幽★遊★白書 19 (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088715254

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
    幽助の提案で、魔界の覇権を賭けた戦い、魔界統一トーナメントが開催した。雷禅の旧友達の参加で、大会は誰が勝つかわからず混迷する。大会の後、人間界に戻った幽助達はそれぞれの道に…!?

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

    子どもの頃から何度も読んでますが、やっぱり面白い!戸愚呂が出てきた辺りからテイストが一気に大人向けになるのは何故なんでしょうね。冨樫先生の心境の変化?私は後半の雰囲気の方が好きなので別にいいですが。「今のお前に足りないものがある 危機感だ おまえもしかしてまだ 自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?」の台詞は、大人になった今でも自分を奮い立たせるときに頭の中で唱えます。
    個人的には、最終巻の飛影と軀の話が少年誌とは思えないほど狂ってて好きです。寄生植物と一体化した汚いおっさんをプレゼントするとか、、、

  • 久しぶりに読み返したら「この終わらせ方しかない」とさえ思えるようになりました。
    尻切れどころか、「ちゃんと着地させてる」という気がしたのです。
    たとえば、「バトルの途中で大声で叫んでそのまま終わり」とかそういう終わらせ方じゃないのです。
    どのキャラも落ち着くべきところにちゃんと落ち着かせて、その上で終わっている。
    世界設定の説明も最低限のことは果たしているし、
    「霊界探偵をやらなくなる意味」もちゃんとある。

    幽助が「ただのケンカやろーぜ」といい始めて、その後ろにみんながのこのこついてきちゃった時点で、
    キャラが「これ以上動けねえよ」って言い出したんじゃないかという気がしてくるのです。
    あとはどれだけバトルをやっても、みんなさわやかな顔で殴り合ってるだけだから、葛藤がうまれようがない。
    お話が動いてくれない。

    つまりこれ、「作者が体力の限界が来て投げ出して、終わらせた」という理由は確かに正しいのだけれど、
    同時に、「キャラの言うことに作者が正直にしたがった」という部分も確実にあるような気がするのです。
    そしてそれは、「締め切り間際に失踪した」とかそういう種類の投げ出し方とはぜんぜん別じゃないか、
    ものすごく誠実な終わらせ方をしてるんじゃないかと思うのです。
    「少年ジャンプのバトル漫画」という見方をしたら変な終わり方かもしれないけれど、
    「幽遊白書という作品」としては、ものすごくきちんと終わらせてるんじゃないかと思うのです。

  •  理想の少女像としてのヒロインに出逢えた、思い出深い作品。
     この手の『幼なじみの恋愛相手』という設定は、特に少年漫画の主役格に使われることが多い気がする。
     創り手にとっては主人公のそばに女の子を置くための一番手頃な口実とも言えるし、実際問題、幼少期にそうまで親しく異性と関われるのか、その対象に恋愛感情なるものは生まれ得るのかはよく判らないが。
     ただ、異性に対する構えや取り繕いをさほど意識しない時分に出会って時を過ごした相手には気安さや安心感があるだろうし、友愛や親愛の情が基礎となって生まれる恋情は厚みのある感情の層として描けるのかもしれない。
     個人的にはとにもかくにも螢子ちゃんが好きで、リアルタイムで追っていた当時、ずっと彼女の視点に重ねて見続けていた。
     ここまで思い入れることのできたヒロインは、今もっていないかもしれない。
     可憐でも甘ったるくない。
     少女らしく健気だけど、盲目に媚びる従順さとは違う。
     世間の価値観で人を計らず、自らの判断で接する健全なまなざしを持つ。
     芯の通った自我を保つ反面、他人に感情を押し付けない。
     相手を変えさせないまま、進みも控えもできる柔軟さ。
     彼女の強さは、俗世離れせず現実の中で懸命に生きていくためのものなのだろう。
     ストレートで潔癖で、気丈で素朴。
     その凛々しさは今も尚憧れて止まない、本当に素晴らしい女の子。
     尤も、至上である原作でも後半は極端に顔見せが減るし、物語の進行に対する位置付けも軽くなり、ヤキモキしていた覚えもある。
     けれど、あの子の本質は言動や姿勢に既に自ずと滲み出ており、未登場の部分にすら意味を窺うようになってからは、露出度に関わりなく彼女の魅力は損なわれるものではないのだと気付けたのも事実。

