- Amazon.co.jp ・マンガ (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091874191
感想・レビュー・書評
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すごくセンシティブな内容に正面から向かっているマンガ。
高校生という「無神経」な年頃に生じたこの問題は、作中にもあるように、時間でしか解決出来ない事なのかもしれない。
とか、真面目に考えてしまいました。面白い!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
LGBTQの本棚から
第1回 あなたの周りの見えない「誰そ彼」
水先案内人:林くん
今日紹介するのは「しまなみ誰そ彼」という漫画です。
書店に並ぶたくさんの本の中でこの漫画の帯の文が心に響きました。
1巻が
『「お前ホモなの?」 その言葉に僕が、死んだ。』
2巻が
『「女装をする、僕」は何者なのか、僕にもわからない。』
なかなかにセンセーショナルですよね。
そんな帯からもわかるように、この漫画はLGBTをテーマにしています。
LGBTという言葉をご存知ですか?
「L(レズビアン),G(ゲイ),B(バイセクシャル),T(トランスジェンダー)」の各頭文字をとった、セクシャルマイノリティー(性的少数者)を表す言葉です。
僕もLGBTの当事者で、T(トランスジェンダー)にあたります。
「談話室」という誰でも好きな時に好きなだけ利用できるスペースを舞台に、様々なセクシャリティの登場人物がぶつかったり、支え合ったり、助け合ったりする物語ですが、そんな内容のマンガを描くだけでも難しいのに、このマンガがすごいのは
「セクシャルマイノリティの心情がありありと描かれている」
ところです。
マジョリティ(異性愛者)にはわからない、マイノリティの葛藤・苦しみ・悲しみ……思わず涙してしまう場面もありました。
LGBTの人は(LGBTだけでは区分できないのですが、ここの話はまた今度……)少なからずどこかで悩んだりした経験があると思います。
もちろん何も悩まなかったという人もいないわけではないですが……。
”普通”に生きていくために自分を殺してきた人もいれば、自分に正直に生きてきた人もいます。
どうしようもない気持ちを怒りにして表現したこともあるでしょうし、世界に一人取り残されたような孤独感を味わったこともあるでしょう。
そんな気持ちが鮮明に描かれているんです。
例えば冒頭のシーンで主人公が「お前、”そうなん”?」とクラスメイトにカマホモ疑惑をかけられ、それに対して「バカじゃねーの ホモなんて。」「きもいわそんなの。」と自ら否定する言葉を発します。
ここまであからさまに指摘されることはなくても、自分のことを隠すためにわざと自分を否定する言葉を言わなければならないシーンに出くわしてしまうことは意外とあります。
LGBTであることを知られることは、当事者にとっては大きなリスクです。それを避けるために自らを否定する言葉を発することで、心を傷つけ、時には殺してしまうこともあるんです。
※オカマ・ホモといった言葉は差別用語なので言わないようにしてくださいね
自分の性的指向に悩んでいる人にも、LGBTの人にも、そうしてそれ以外の人にも、色々な立場の人に読んでもらいたい1冊です。
最初のあたりではマジョリティの中でのマイノリティの存在が問題になりますが、もちろんマジョリティのなかだけで問題が起きるわけではありません。
当事者同士、カミングアウト(自分から他者に自分の性的指向等について伝えること)済みの理解者との間でも様々なトラブルが起きます。
同じセクシャルマイノリティでもわかりあえるところとそうでないところがあります。これは皆さんも同じですよね?
2巻では女装男子(セクシャリティは未確定)の子のために主人公が奔走しますが、善意での行為が相手を傷つけてしまいます。相手のことを思って、相手のことを理解しようとしてもすれ違ってしまうのは、マイノリティもマジョリティも関係ないんです。
うーん。
あとわかりやすいのは、本人の許可なくその人の性的指向等を他人に伝えてしまう
「アウティング」
という行為でしょうか?
