いたいけな瞳 (3) (小学館文庫 よE 14)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091915344

作品紹介・あらすじ

冬の朝、いつものように出かけたきり帰らなかった父。それから、踏切で父を待つことが幼い栗太の日課となった…「犬」。など、清冽な世界を美しい筆致で描いた傑作短編7本を収録。

感想・レビュー・書評

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  • この3巻の「いつも心にスキップを」というお話と、4巻の「嘘をつかずに男を騙す方法について」というお話が対になっています。

    これは、アレですね。自由に生きている女の子が、もう決まった女の子がいる男にとっては、いかに危なっかしく見えるか(自分にとっても、相手にとっても)ということと、まだ、決めた女の子の子がいない男にとっては、どんなに魅力的に見えるかという話かな?

    そして、そんな子は、どこかで案外、自由な自分をしばって欲しいと感じているのかも。
    あぁ、これでは、4巻の感想だ(笑)

    惹かれる話は、「夢喰い」。
    XPのの女の子を外に連れ出してしまうお話。

    それは、辛い記憶なので、記憶のなかに封印されてしまいます。

    はじめて陽光のなかに出た女の子の気持ち。
    ずっと、大切に守ってきた女の子を亡くした親の気持ち。
    そして、女の子を光の下に連れ出したかった子どもたちの気持ち。

    物語にかかれていないことまで、いろいろと想像できてしまう今の自分は、もしかすると、物語にたいして以前よりも不純になっているのかもしれないです。

    神宮は、トラウマしらずなんではなくて、きっと、燿と同じ能力を持っているのだと思います。
    でなければ、あそこで、あのかっこは出来ないでしょう。
    トラウマさえも、笑いに変えちゃう強さと優しさ。

    「恋は季節モノだが友情はオールシーズンだ」

    といって去っていく彼の「恋心」が見えるとかいたら、それは、あんまりにも勝手な解釈なのかな。

    でも、そんなこと言っているときは、たいがい恋してて、必死に自分に言い聞かせているときだと思います。

  • 「犬」

    焦がれて失って。
    ぼくが父の中で消えても、父がぼくの中で死んでいっても。
    ぼくはぼくとして生きていく。明日も。

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