     そして、物語全体への評価は実は難しい。
     バトルやスポーツ等の戦い競う場面が中心となる少年漫画ではしばしば、『強さとは何か』『何のために戦うのか』という命題が挙げられる。
     それなりに結論めいたことが出されても、今一つ説得力に欠け広範的に一般化できるものが中々見当たらないのは、やはりテーマとしては難解なためか。
     この作品でも、武術会編の幽助と戸愚呂(と幻海)の問答で進む話の核心が、当時も現在もよく解からない。
     純粋に戦闘能力の高さと、周囲の支えや助けを含めた精神力、あるいは利他的な感情や選択に基づく人格や誇りといった諸々が、一緒くたに扱われている所為でもあるのだろう。
     続く魔界の扉編での『人間は存続するに値するか否か』の問いも、幽助の二度目の死と魔族化によって、焦点が次章にスライドし有耶無耶にされた感が否めない。
     (問題提示に留め、敵方の先行きに触れることで一応の収拾はついたとされるのかもしれないけれど。)
     魔界編の『食糧として人間を見なす視点』も結果は置き去りにされるし、延いては魔族の属性が曖昧になる流れもあった。
     (ついでに幽助の寿命の問題は、おそらく元から考慮されていない気がする…。)
     つまるところ、舞台や状況があちこちに飛ぶ物語は、帰着する『軸』があるかどうかで安定度が決まるのではなかろうか。
     人物でも場所でも特定行為でも、『其処に戻ることで全体を吸引させる軸』があれば、多少チャプターごとにエピソードが飛び火しても取っ掛かりを無くさずにいられるし、むやみに混乱しなくて済む。
     自分にしてみれば「幽遊」の軸はどうも『人間(界)』だったらしく、故に後半いっそう掴みを見失ってしまった。
     時にホラーやファンタジックめいた味付けがあり、事件や格闘競技に比重が置かれても、『人間の少年が遭遇する波乱万丈な出来事』だと大雑把に括り受け留めることができた。
     周囲に不思議な力を操る人物たちが群がるようになっても、主役の生活空間は基本的に、特殊能力ばかりが横行しない(自分らの日常と地続きの)平凡な世界と認識していた。
     楽しそうに戦う幽助の姿は格好良いけれども、それは飛び立つ鳥の眩しさであり、いずれ住み処(か)への着地が予想できる安心感が前提の条件あっての輝きだった。
     連載当時、彼の魔族化に面食らっただけでなく受け容れきれなかったのは、その事実が上記の軸を根っこから叩き折るものだったからだろう。
     もし前々から計画されていたものなら、単に自分の読みが浅かったに過ぎないし、予定外の展開だとしても、ソレを起点に人・魔・霊の三界を包括する壮大な世界観に拡げて異界交錯の盲点を突くのは凄い。
     ただどちらにしても、全体の辻褄合わせ…元い細部の調整に注ぎ込む余力が見えず、収束にちぐはぐな印象は残る。
     勿論作者側の事情が一杯一杯らしき気配もあったし、編集部との折り合いを照合する必要もあるのだろう。
     そもそも、幾つかの世界構築や別個に掘り下げた方が良さそうなエピソードが、一つの冠の下(もと)に未消化のまま纏めて詰め込まれたことから発する、矛盾や居心地の悪さだとは思う。
     だから全体像としては歪(ひず)んで不統一で、でも部分的なテーマや人物は深遠なこの漫画は、読み手それぞれが嗜好や関心の違いによって必然的に異なる注目の仕方で、個別に考察するしかない作品なのだろうと結論を出している。
     (つまり、どのキャラを贔屓し中心に据え舞台を設定するかで、ファン活動としても地続きでなくなると。)
     完成度は怪しいけれど、それを理由に駄作とは言いたくない。
     必ずしも充分な描写ではなくとも、自分にとっては、とびきり魅力あるヒロインに巡り逢えた忘れられない物語だ。

  • 「鼻クソ入れたろか、ラーメンだけに」は
    「ザーメン入れたろか、ラーメンだけに」

    だったらしいですが、真偽のほどは?近々、図書館で当時のジャンプ確認しに行こうと思います。まんだらけで買っちゃうのもアリかな。

    武術界後半~仙水編の書き込みが半端じゃない。戸愚呂の地獄行きの辺りとか、仙水編の怪しさやグロさは本当に描きたかった題材だったんだろうと感じる。

    今でも知りたいのは、蔵馬の勤める中小企業について。
    「オヤジの会社の方が面白くってね」
    長髪でも可能で、聡明かつサイエンスを好む高卒の蔵馬がおもしろがる職種はいったいなんでしょう。

    幽助の寿命とかね。螢子と生活できるのかな。彼女は冨樫が一番嫌うキャラクターですから、あっさり悲しませる可能性もある。面白い。

  • 最後の写真が本当に切ない。人間と妖怪、いつかいなくなる仲間たち。

  • やはり面白い。小さい頃は妖狐蔵馬が好きだったけど、読み返してみると仙水、樹、鴉など敵キャラもかっこよかったなあと。唐突に物語が進んだり終わったりもまた魅力。

  • 確かにこのグダグダな締めはひどいが、最終話に幽助と螢子ちゃんの1話から不変な関係が、「女神」と括られている、なんかそれは幽☆白って物語の基盤として根付いていたものなんだと思うと、少なくとも私は、それによってこの漫画は救われたように感じました。大好きです。

  • 当時、夢中で「ジャンプ」を読んでいたて本当にこの頃は傑作が多かったなぁ、と思います。冨樫氏の漫画はどれもストーリーの深さが凄いけれど『幽遊白書』は中でも傑作だと思います。登場人物一人一人の生い立ちすべて心に深く残ってそれぞれの能力が個性的で、戦闘シーンもかっこいい。おまけに、サブキャラたちが、サブではとどまらないほどに魅力的。何度読み返しても同じだけ笑って感動して泣ける漫画。これはアニメも傑作だったなぁ。とくに主題歌!今でも歌います。▼完結/全19巻

  • 「冨樫だから…」で総てが許される理由が分かった。
    面白いし、絵も巧いし、キャラクターに嫌味がない。凄すぎる。


    持っているのは完全版ですが、コミックス19巻の巻末イラストの為に、19だけコミックスで持っています。

  • クラシック。
    戸愚呂弟の真っ直ぐで不器用な所、切なく悲しい生き様に心打たれました

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