最近だと、俳優の成宮寛貴さんがアウティングの被害にあっていましたね。
些細なことに思うかもしれませんが、本人にとっては死んでしまおうと思うほどのショックを受けかねない行為なのでこれは絶対にしないでください。
実際去年、アウティングされて弁護士志望の男性が自殺してしまった事件もありました。
カミングアウトはある意味で信頼の証ですから、カミングアウトされたら、せめて否定だけはしない、そうして他の人には言わない、であげてください。
あまり内容を書いてしまうと読む楽しみがなくなってしまうのでこのあたりで締めます!
一読の価値のあるマンガだと胸を張ってオススメできる作品なのでぜひ読んでみてください。
2017年04月18日 -
のめり込むと傷つきそうになる。
感情表現?が美しくてみいってしまうのでそこも含めてみんなにおすすめしたい。
たすくが制服のワイシャツの下にTシャツを着ているのとかそういう細かいところが妙にツボに入る -
同性愛者の日常と苦悩なんてのは繊細であるがゆえに興味の外ですね。こちらは女性マンガ家らしいタッチが気になる
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BLや百合といったファンタジーではなく、リアルなLGBTを描くのはすごく価値のあること。
進むにつれて同人寄りのものにならないかが心配。
オタクの需要なんか考えず、社会に訴えることを重要視して描いて欲しい。
今後が楽しみ。 -
東京レインボーウィークのLGBTを知る100冊、レインボープライドブース出展を後から知って慌てて買って読んでみたけど……うーん…………
そういう売り方するからにはやっぱ昨今のLGBTムーブメントの文脈に沿ったものなんだろうけどなんだかリアリティがない…
鎌谷先生は隠の王とても好きで読んでてどういう作風なのかは知ってるしファンタジックな書き方は先生の個性だと思うんだけどそれが題材に合ってない気がするのが一つ。
しかしそれ以上にセクシュアルマイノリティの書き方自体になんかリアリティがないんだよなあ…
本当に感覚的な部分だけど、私の感覚ではもっと深刻ではなくて日常の一部でしかないんだけど、でも不意打ちで致命的な一撃を食らわされるみたいな感じで、そういうのをもっと描いて欲しいし、すでに書いてる人がいるんだから過度な期待ではないでしょうという……
やはり描き方が大げさな気がする。
鎌谷先生は隠の王でも少年ノートでも少年同士の親密な関係を描いてたし同人でBLをやっていた記憶があるけど、今回の作品を書くに至ったきっかけが知りたいなあ…
あとがきに書いてある東小雪さんとひろこさんからの影響なのかな?
そして東京レインボープライドにブース出展してたけどコミック関連のブース出るの初めてだと思うんですけど…………深くはつっこむまい。
しかし、LGBTってくくりで描かれたマンガって私が知る限りはこれが初めてなのでその価値はすごく大きいと思います。今後の展開に期待。 -
つっはー! すごい! 介少年の若い,そしてそれだけではない,マイノリティーの,心の葛藤が,悩みが,ビシビシ伝わってくる,確かに新境地だ。ここのところLGBTが漫画の題材として,または物語の中に,登場人物の中にそっと現れるようになってきた。以前であれば,ストレート目線での娯楽として消費されるBLや百合,もしくはその世界に閉じた漫画が多かった中,こうして普通に……というと語弊もあるのだけれども,描かれるようになってきたのはいいことなんじゃないかと,理解が深まればな,と。つい先日も,アメリカで親にカムアウトした男性が父親に射殺されてたけど,所詮は他人なんだから,理解もしようとしないならば,難しいならば,せめて認めるくらいしてあげればいいのにと思う,自分の人生ではないのだし。
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やっ、やばぁーい!!これは名作のにおいがする。1話1話丁寧で続きも気になる。尾道の情景もいい。心が壊れそうでグラグラした危うい表現が凄くてこっちも心臓がバクバクしそう。
堪らないなぁ。心臓つかまれたわ。 -
壁を壊そうと思っても一歩踏み出すのは大変なエネルギーがいる。まずは釘一本から、っていう表現が素晴らしいと思った。