ぼくんち<全> (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 630
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091877017

感想・レビュー・書評

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  • 限りなく★5に近い4。間違いなくサイバラの中期最高傑作。まだまだリリカルすぎることなく、なんの計算も打算もなく情熱に任せて描いた作品。捨てるものがなかった時代のサイバラの、これは残せてよかったものだと思う。
    こういちくんのおねえちゃんが死んだところよりも、マリアでいつも泣いてしまう。

    「恋とゆうものは 光る階段のてっぺんから 羽根を背中につけた女がばしばしと おりてくるようなものだと思ってた
    こんな恋もあるんだなあ」

    いっぺんに読み終わったあと、いつも自分がどこにいるかわからなくなるほどぼうっとしてしまう。半端ない力を描き込めた作品。

  •  生きているのがいやにならないのかってぐらいどん底の生活の中、必死に必死に生きてゆく。意図せずに。絶望的なほどの貧困街で、一太と二太は生きていた。そこに加わるかの子ねえちゃん、そして多くの人間たち。
     リアリティがありすぎて、何処かゾッとし、それでいて胸の奥がぎゅうと締めつけられる。
     かの子ねえちゃんは言った、「幸せになりたいだけなのに」。そう、みんな、幸せになりたいがために生きているだけなのに、どうしてこんなに傷ついてしまうのだろう。傍目からは不幸に見えても、幸福なときもある。傍目からは幸福に見えても、不幸なときもある。
     彼等はどっちだったのだろう。
     彼等は、幸せだったのだろうか。

  • サイバラワールドを代表する名作。貧しさと愛情をコミカルさとシリアスさ、ユーモラスにときにシニカルに描く。泣けます。

  • 「人は
     神様に もうええよ って言われるまで
     生きなきゃならない」

    言葉が胸に刺さりました。

    どん底かもしれないけど、生きてゆく。
    涙と愛しさがこみあげるマンガ。

  • 泣いても腹はふくれん
    大事なことはかのこねえちゃんが教えてくれる

  • この漫画を読むと、業田良家『自虐の詩』の結末を思い出す。
    それは次のようなものである。

    「幸や不幸はもう良い
    どちらにも等しく価値がある
    人生には明らかに、価値がある」

    不幸や汚わいを知らずに人生を肯定することは容易である。
    だが、不幸のうちにおいて、それでもなお、人生を肯定できるのは強靭で崇高な精神の所産である。

    自分は試されていないな、と。自分は試される場で勝負できていないな、と自己反省。

    無頼派西原と抒情派西原の地続きが確認できるのも面白い。

  • ふかい。

  • ここ一年で一番泣いた。美しすぎる。たまらん。
    人間は醜い。されど人生は美しい。
    くろぐろぐるぐるの目ん玉の奥を描ける人。
    他人を傷つけても大切な人を愛せる人間様をそのまんま描ける人。


    強く生きて行く三兄弟を描いた少し哀しい物語、なんて評すんじゃねえよ


    ぼろ泣きでsuドン引き。
    目が腫れなくてよかった

  • 何やーにいちゃん。 やっぱりすしたべてるやんか、うまいやろーーなあなあ。

    うまい。
    こんなに うもうて こんなにまずいすしはくうたことがない。

    にいちゃんはそうゆうと小さな声で笑った。

    (第18話)

  • 死ぬほど切なくなる、サイバラ最高傑作。
    「笑えっ!泣いてておまんまま食えるかーーーー」
    名言。

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著者プロフィール

高知生まれ。漫画家。’88年『ちくろ幼稚園』で本格デビュー。’97年『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞を受賞。’05年『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「2021年 『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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