スネークダンス

著者 :
  • 小学館
3.70
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本棚登録 : 101
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092893160

作品紹介・あらすじ

芸術と出会う喜びと挑戦を描く青春小説 芸術の都ローマで生まれ育った圭人は、古い町並みをスケッチするのが好きだった。父親が亡くなったことを機に母と日本に帰国する。住みなれた土地を離れて引っ越してきた東京でも、スケッチしながら歩いていると、忍者のような姿の人が、スプレー缶を持ちダイナミックに落書きしている。なんだこれ?! すごいな。芸術と出会う喜びと挑戦を描く青春小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 イタリアの建築物やアートが少年目線でたくさん語られるところも、読みどころとなっている。天才ではない普通の少年が、何を感じ、何を見つけていくのか・・・。イタリア在住の作者ならではの読みごたえのある物語です。

感想・レビュー・書評

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  • 105度のような専門性高いバディ感あり。
    イタリアで生まれ育った圭人は父が交通事故でなくなり、母の実家がある日本に中学生で戻ってきた。読んでいてびっくりするくらい日本の文化に溶け込む圭人。
    前半はイタリアでの描写で、デッサンなどが好きな圭人の目線でイタリアの文化施設や生活が語られていき、日本にやってきてからの違いの描写が楽しい。何の価値もないような昔作りの建物などなるほどなぁと思わせる描写はさすが!スネークダンスも、踊りではなく、木造建築のもつ耐震構造でした。そして、舞踊ではなく絵画の話です。これは大人が読んで面白い本。高学年から大丈夫です。

  • 父親が事故で亡くなり、イタリアから母の実家へ戻った杏里。両親現在だが、ややこしい事情で父のばあちゃんと暮らす親に反発している歩。

    親や学校の規則に反発するのは、やはり中学生だが名前・言葉遣い・風貌、一読性別がよくわからないのは現代的である。

    イタリア在住の佐藤まどかさん、風景と美術館の彫刻の描写が魅力的で、彫刻の絵をググりつつ読んだ。身近にあれば、美術書片手に読みたいところ。

    #中高生

  • 思春期の、コントロールできないエネルギーや言葉にすることにできない感情をかかえこんでいるときってこんな感じじゃないだろうか。
    スネークダンスというタイトルだけで判断すると内容を誤解しそう。手に取らない読み手もいるかもしれない。建築、アート、まちづくりからは遠い言葉に感じられるので。込められた意味はわかるのだけれど。

    自分ではかなわない才能が存在すること。
    自分には向き不向きがあること。創造ではなく守ること。

    ふつうに暮らすことの難しさ。
    だからふつうは悪くない。
    ここで言うふつうは、他の人と同じという意味ではなく、平和に、安らかに暮らすという意味だな。




    出版社
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09289316
    書評
    https://book.asahi.com/article/14712922

  • 中学2年生になる直前、生まれ育ったローマからある事情で東京に引っ越すことになった圭人(けいと)

    町をめぐりながら建物や景色をスケッチしていると、スプレー缶で仮囲いに落書きしている人と遭遇する

    「すごいな」

    プロのレベルのグラフィティアートを描いていたのは歩(あゆむ)だった

    やりたいことが見つからない圭人
    なにかに反抗していないと気がすまない歩

    芸術を介して交流するうちに、二人の思いが変わっていく

    「もしかすると、ぼくのやりたいものはこういうことだったんじゃないかって……」

    日本児童文学者協会賞&児童ペン賞少年小説賞をダブル受賞した『アドリブ』の著者による“出会いと芸術の青春物語”、2022年3月刊

    『スネークダンス』というタイトルからは想像がつかない疾走感、爽快感

    〈イタリアの建築物やアートが少年目線でたくさん語られるところも、読みどころとなっている。天才ではない普通の少年が、何を感じ、何を見つけていくのか・・・。〉──編集担当からのおすすめ情報(公式サイトより)

    著者はイタリア在住
    「家庭崩壊、登校拒否を経て奨学金で渡伊。大病から復帰した雑草」
    Twitterのプロフィール欄に驚かされる

  • スネークダンスはダンスではなく、法隆寺の五重塔の構造に関連している言葉だった。
    イタリアからの帰国子女の圭人と学校で知らない者はいない反抗的な歩。
    ふたりは絵という共通点でお互いを理解しあうようになっていく。
    父の死から立ち直れない圭人と父に必要以上に反抗的な歩。
    法隆寺の五重塔の心柱のようにくねくね、ゆらゆら揺れながら、芯をしっかり持った大人に成長していくことを願う。
    立派な宮大工と弁護士になってほしいなあ。

  • スネークダンスとは、ダンスの種類じゃなかったのですね。
    イタリアと日本、距離は離れていても芸術や建築には通じるものがある。
    本物の素晴らしさに触れたことが、将来の夢に繋がっていく過程がよかった。

  • 佐藤まどかさんはイタリア在住ということもあり、イタリアを題材にした作品も多い。タイトルからしてダンスに打ち込む話なのかなぁと思ってたけど、スネークダンスとは五重塔の耐震構造のこと。これにより五重塔は倒れることなく現存している。

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著者プロフィール

『水色の足ひれ』(第22回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞・BL出版)で作家デビュー。主な著書に『スーパーキッズ 最低で最高のボクたち』(第28回うつのみやこども賞受賞)『ぼくのネコがロボットになった』『リジェクション 心臓と死体と時速200km』『雨の日が好きな人』(以上、講談社)、『セイギのミカタ』(フレーベル館)、『つくられた心』(ポプラ社)、『一〇五度』(第64回青少年読書感想文全国コンクール中学校部門課題図書)、『アドリブ』(第60回日本児童文学者協会賞受賞)、『世界とキレル』(以上、あすなろ書房)など。
イタリア在住。日本児童文学者協会会員。季節風同人。

「2023年 『おはなしサイエンス AI(人工知能) ロボットは泣くのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤まどかの作品

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