- Amazon.co.jp ・マンガ (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091848604
作品紹介・あらすじ
テツオは、死んだはずの麗子だった。
炎に包まれた幽霊塔の地下迷宮は
殺人鬼「死番虫」を下敷きにして崩れ去った。
しかし、その遺体が見つからない。
迷宮で「死番虫」が犯した無差別殺人の罪は、
幽霊塔から姿を消した天野とテツオに着せられる。
当局に手配された二人は、
天野が女装し、夫婦を装い身を隠す。
女が男に・・・男が女に・・・へんてこな偽装夫婦。
そんな二人が潜伏先の宿で出会った、一冊の小説。
それは、幽霊塔の謎につながる驚愕の内容だった。
【編集担当からのおすすめ情報】
男装の麗人と童貞男・・・・・・・・・人類未体験の友情サスペンス!!
感想・レビュー・書評
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この巻ではテツオと天野の逃避行がメインとなります。
警察の目を欺くため天野が女装し新婚夫婦を装うのですが、その際の天野が女性になりきってテツオに胸ときめかせるシーンが多く散りばめられていて、ジェンダーの境界線が曖昧になります。
ですがそれもまたよし!
幽麗搭を読んでいると古き良きミステリーの様式美を思い出します。江戸川乱歩や横溝正史が好きな方は、猟奇と怪奇と耽美が織り成す世界に惹きこまれるはず。それだけならば古臭い、使い古されたと鼻白む向きもいるでしょうが、ヒロインの枠を破って軽やかに跳躍する男装の麗人・テツオの鮮烈な存在感が、物語をぐっと盛り上げる。
一応本編の主人公は天野なんでしょうが、全編通して活躍し颯爽と美味しい所をかっさらっていくテツオの男前さといったら堪りません!女性読者でも惚れかねない。
幽麗搭の殺人の謎解明を縦糸に、二人が旅先で遭遇する奇怪な事件を横糸にストーリーは進行するのですが、今回は閉鎖的な村での密室殺人が肝。
事件の真相は伏せますが、私はあの終盤の演出こそが、この漫画の特色を打ち出していて素晴らしかったと思います。
理詰めの推理で真相を解き明かしてもなお残る人の業、心の闇。狂気と妄執が生み出す悲劇。
乱歩や正史の愛読者なら共感して頂けるでしょうが、トリックよりむしろそちらに比重をおく読者ならば、惨劇が悲劇へ、そして諦観を含んだ静かな悟りへ様相を変えるあの一連の演出もすんなり受け止められると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
川崎DICE
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女装ってそっちー!と思いながら、男女逆転の方が様になってる…。
でも本筋ぜんぜん進まず、友情だの愛情だのになってますけど、そてもこれも全部伏線だと信じたい。 -
男装の麗人と女装する童貞男、と見るとすごい組み合わせ。殺人の罪を着せられ、逃亡するふたり。潜伏先の宿で出会った一冊の小説。確かに筋が似過ぎてる。谷底の村の掟恐ろしい。あの子は死ぬ必要なんてなかったのにな…
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逃避行の中で、二人は閉鎖的な集落に囚われ密室殺人事件に巻き込まれる羽目になります。二人の交流が深まったり、謎解明の手がかりが得られたりして、筋は進みますが、RPGのお使いゲームに付き合わされた感もしました。これからは、どのように展開させるつもりでしょうね?
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天野の心情が切ない。今は完全に振り回されているが、今後どうなるのか。