- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091913838
感想・レビュー・書評
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ヒロインのひとりが体育祭でブルマーを穿いているのを見て、「昔のマンガなのだな」(1989〜91連載)と改めて思う。異国が舞台なら、こういう所感は湧かないのだろう。
宇宙レベルまで広げられた風呂敷が綺麗にクルクルたたまれてゆく。
音楽を絵で表す絶妙の描写力。萩尾望都と同時代に生きる悦び。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2巻からは完全にSF。宇宙人がたくさんやってくるわけだし。
楽器の意味もだいぶん理解できてくる。それにしても萩尾望都のSF世界にはいつも秩序を正すための大きな組織が必ず出てきて、その存在の絶対感たるや、安心感をあたえてくれるから好きだ。ニキ好き。
アリアドを閉ざした扉の記憶から解放するアベル。
アリアドの楽器となることを享受しているアベル。
それから、ラストの終わり方!
とても可愛かった。
この話は、日本が舞台だし、少年たちと不思議の宇宙と、萩尾望都らしい美男子アリアドと音楽が加わった、壮大なスタンドバイミーみたいな。昔、夢中になって読んだ児童文学みたいな要素を感じた。 -
ベリンモンを盗んで逃げだしたアリアドを追って、仁木次郎(にき・じろう)と名乗る調査員が地球にやってきます。アリアドは、アベルのなかに入り込んだベリンモンが奏者である自分と共振すると主張します。アベルは否定しますが、共振の事実が明らかになり、やがてアリアドとともに宇宙へ帰ると仲間たちに告げます。
ところが、アリアドとともに無人の惑星へ向かい命を落としたダリダンの妹リリドが地球へとやってきたことで、アリアドの過去の秘密にアベルの目が向けられるようになります。
前巻では、ややストーリーの中心的なテーマが前面に出てくるまで若干の助走があったように感じましたが、後半ではアベルとアリアドの関係がストーリーの中軸に据えられて、緊密な構成になっています。 -
どんな音楽なのかなあ 聞こえてくるような表現力はさすがです
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2010 2/23
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めちゃくちゃ面白かったです。
銀河保安員がアリアドに対して、アベルが楽器であることを証明しろと迫るところから始まり、
二人が完全に共鳴できないのはアリアドの過去に封印された部分があるからだ、と続く。
物語としてこうなるのは予定調和というものですが、アベルとして生きたかったアベル(=ベリンモン?)の気持ちを考えると、やっぱり切ないところもあるよね。
この巻はアベルとアリアドの関わりが中心で、焦点がぐっと絞り込まれてて入りやすかった。
それだけに、「えぇ!?ここで終わり!?」と、やたら短く感じたのでした。
ラストシーンの二人の関係は素直にかわいいと思ったんですが。
これから先、二人は宇宙を旅するんでしょうか。コンサートを開くんでしょうか。
アリアドはウジウジしてて暗い奴なのに、音楽のこととなると急に自信満々になる、そのギャップがイイよね。
その逆でアベルは普段ナマイキで活発なのに、音楽のことになると何もわからなくなる、そのギャップがイイよね。
とりあえず、ダッカ博士に演奏聴かせてあげたらいいんじゃないでしょうか。笑 -
「進化の出口もない<br>
夢も知らないナイトメアの星は<br>
どんなふうに こんな二人の足音を<br> 音楽を聞いたのだろう<br> 未来の夢は すこしでも<br> その大地を訪れたのか」