ・マンガ (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087920048
感想・レビュー・書評
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つらい。読むだけでもこんなにつらいのに、よく3年近くこの作品を描き続けられたなと思う。
大切な人との別れ。それに後悔はつきものなんだろう。大切な人であればあるほどに。
読んでて、途中まで「なんでもっと…」って思ってしまったけど、考えてみれば自分だって大好きな祖父の闘病中、時間があるのにお見舞いに行かなかったりしたのを思い出した。側にいたいけど、側にいるとつらくなる。自分なりの逃げがないとやってられなかった。人間、つらいことばかりに向き合ってはいられないもの。
ひたすら描くことを教えた日高先生。描くことが生きることになった東村先生。生き方を教えてくれた日高先生が、どれだけかけがえのない人か伝わってくる。強い強い想いがなきゃ、こんな作品は描けない。
今、ジャージ姿で毎月大量の漫画を描きながら、アシスタントさんに指示したり教えたりしている東村先生は、まるで日高先生と同じことをやっているようで微笑ましい。 -
泣いた。
東村アキコの人生のかくかくしかじか。 -
1巻から4巻を京都の漫画ミュージアムで読み、
最終巻の5巻を購入し読むという
変則的な読み方しました。
こちら漫画大賞2015の作品なんですけども、
非常に良作。
東村アキコが漫画家になるまでの
自伝漫画なんですが、
つくづく真実は小説より奇なりなんだなと。
感動に笑いにリアルさに全てが詰め込まれた作品です。
自伝だからこそ
どうして彼女がこういう行動をとったのか、言動をしたのか、悩んだのか、非常に共感しました。 -
201503/物語として装飾してる部分はあるにせよ、描かれた以上に悔やんでたり思いが残ってたりするんだろうな。美大とかの経験がなくても、あの頃、目を背けた何かがある人には刺さる作品。
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5巻読むまでは思い出しもしなかった……私も20代の頃、同じような経験してた。第二の父とも慕っていた方が、ガンで余命短いことを知らされ、少しずつ体力をなくされて入院された後、お見舞いに行けなかった。親しい方の死に向き合って、見送りにいけるほど、私は覚悟ができなかったから。でも、今にして思えば、なんでお別れをしに行かなかったのかと、20代の私に小一時間問い詰めたい。そんな昔の自分を、まさか「かくかくしかじか」最終巻で思い出すことになろうとは……あぁ、ごめんなさい、すべてわかった上で逝ってしまわれたであろうSさんに合掌。
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涙が出た。
鼻の奥がツーンとして痛くなるタイプの泣き方をした。
図書館で背表紙を見た時は面白くなさそうだな、と思っていたが開いてみるとブルーピリオドに近い雰囲気を感じて一気読み。
絵を描く人ってみんなそうなのかなあ
しんどくても描けるように、指導してくれていたんですね。
自分も絵を描くのに、陶芸も料理もやるのに、なんであそこまで他人のために自分の時間も体力も向けるのか。
先生がそこまで尽くすのはどうしてなのか、先生の幼少期とか、普段何を考えて何を感じていたかを見てみたかった。 -
予感はしていたけど
すごい先生だね -
大好きです。
私も美術大学卒の端くれで(全然レベル違うけど)、
そこはかとなく共感しながら読んでいました。
東村アキコ先生の自叙的エッセイ漫画なので、
アキコ先生のだらしなさやどうしようもなさや、
不甲斐なさややるせなさが全面に出ていますが、
その中でのどうしようもない焦燥感や苛立ちを
真面目なシーンとギャグ要素満載のタッチとが
上手く合わさり読み心地良く読み応え抜群です。
ただひたすらに、美術、絵画道を突っ走る、
厳しい絵画教室の先生、日高先生と、
少女漫画家を夢見る林明子(東村アキコ)との
高校時代、大学時代、そして社会人になってから、
かけがえのないあの頃の物語。とにかく泣きます。
時が流れ環境が変わっても変わらない先生の信念。
本当に読んで欲しい。同世代には読んで欲しい。
ひたむきでまっすぐな先生のただひとつの教えは、
今もアキコ先生に強く根付いてると思わされます。