- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091792563
作品紹介・あらすじ
犬と猫を愛するすべての人に
著者の実体験を基に、老いた愛犬の死までを丹念に描いた『犬を飼う』。
そして、愛犬の死後、行き場をなくしてやってきた猫たちとの生活を描いた『そして…猫を飼う』。
本シリーズに加え、谷口氏が犬と猫との生活を描いた珠玉のエッセイ『サスケとジロー』(全16000字超)、谷口氏の後期犬まんがの傑作『百年の系譜』を収録し、1冊丸ごと、犬と猫を題材とした作品集としました。
発表時に大反響を呼び、知る人ぞ知る名作として読み継がれる感動傑作、決定版としてついに登場!!
*本書は『犬を飼うと12の短編』(小学館)収録作品の一部を抜粋し、エッセイを加えて再編集した新装版となります。刊行にあたり、すべての原稿を新たに製版し、カラー画稿はすべて4色印刷にて収録、名作『犬を飼う』シリーズの決定版となります。
【編集担当からのおすすめ情報】
本書は、谷口ジロー先生がご自身の経験に基づき、年老いた愛犬を看取るまでを描いた、悲しくも感動的な物語です。
発表から26年が経過し、谷口先生も亡くなられましたが、作品の持つ輝きは、今も全く褪せていません。
むしろ、老犬の介護問題や、お子さんがいらっしゃらない家族にとっての犬や猫の存在を描いていることで、今こそ多くの人に、感じていただける部分のある作品ではないかと思います。
小学生以上のすべての世代にお読みいただける内容ですので、幅広い世代の方に手に取っていただければと思います。
感想・レビュー・書評
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本書のタイトルとなった2作品は、それぞれ読切として描かれた……とあとがきのようなエッセイを読んで、その短さに驚くほど濃い作品だと再認識した。仔犬から飼いはじめ成犬、老犬、そして犬を看取るまでを追体験し、最後は涙が流れた。動物を「飼う」と言うが、実際は作者が言うとおり「暮らす」のだ。我が家も保護施設から猫を1匹、そして、畑に捨てられた猫を1匹(当時は3匹が捨てられ、2匹は里親に引き取られた)と暮らしている。大変な時もあるが、癒されることの価値は計り知れない。
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谷口ジロー『犬を飼う そして…猫を飼う』小学館。
谷口ジローだからこそ描けた実体験に基づいた連作集。『犬を飼う』『そして…猫を飼う』『庭のながめ』『三人の日々』に加え、『百年の系譜』とエッセイ『サスケとジロー』『思い出すこと』を収録。今から26年前の作品なのだが、全く色褪せることのない傑作だと思う。
『犬を飼う』も感動的な物語なのだが、『三人の日々』がツボにはまり、涙が止まらなかった。終盤の秋子の泣き顔が秋子の小さな胸に抱えた思いを伝えてくれる。そして『百年の系譜』。やはり犬を主人公にした傑作『ブランカ』のラストを思い出した。こちらも傑作だ。
『犬を飼うと12の短編』収録作品の一部を抜粋し、エッセイを加えて再編集した新装決定版。本書には愛読者アンケートが挟み込まれているが、アンケート葉書にも谷口ジローのイラストが描かれており、返信などしたくなくなる。 -
犬、そして猫を飼う(最終的に看取る)ことのさまざまについて考えさせる作品集。元は1990年代の作品がほとんどなので、今とは若干感覚が違うが、それでも基本は変わらないだろう。
そしてその作者谷口ジロー氏も今は亡い… -
犬を、猫を生き物を飼うということは
生きて、死ぬものと暮らすということなんだと
示されたよう。
綺麗事ばかりでない、現実が描かれていると思った。
だからこそ、愛しいのだと。
生き物を飼う身としてはとても共感した一作。 -
『犬を飼う』について
我が家の愛犬がちょうど老い初めていた頃に初めて本作を読んだので、ハンマーで殴られたような衝撃を受けました。
『犬を飼う』は、谷口ジローさんの実体験を基にしており、飼い犬の老いから看取りまでを中心に描いています。
タム(作品中の飼い犬)の表情や仕草がとても緻密に描かれており、また言葉一つ一つにも重みがあるため、リアリティがあります。作者さんが、飼い犬を愛し、丁寧に育てられたことが推察されます。
本作を読むことで、「犬を飼う」(あるいは「犬と生きる」)とはどういうことか、理解が深まる思います。
大事にすればするほど、死に直面した際の悲しみは深くなるが、与えてくれるものは大きい。これは、人間も犬も同じことだと思いました。
本作のおかげで、愛犬に対する心構えが引き締まったので感謝しています。
今動物を飼っている方には是非読んでいただきたいですが、飼っていない方、昔飼っていた方、これから飼おうと思っている方、すべての方におススメしたいです。
駄文・長文失礼しました。 -
動物との暮らしを描いた短編読み切り漫画。老犬を看取る話は、思い出してしまいます。実家で飼っていた犬、我が家で飼っていたウサギ(いずれも引き取った動物たちです)との楽しい日々と最後の看取った日を。
動物との暮らしはとても心を豊かにしてくれるのですが、必ず最期別れの時がくるのですよね。それが、自然の摂理だと理解はしていても、悲しいものです。
家族ですからね。いつかご縁があれば、猫と共に過ごす日がくればいいなぁ。
そんなことを思いながら読みました。 -
1992年に単行本として出版され、初めて作品に対する賞を受賞した作品。表題作は、長年寄り添った犬を看取ることになった夫婦の悲しみ、そしてひょんな縁で猫、それも知らぬうちに妊娠してしまっていた猫であることから生まれた子どもを含めて3匹の猫と暮らす喜びがが綴られている。
著者自らの実体験に基づき作品であるということもあるからか、特に犬の看取りの描写は非常にきめ細かく、読者の涙を誘う傑作である。また、3匹の猫と暮らす後半においては、とにかく気ままに家じゅうを遊びまわる子猫たちの描写が可愛い。
全ての人間は犬好きか猫好きのどちらかでしか論理的にあり得ない。ということは本書は全てに人間にとって価値のある一冊といっても過言ではないだろう。 -
自分は4匹の猫飼いである。そしてまだ看取ったことはない。いつかくるその日のための心の準備になるかと思いながら読んで、ジワリ。
他人の看取り経験でこのようにもジワリしていたら、自分の飼い猫が死んだらどうなってしまうのだろうか。
そして。
谷口ジローさんにはまだ生きて作品を書いてほしかったな……と思うとまたジワリ。
ジワリ本である。 -
人の言葉を話さないペットに過度にキャラクターをつけるコミックエッセイが苦手なのだけれど、これはそのままのペットの姿を描いていてとてもいい。